青葉城西
名前変更
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「あ、飛雄ちゃんのチームメイトだ」
「飛雄ちゃん…?」
「……影山の事…?」
口の端を引くつかせる真ん中分け君に頷く。
「‘元’チームメイトだからな!」
「随分と強調するなぁーまあ、あんな独善的プレーされてちゃなあ」
「あんたから見てもそう感じたんだ」
「まあな、それより俺は眞島晴樹って名前があるからあんた呼びはやめようか。で、そっちは?」
「ああ、悪い。国見英」
「俺は金田一勇太郎だ」
らっきょ君が金田一で真ん中分けが国見ね。
「金ちゃんと国ちゃんだな」
「なにそれジョーク?」
「親しみを込めてみたんだが」
「王様にちゃん付けなのも親しみを込めてか?」
「親しみもあるが半分以上が嫌がらせだ」
真顔で答えると二人はブッと吹き出して笑った。
「お前、結構面白いな」
「それはどうも」
ニッと笑うと時計を見る、そろそろ戻らないと。
2人も気付いたようで歩き出す。
「そういえばさっきトイレで会ったチビが王様のトスはすげぇ!とか言ってたんだけどよ」
「ん~まあ、アイツのトスは精密だからな。凄いと言えるとは思うけど」
「マジかよ」
全力で嫌そうな2人の表情に笑う。
「アイツも少しは成長したと思うよ、そのチビと出会ってから」
まあよく知らないけど独善的態度はマシになってるんじゃないかな、じゃないと澤村さんが入部させないと思うし。
「まあ、試合で見てのお楽しみだな。俺も烏野でアイツの試合見るの初めてだし」
「……初めて?練習で試合形式とかしねえのかよ」
「あ、俺がバレー部に入部したの昨日なんだよ」
「は?」
間抜けな顔をする2人に思わず笑うと叩かれた、解せぬ。
「まあ、楽しんでやろうぜ」
そう言った晴樹の目は獲物を見る目で、2人はゾクリとした。
「お!戻ってきた。悪いな眞島」
「いえいえ、同じ1年の失態はできる限り拭いますよ」
俺の失態も勿論拭ってもらうけど。
洗ったジャージを田中先輩に渡すと肩を叩かれた。
「眞島、ゼッケン着てくれ」
「へ?」
「眞島がこの前条件を取り下げてもらった後に入部したのを向こうの監督が今知ったらしくてな」
「今?」
青城の方を見ると国見と目が合い、ニッと笑われた。
国ちゃんチクったなこのやろ。
まあ仕方ないとゼッケンを受け取る。
「誰の代わりなんでしょうか」
「縁下だ」
その言葉に縁下さんに近付く。
「縁下さん、今回は自動的にメンバーとして出させて頂きますが、次は実力でレギュラー取らせてもらいますので!!」
「え!?」
「え?」
驚いた縁下さんに釣られて驚いてしまった、てか何で驚く…?
「なんか俺変な事言いましたかね…?」
「いや、眞島は俺なんか眼中にないと思ってたから。実力含め色々とお前の方が上だろ?」
「……万が一実力があっても、経験の差は埋まりません。それが1年でも、1ヶ月でも、1日でも、1秒でも」
ニッと笑うと、体育館にホイッスルが鳴り響いた。
「烏野高校 対 青葉城西高校 練習試合始めます!!」
「「「お願いしあーす!!!」」」
挨拶をすると自分のポジションに向かい、息を吐く。
ヨシッ、と意気込むと試合開始の笛が鳴った。
「ナイッサー!」
相手のサーブが打たれ、自陣へ飛んでくる。
このボールは…
「大地さん!!」
「「澤村さん!!」」
「オーライ、任せ―…!?」
澤村さんがレシーブをしようと構えた時横から何故か翔陽が飛び出してきた。
「!?バカか!どう見てもおめーの球じゃねえだろ!!」
「ごめんなさい!!!」
ぽーんとボールは変な方向へ飛んでいく。
「眞島!カバー頼む!」
「はい!!田中先輩!」
「おおっ」
レシーブを飛ばすと田中先輩がスパイクを打つがそれは止められる。
止められたか――
「すいません田中先輩!」
「いや、俺も悪いな」
田中先輩はニカッと笑った後金ちゃんを睨んでいた。
なんか余計な事言ったのか?と視線を向けた後、再びポジションに着いた。
その後の試合展開は完全に雰囲気に呑まれた翔陽のミスが続き青城のマッチポイント。
途中影山が翔陽にぶちギレていたがなんとか宥めてさあ次のサーブ!と皆が振り返ると…
「あ゛っ」
よりによって、
「翔陽のサーブ…」
固まる日向はなかなかサーブをせず遂に笛を鳴らされてしまった。
「ひっ!!」
驚いて慌てて打たれたサーブは手にちゃんと当たってなくて、バチコーン!!と音を発てて影山の後頭部に当たった。
そして、1セット目がとられてしまった。
ゆらりと揺れた影山にハッとしたのは澤村さんだった。
「ま、待て影山!気持ちはわかるが抑えるんだ!」
「――…まだ…何も言ってませんけど」
静かに言った影山にひぃ!と怯えた声を出した。
烏野の誰もが影山と日向を刺激しないでくれと祈る中…
「…ぶォハーッ!!ぅオイ、後頭部大丈夫か!!!」
「ナイス後頭部!!」
田中先輩と月島が大声で笑い出した。
「!?煽るのもダメだっつーの!!」
「ヤメロお前らっ!!」
笑い続ける2人に菅原さんと澤村さんは注意するけどいや笑うだろう。
「うっ…くっ……後頭部…」
「眞島も笑うな!堪えきれてないぞ!!」
いやだって、飛雄ちゃんの後頭部にボールがバチコーンて!
「あっ、オイ影山っ」
澤村さんの声に視線を向けると飛雄ちゃんがゆらりと動いていた。
慌てる翔陽に近付く影山を見て更に澤村さんは慌て出す。
「眞島!アイツ止めてくれ!」
「俺がですか!?いや、まあ大丈夫だとは思うんですが…」
そう言いながらちらりと2人を見る。
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