移動中のタイムマシンから見えるのは色とりどりの不思議な空間で、あまりの綺麗さに魅入ってしまう。暫くすると悟空の頭が私の後頭部に当たり、おでこがごっつんと派手な音を立ててガラスにぶつかった。後頭部とおでこ両方が痛い。

「いってぇぇ」

「わりィわりィ、ちょっと酔っちまって目が回るんだ...」

「何の音かと思えば...」

「ははは、歌音さんも悟空さんも大丈夫ですか？もう直着きますよ」

☆☆☆

ｶﾊﾟｯ

「ぎゃああああ！」

「！？」

タイムマシンの外側にいた私はガラスの囲いがなくなった瞬間こぼれ落ちるように落下したのである。急すぎて舞空術も忘れていたが、寸手の所でベジータが腕を引っ張ってくれて助かった。
礼を述べゆっくり下ろしてもらう。辺りを見回すと目に入ったのは現代の地球とは程違く、瓦礫と廃墟しかない市街地跡でトランクスくんに着いて行った先には生存者達が身を潜めていた。かなり沢山いるが、元の都の大きさを考えたらかなり少ないのだ。
トランクスくんが駆け寄った先には話に聞いていたマイさんがおり、2人は抱き合って喜びを分かち合っていた。ベジータは珍しく動揺している。父親として複雑な心境があるのかな、あとで慰めるとしよう。
ブルマから受け取っていたケース詰めのホイポイカプセルを渡し、マイさんと少し仲良くなった。年は近いと言うことで、お互い呼び捨てにすることになったのである。
暫くして激しい揺れに襲われた。

「なな、何だよこの揺れ！」

ﾋﾞﾘｯ
「2キロ上に誰かいる！」

「でも気が感じれねぇっちゅうことは神様か！？」

「ここも見つかってしまったかッ」

焦るトランクスくんに続いて、急いで地上に出た。