青葉城西
名前変更
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「………………………お前さ」
「ッ…………ハイ」
「一体何にビビってそんなに緊張してんの??相手がデカイこと…?初めての練習試合だから…?」
威圧感を出す影山に日向は冷や汗をぶわあああと流す。
「俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に怖いことって―――…なに?」
「――…とくにおもいあたりません」
スパァン!!と自身の後頭部を叩く影山に日向は肩を揺らした。
「じゃあ、もう緊張する理由は無いよなあ!もうやっちまったもんなあ!一番恐いこと!……それじゃあ…」
「!?!!?」
「とっとと通常運転に戻れバカヤローッ!!!」
背を向けてびくつく日向はアレ?っと振り返った。
「今のヘマはセーフ!?」
「は!?何のハナシだ」
すたすたとポジションに戻る影山を見た後青城の金田一を日向は見ていた。
ああ、と思い俺は翔陽に近付いた。
「金ちゃんにヘマしたら交替させられるとか言われたのか?」
「金ちゃん…?」
「ああ、向こうのらっきょ頭」
そう言うと勢い良く頷く翔陽にでこぴんをした。
「飛雄ちゃんは確かに独善的な独裁者だ、だけどアイツの知る飛雄ちゃんとお前が知る飛雄ちゃんは違うだろ?」
飛雄ちゃん飛雄ちゃんウルセーぞ!なんて後ろからツッコミが来たが無視無視。
ぽんと肩を叩いて離れると、田中先輩が入れ替わりで近付いてきた。
「おいコラ日向ァ!!」
ずんずんと近付いてくる田中先輩に日向は正座をした。
「…オマエ」
「……ハイ」
「他の奴みたいに上手にやんなきゃとか思ってんのかイッチョ前に」
「……ちゃ…ちゃんとやんないと……交替…させられるから…おれ…最後まで試合…出たいから……」
日向の言葉に思わず溜め息を吐いた。
「……オイ…ナメるなよ!!お前が下手糞なことなんかわかりきってることだろうが!」
「え゛っ…」
がーんとショックを受ける日向に対して田中は言葉を続ける。
「わかってて入れてんだろ大地さんは!」
「??」
「交替させられた時のことはなあ、あー…うー…交替させられた時に考えろ!!」
「えっ…」
どーん!と言い切った田中先輩に思わず苦笑した。
「いいから余計な心配すんじゃねえ!頭の容量少ないくせに!!良いかァ!バレーボールっつうのはなあ!ネットの“こっちっ側”に居る全員!もれなく“味方”なんだよ!!」
「!」
「下手糞上等!!迷惑かけろ!!足を引っ張れ!!それを補ってやるための!!“チーム”であり“センパイ”だ!!!」
ビシッとポーズを決めた田中に日向は目を輝かした。
「ホレ「田中先輩」と呼べ!」
「田中先輩!」
「わはは!もう一回!」
「田中先輩!!」
「わはは!!」
「“先輩”って呼ばれたいだけだなアレ」
日向と田中のやり取りに菅原は苦笑した。
「田中先輩かっけー」
「え、本気で言ってるの?」
引く月島をギロッと睨んだ。
俺はああいう熱いノリが好きなんだよ。
「第2セット始めます!!」
その号令に皆ポジションに向かう。
「おい!後で後頭部狙うサーブ教えて!」
「あっ、僕にも教えてね~」
そう日向に声をかける金ちゃんと月島に性格悪いな~と思う。
てか俺も地味に教えて欲しい。
ピーッと笛が鳴る、サーブを打つのは俺でトントンとボールをつくと構えた。
ジャンプサーブではなく普通にサーブを打ち込む。
相手はレシーブをしてセッターにボールを返すと国ちゃんがスパイクを打ってきた。
「月島!」
「…!」
月島は上手くレシーブが出来なくて乱れた。
「影山カバー!」
「ハイ」
キュッと影山が動き出すと同時に田中と澤村も動く。
「レフト持ってこい!」
「ライト!」
声を上げる2人を相手は警戒する。
(あー違う違う)
警戒するはそこじゃない。
ゴッと走り出した日向は飛び上がる。
そこにビッとボールは出されたが手に当たることなくネットに当たり落ちた。
「あれ…?」
頭にハテナを浮かべる日向に影山が振り返る。
「日向!悪い、今のトス少し高かった」
その様子を見て驚く金ちゃんと国ちゃんにニッと笑った。
飛雄ちゃんも成長してるんだよ。
「許してやらなくもない!」
そんな声が聞こえたので振り返ると翔陽が要らない一言を言って飛雄ちゃんに叩かれていた。
バカだなやっぱり。
ニヤニヤ笑っていると笛が鳴る。
今度は相手のサーブで飛んで来たボールは真っ正面に飛んで来た。
「眞島頼む!」
「任せて下さいよ!」
ボッとレシーブを影山に返す。
「持って来ォーい!!」
ライトとセンターが動きレフトもボールを待つ。
相手は影山が誰を使うのかと考えているみたいたが、決まってるだろ。
センターの日向が高く飛び上がりそこにトスが持って行かれる。
ドッと打たれたスパイクは相手が気付かないうちに撃ち抜かれた。
「「っしゃ!!!」」
「ア゛ッシ!!!」
「おーし!」
決まった変人速攻に場が沸き上がる。
「日向、影山」
こいこいとまだネット前にいる2人を澤村さんが呼ぶ。
俺もガッと肩を掴まれて引き寄せられた。
「「せーの!」」
片手で肩を組んで片手で拳を皆と合わせる。
「「オォーッシ!!!」」
その行為に日向は感激したように手を震わせた。
「ち、チームっぽい…!」
「あ゛ぁん?“ぽい”じゃなくてチームだろうが」
田中先輩の言葉に日向は更に張り切る。
「日向が動き出したところで―反撃、行きましょう」
影山の言葉にペロリと唇を舐めた。
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