ACT.2
名前変更
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次の日、朝練に行くといきなり忍足と宍戸に腕を掴まれ連れ去られる。
それを鳳は見て見ぬ振りをした。
「昨日の今日でよく来れたな」
「…ですから、ボクは何も「うるせぇ!!愛は泣いてただろ!!」
(ほんと話聞かねぇな)
一発殴られ、尻餅を着く。
次に来るのは蹴り。
わざとこんな状況を作ったが痛いのは嫌いだ。
少しでも痛みが和らぐ体勢を探していると、満足したのか暴行は止まっていた。
「さっさと辞めろ」
最後に言葉を吐いて2人は去っていった。
「……」
少しして立ち上がると、後ろから笑い声が聞こえた。
「痛い?」
振り返ると太田がいた。
「ねぇ、痛い?」
「まぁ…」
「フフッ…愛の言うこと聞かなかった罰だよ」
ニコニコと笑う太田と向き合う。
「今日から…やってくれるよね?」
「ボクは準レギュラーと他の部員で手一杯なので、失礼します」
「ちょ、ちょっと!!」
去ろうとした晴樹を太田は引き留める。
「もっと痛い目に合うわよ」
晴樹は振り返らずに、その場を去った。
「……なんなのよ、アイツ」
チッと舌打ちをし、放課後に起こす行動を太田は考え始めた。
放課後、いつもの様にマネージャー業をしていた。
ドリンクを配りに行くと、準レギュラーだけでなく平部員にも心配の言葉をかけられ驚いた。
どうやら太田の味方はレギュラーだけで他は悪行を見抜いているがレギュラー陣によって守られている彼女に何も出来ないようだ。
(ふむ…誤算かな)
てっきり全員敵だと思っていた。
だがどうやら違う様子。
標的を考え直さないと…
あれ、レギュラー陣に1人だけ味方はいたって静香は言ってたっけな…
ん~と考えていると、向日が目の前に立っていた。
「お前、どこにいたんだよ」
「ドリンクを配りにですが?」
「愛に仕事押し付けて、自分は配るだけってか」
苛立った向日から一発。
どうやら次は太田に仕事を押し付けた事になってるみたいだ。
「面貸せよ」
晴樹は向日の後に付いていった。
コートから離れた場所に連れてこられると、そこには忍足・宍戸・鳳がいた。
「……!!草川!!!」
鳳が2人に気づくと凄い形相で彼の胸ぐらを掴んだ。
「見損なったぞ!!!」
「え?」
「仕事を押し付けただけじゃなく…傷つけたらしいな」
宍戸が後ろからそう言いながら晴樹を蹴った。
「っつ…」
痛みでしゃがみこむと、髪の毛を掴まれた。
「手が血だらけやったわ…女の子に何してるねん!!」
頬を殴られる。
「出来るだけ顔は止めとけよ。バレる」
「わかってるわ」
俺この短時間で傷つけたんだ、なんて呑気に考えていると、始まった暴行。
(痛いな…)
出そうになる自分の手を押さえつけ、耐える。
暫くして暴行が終わると、再び髪を掴まれた。
「さっさと辞めろ。もしくは死ね」
短期間で嫌われる予定ではあったが、想像以上の早さだ。
前に静香と前田の存在があるからだろうとは思うが、コイツ等は過敏になりすぎてるみたいだ。
「おい」
「跡部」
忍足達は振り返る。
「いい加減にしろ。練習始まるぞ」
「ああ」
樺地を背後に控えさせた跡部がそう言った。
樺地は心配そうにこちらを見ていたが、跡部が歩き出した今何もリアクションは取れない。
それは樺地に背負われた金髪も同じようだ。
跡部と共に皆は練習に戻り、その場には晴樹が1人残っていた。
「っつ…」
強気でいても痛いものは痛い。
ペッと口に溜まるものを吐き捨てると血が混じっていた。
服に付いた土を払っていると、パタパタと走る音がした。
(戻ってきた?)
眼鏡越しにジッと見つめていると、金髪の青年が現れた。
「草川君!!」
「芥川先輩?」
自分より小さな青年は膝に手を付いて息を整えると、晴樹の体に触れた。
「!?」
「大丈夫!?痛かったよね!!」
ぺたぺたと触れて心配そうにしてくる芥川をジッと見つめ、口を開いた。
「ボクを油断させてから殴るつもりですか?」
「なっ、違う!俺はそんなことしない!!」
必死に言う青年に晴樹は力なく笑った。
「ボクに構ってたらいい思いされませんよ。どうやらボクは悪者みたいなので」
「草川君、何もしてないでしょ?前田さんと…静香の時と同じだから、俺わかってる」
ギュッと手を握ってくる芥川を見つめる。
「その話…聞かせていただけませんか?」
問い掛けに芥川は頷いた。
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