暫くすると扉が開いた。馴染みのある彼等が立っている。


教頭「みんな、久しぶりだな」

井伏「よぉ！元気だったか？」

荊「教頭！？」

「いぶせっちも！なんでここに！？」

この2人はコッペリオン養成学校の教頭と教頭補佐をしている井伏(いぶせ)で、この特別クラスの担任と副担任でもあり、私達には縁の深い人達である。厳格だけど優しさもある教頭と気さくな性格をしているいぶせっちは、校内でも人気の先生だ。
話を聞くと、派遣組の集会は教頭といぶせっちの担当になったらしい。よかった、面倒くさい生徒指導部の先生じゃなくて。

教頭は出入口の扉の横にあるホワイトボードの前に立った。ここが正面になるように長机と椅子が配置してあるのだが、イマイチ座り方が分からない。教頭は「あぁ、言ってなかったか」と説明を始めた。
縦に4列、横に3列と並んでいるのだが、左の列から縦に第1宇宙〜第4宇宙となっているらしい。第7宇宙の私は真ん中の前から3番目に座った。

教頭「今着いているのはこれだけか。いきなりだが説明に入るぞ」

周りを見回すとそれぞれ第1、第2、第8、第9、第11に座っていた。半分しか集まっていないのか。
教頭がビシッと窓の外を指さす。
これから少しの間生活するのは、その窓から見える新しい建物らしい。なんと三教授が派遣組の為に作らせたそうなのだ。新しい寮みたいなもので1人1部屋のホテルみたいなものである。なんとロビーにいる人に頼むとご飯の注文が出来るらしい。派遣される前は購買で買うか、幼小部、中等部、高等部に分かれた食堂がありそこで食べていた。この辺からはどれも遠いので助かる。質問は？と言われるが、特に無いし誰も手を挙げなかった。「では解散！」と教頭は言い、さっさとこの部屋を去っていった。
これは結構前にいぶせっちから聞いたのだが、校長である三教授は研究ばかりしているので学校の責務全てを教頭に任せているらしい。いぶせっちと2人でやっても大変だと言うのだから、今日もやる事が沢山あるんだろう。今いぶせっちは目の前で悠々とタバコを吸っているが、まあせっかくの休憩だし何時も頑張っているので黙っておいてあげよう。


井伏「他に聞きたいことあったら何時でも来い、大体は職員室にいるからな。あ、あとお前ら寮見てこいよ！俺まだ見れてねぇから感想聞かせてくれ！」

「はーい！いぶせっちもサボらないようにね」

井伏「げっ」