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ドラゴンボール

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夢主
双子の妹

他の人に聞かれたくなくて場所を移動したいと言うと、「いいぞ」と言われる。何となく歩いて来て落ち着いたのは、ビルス様達に初めて会った船の裏だった。ここには人もあまり来ないので丁度良いだろう。この場所だけ思い出が詰まったなぁ。

「その、私達のことをコッペリオンって言うんですけど...」


時間がかかったが、三教授や実験の全てをピッコロさんに話すと、神妙な面持ちでそうだったのか...と言った。自分の過去を人に話すのは人生で初めてなのでなんだか少し恥ずかしい。それに正直引かれるのかと思っていたが、ピッコロさんは冷静に理解しながら話を聞いてくれた。言葉が詰まる事もあったが、彼は察してくれていてとても楽に言えたなぁ。恐らく彼でなければ私はまた取り乱していただろう。

「酷いな...辛い事を思い出させて悪い。よくここまで頑張った」

頭にぽん、と手を乗せてピッコロさんはそう言う。”頑張った”なんて他の人に言われたことがなく、思わず涙が溢れ出てきた。嬉し涙なんて初めてだ。

ぐずぐずと泣き出す私の隣で、ピッコロさんはぎょっとしていたがぎこちなく背中を摩ってくれる。暫くして涙が落ち着くと「気が楽になっただろう」と声をかけてくれた。確かに、人に話すだけで大分違うなぁ。ピッコロさんに言えてよかった。

足音と共に誰かの呼ぶ声が聞こえる。悟飯さんは曲がり角からひょっこり顔を出して、ピッコロさんと私を見つけると「あ、いた!」と声を出した。

「先に戻っているぞ」

と、悟飯さんがこちらにやって来る前にピッコロさんはそう言って歩いて行った。多分私の泣き顔が見えないように配慮しているのか、彼は悟飯さんに私が見えないような位置を歩いていた。

「あの、ピッコロさん!」

去って行く彼に向かって呼びかける。

「また何かあったら、ピッコロさんに相談してもいいですか...?」

彼は振り向いて「あぁ」と口角を片方上げると、?マークを浮かべている悟飯さんを連れてパーティー会場に戻って行った。緑は優しさの塊ですね。
私はまだ戻りたくなくて、手すりに肘をかける。まだ鼻や瞼が熱いので、そこは赤くなっているのだろう。その先に見える青い海をぼーっと見た。
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