落ち着いた後、職員室にて任務報告とか携帯を渡したりだとか色々やった。報告を聞いていてびっくりしたのだが、詩音が派遣された星は戦争が激化しており、殆どの都市が壊滅状態だったらしい。かつて栄えていただけあって兵器も開発しているので、街がぐちゃぐちゃになるのもあっという間。教頭は「紛争が各地で起こっていたが、まさか短期間でこうなるとはな...」と言っていた。最も激しい都市では宇宙海賊が大暴れしており、襲われそうになった所をフロストさんという慈善家スペシャリストが助けてくれたらしいのだ。なんだその役職。でも優しい人もいるんだなあ。彼に事情を説明すると、同じく闘っていた彼の知り合いキャベさんが詩音の身柄を快く引き入れてくれたのだ。
そのキャベさんの所属するグループも、戦争を沈静化させたり悪党を倒し回ったりしているようで、惑星サダラという星が本拠地らしい。詩音もそこに住むようになりグループにも配属されたようだった。
決められた星ではないが、惑星サダラも栄えているしその他条件もクリアしている事が判明したので、詩音の派遣先は惑星サダラに変更された。
これで派遣組が無事に揃い、詩音の帰還を祝ってパーティをする事になったのが荊からL●NEで送られてきた。もちろん派遣組全員だ。


「ボク委員長のとこ行ってくる！」

バタバタバタと忙しなく走っていく詩音を見送りながら、廊下に置いていったままの荷物を持って妹の部屋へ向かった。つい1か月前までは当たり前のように一緒にいた人と離れていたのはやっぱり寂しいかったし、辛いものである。今は何とも言えない幸福感が胸を満たしていた。

☆☆☆


『会場はアホみたいに広かったカラオケでええやろ！』

この提案で皆カラオケに集まった。カラオケ店にある宴会用の広さレベルなので12人が入っても狭くはなく、むしろそれぞれがくつろいでいる。そして中心に置かれている大きな机の上にはノーセンスにオーダーした大量の食べ物が置かれていた。ファミレスのような軽食が中心だ。足りなかったらまたノーセンスに頼むつもりである。
カリカリ食感のポテトを姫愛とつまみながら歌を聞く。その横では詩音と葵が軽食では無いご飯をガツガツと食べていた。まだ夕方くらいなのに2人とも凄い食欲である。

詩音「ん〜おいち〜！」

葵「ああー！それ葵のからあげ！」


詩音は特殊能力が怪力である故にそのパワーを出すため、えげつない量を食べるのである。そうだな、5人前はペロリだな。そういえばベジータや悟空も凄い食いっぷりなのを思い出した。う〜んそっくりだ。
葵ちゃんはただ食い意地が張っているだけだ。多分後で胸焼けや腹痛などの症状を訴えてくるだろう。いつもの事だ。


荊「あの日のかなーしみーさえ！」

今歌っているのは、今年この星で大流行した《Lem●n》。うん、良い曲。
カラン、と氷が溶けたジュースを1口飲む。ポテトでカラカラに乾いた喉が潤った。

「はぁ、うめぇ！」