「全ての神々よ、聞けェ！！」

開始の合図がかかると、ベルガモさんは大きく息を吸い悟空を挑発し始めた。
対戦相手を悪に仕立てあげ、雰囲気的、気持ち的に自分が勝つのが当然といったように神々を誘導している。段々と悟空へのヘイトを大きくしていくと、そこかしこから悟空に対する不満が聞こえてきた。
闘いとは違った攻撃にビルス様はイラついたのかドン！と大きく踏みつける。びっくりして「ひっ」と声が出てしまっていたのはサタンさんだった。
結果的にベルガモさんが全王様に取り付けた約束は、悟空との闘いで自分が勝利したら宇宙の破壊は無しにするというものである。全王様はうーんと唸った後「面白かったからいいのね！」と要求を呑み込んでいた。これから悟空にかかるプレッシャーはえげつない事になる。私だったら耐えられないどころか吐き散らしてしまうだろう。
当の本人は気にしていないどころか更にわくわくを倍増させる糧としているようだが。


「波ァァァァ！」

「あ、兄者ぁぁぁ！？」


まあ、結果から言うと悟空が勝った。かなり豪快な倒し方だった。
ベルガモさんは受けた攻撃の分巨大化するという能力があり、悟空は極限までベルガモさんを大きくすると超サイヤ人ブルー+界王拳という圧倒的な力でねじ伏せた。途中でひやひやする場面はあったが勝利してよかった。超サイヤ人ブルーかっこいいなぁ。


「やったね悟空！」

「さすが悟空さんだ！」

「やりおったわいアイツ」

シン様と老界王神様とハイタッチを交わす。次にビルス様と勢いでしていると、大きな身体をマントですっぽり隠した何者かが武舞台に上がって来た。
その者はトッポと名乗り、悟空と闘うことを要求している。大神官様が許可を下すとトッポさんはフード付きのマントを脱ぎ捨て、自己紹介じみた宣戦布告をしてきた。第11宇宙のプライドトルーパーズという警察組織に所属し、絶対的な正義を掲げているという旨である。悟空はまた悪役らしい扱いをされていて少し可哀想だ。
最後のポーズがビシッと決まると、あちこちから「おぉ～」という歓声の声が聞こえた。申し訳ないが良さが全くわからないので何とも思えない。あのだっさいポーズも恥じらいがないのすごいなぁ。

名前を付けるとしたら第4試合になるだろう。
肌がぴりぴりしてきた、とサタンさんが言う。確かにはち切れそうな緊張感を私達は感じていた。