いつもと変わらない日常。今日は用事で孫くんと悟天くんがうちに来ていた。
ゆったりとお茶を飲んでいると、突然庭から轟音と振動が響いてくる。新しい侵略者かもしれないとベジータや孫くんと急いで外へ出ると、高校のような制服をきた少女がそこに立っていた。栗色のクセがついた長髪に澄んだ赤い目をしていて、とても綺麗な顔をしている。傍らにはドアが開いた宇宙船があり、とても地球で生産された物では無いと感じた。

「え、あ...」

私は驚きでうまく声が出なかった。きょとんとした女の子の顔からは敵意を全く感じられない。今までの敵とは大違いだ。
すると、少女はバランスを崩すようにどさりと倒れた。駆け寄ると、目は虚ろとしていて焦点があっていない。彼女もなぜ倒れているのか分からないといった顔をしている。

「ちょっと！大丈夫！？」

ほっぺたを叩いてみるけど反応が無く、すぐに意識がなくなった。

「孫くん、この子うちまで運んでちょうだい！」

「お、おぉ」



☆☆☆

少女は孫君がベッドに寝かせても起きる気配はなさそうで、すやすやと寝息を立てている。
ベジータはいつものしかめっ面で事の成り行きをみていて何もしてくれない。何か考えているようだけど。
あっ、いつもの事だった。

「はぁ、どうして急に...。一体何が起こるのかしら。取り敢えずあとはこの子が起きるだけなんだけど」

「こいつ痩せてんなぁ。ちゃんと飯食ってんのか？」

そういえば孫君の言う通り、この少女は痩せている。病的とまではいかないが、栄養失調気味。元からの体質？でも宇宙船に乗ってたし何か理由があるのだろうか。起きてから聞こう。


☆☆☆

地球に訪問者がやって来るのは久々だ。この女は敵なのか味方なのか、はたまたただの宇宙迷子なのか。カカロットはこの女を知らないと言った。少なくとも俺達の知り合いではない。
もし侵略者だとしても、気は普通の人間と同じくらい、見た目も強そうではない。俺だけで制圧出来そうだ。

何の用で宇宙から来たんだ。