あの後お風呂に入ったのだが、再び襲ってきた眠気に逆らえず危うく鼻まで湯に沈むところだった。そして髪の毛の水分を雑に拭いた後、面倒臭くて枕にタオルを敷くだけで寝てしまったので、今朝は何時もよりも髪にクセがついている。寝起きはボサボサだったが、櫛を通すとある程度落ち着いた。だが毛先のうねりは消えていない。
個性だと開き直って1階に降りてみると、ロビーに設置してある用途が分からないソファにあの6人が集まっていた。皆朝が早いなあ。話に混ぜてもらい暫く他愛も無い会話をしていると、割と近くからﾄﾞｺﾞｫﾝと重たい音がした。かなり大きな音だったので心臓はきゅっといている。

タエ子「誰か来たのかもしれません、見てみませんか？」

みんなで入り口から顔を出して様子を伺ってみると、案の定宇宙船があった。ガコッとドアを蹴る音が聞こえる。

？「ﾁｯ、コイツ何時も雑な着陸しやがって」

あの声は...刀馬だ！
煙の中から出てきたのは彼だった。肩には大きなリュックを背負い、眼鏡が砂埃で汚れている。これで8人目が到着した。

「刀馬〜！」
「よぉ姫愛。てか殆どいんじゃねーか」

弟の涼牙はいるのか聞かれたが、まだ彼は来ていない。ついでに集会も何時なのかも問われたが、私達も知らないのでさあ、と返した。
一度刀馬は荷物を置くために遥人と寮へ入り、暫くして帰ってきてから刀馬を混ぜて話を続けた。皆それぞれの星で悠々自適に暮らしているそうで、人間とは色や形の違う知的生命体などは慣れてきたらしい。他星とある程度交流がある星では、多星人であり多文化社会なので難なく生活出来るらしい。三教授や教頭もそこを狙っているのだろうか。
暫くすると疲れた、と刀馬が目を擦って立ち上がった。彼が部屋に帰ったのを皮切りに他の人も続々と戻って行く。これから何しようかなあ、とぼぅっと考えた。

荊「なぁ歌音、カラオケ行かへん？」

同じく暇人になった荊が提案したのは、私も行ってみたかったカラオケだ。もちろん断る訳は無い。