青葉城西
名前変更
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「………え?もう一度お願いします」
「青葉城西との試合明日なんだ」
入部した当日の練習後、気まずそうに言った澤村さんによると土日は埋まっていたから明日の火曜日に1試合だけ組んでもらえたそうだ。
てっきり試合を終えたと思っていたから驚いたがまあ問題はないだろう。
「俺、一生懸命応援しますね!」
「え?」
「え?だって俺ベンチですよね?」
え、違うの?と不安になる。
ポジション発表はもうされていて、影山がセッターとしてフル出場で翔陽はあの速攻を試したいから出場、身長のある月島も確か出場するとかなんとか…
頭で整理してると菅原さんが苦笑いで近付いてきた。
「大地は眞島の力も見てみたいんだと思うよ」
「あーまあ、そうなんだがな…」
悩む澤村さんにそうだと口を開く。
「澤村さん、気が向いたら途中で交代させて下さいよ」
ニコリと笑うとガッと肩を掴まれた。
「その手があったか…!!」
ああ、本気で忘れてたのか、この人。
途端に元気になった澤村さんに苦笑した。
明日の放課後にバスに乗って青葉城西に向かうらしい。
青葉城西かぁ…と溜め息を吐いて着替えていると、視界の片隅でカチコチに固まる翔陽が視界に入った。
「翔陽?どうし…た…?」
「いや、明日試合だなって」
遠い目をしている翔陽に若干引いてしまった俺は別に悪くないよな?
「あ~眞島の入部で落ち着いたと思ったのにな…」
「アイツずっとあんなんですか?」
近くで着替えていた縁下さんに尋ねると頷いた。
(翔陽に対して)かなりの不安は残るが明日の試合が楽しみだなと笑った。
火曜日 放課後
「整列ーっ!!」
「挨拶!!」
「「「お願いしァース!!」」」
「あ~い」
澤村さん達の号令に従い挨拶すると、武田先生がにこりと笑う。
「いよいよか」
1人呟きバスに乗り込む。
何処に座ろうかなときょろきょろしているとグイッと腕を引かれた。
「ここ座ったら?」
「……おう」
自分の前の席を指差し笑う月島が何か企んでるようにしか見えない。
返事をしたものの疑わしくてジッと見てると隣に座ってた山口が首を傾げた。
「座らないの?」
「座る」
山口に聞かれたら座るに決まってるだろ!だからそんな引いた目で見んなってツッキー。
俺が席に座るとバスは走り出した。
「あ、そうだ。食べるか?」
鞄からおやつにと持ってきていたプリッツを取り出すと月島と山口に差し出す。
「ありがと晴樹」
「どういたしまして。月島は?」
「食べさせてくれないの?」
ニヤニヤとからかい全開のツッキーにニッと笑ってプリッツを口に突っ込んでやった。
「味わって食えよ」
恨めしそうに見てくる月島にもう一度ニッと笑うと、通路を挟んで反対に座る影山にもプリッツの箱を向ける。
「飛雄ちゃんは?」
「おう、さんきゅー…だから、その呼び方ヤメロ!!」
プリッツを取ったあと睨まれたが怖くない怖くない。
「うわあああ!!止めて!!バス止めてえええ!!」
さー翔陽にもプリッツをあげようかと最後尾に座る翔陽の方を向いた時、田中先輩の叫び声が響いた。
「………え?」
見間違いじゃなければ翔陽…ゲロった…!?
翔陽が随分と緊張していたのは知っていたがなんか、ヤバすぎないか?
ちらりと澤村さん達を見ると冷や汗を大量に流していて、翔陽のグロッキー加減は予想以上だと思い知らされ溜め息を吐いた。
「田中先輩、それ洗ってきますよ」
「え?」
青葉城西に到着して田中先輩の持つ袋三重にされたゲロジャージを指差す。
「いや…でも…いいのか?」
「はい」
「おー!!そうかそうか!助かる!」
袋を受け取ると澤村さんに一声かけて水道を探しに出た。
「ん~こんなもんか」
近くにいた学生に場所を聞いて水道に無事着いた。
翔陽はもう落ち着いたかなとか、青葉城西って北川第一の生徒が進学するよなとか色々考えているうちにジャージを洗い終えた。
綺麗な袋にジャージを入れてさあ皆のところに戻ろうかとくるりと振り返った時、木の影から此方を覗く何かがいた。
「!!?」
驚きすぎて言葉が出なくて固まっていると、何かが木の影から出てきた。
(青城のジャージ)
バレー部のジャージを着る2人の人物はジッと此方を見たまま動かない。
なんなんだ、ビビるから黙りはやめてほしい。
「鷹がなにしてんだ?」
「え?試合しにきたんだけど」
急な鷹呼びになんだよと思ったが相手が目を丸くしていたからなんだと首を傾げた。
「何か?」
「鷹が烏野に入ったって本当だったのかよ…」
「え?そんな噂でもあるの?」
「おう」
へ~だからあの人はあんな条件を出して来ていたのか待てよ、って事はあの人物にも噂が届いてる可能性はあるんだよな?
そう考えてサーっと血の気が引く感じがした。
「おい、大丈夫か!?」
「ああ、大丈夫」
心配してくれるらっきょ頭君にそう答えるとどこかで見たことあるのに気付いた。
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