青葉城西
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「西谷ァァ!!」
ゴッと飛んでくるボールをジッと見て瞬時に振り返った。
「西谷先輩、アウトだ!!」
晴樹の言葉通り、ボールはコート外に落ちた。
「大声で言われると、ムカつくねぇ…」
「ムカつくのはこっちですよ、及川さん!!」
ピッと指差すと、及川さんはきょとんとした。
「今貴方と、青葉城西と戦ってるのは烏野ですよ!」
「!!?」
「……牛島さんじゃないです」
ぽそりと呟くと、面食らった表情をしていた及川は笑った。
「うん、そうだね…ごめん」
そう言った及川は雰囲気が変わり、自分も気合いを入れた。
そこからは一進一退の攻防、ここに来て余力を残していた国見に凄く苦しめられている。
「くそっ…」
何度目かの青城のマッチポイント、繋げ、落とすな、打ち込め。
「オラアァァ!!!」
ラリーが続いていたが西谷がボールを上げそれはチャンスに変わる。
(この土壇場、ヤバイ)
及川さんがかなり冷静だ。
「飛雄ちゃん、ダメだこっちに…!!!」
そう声をかけたが、遅かった。
影山が日向に上げた変人速攻、それは完璧に読まれていて―止められてしまった。
「………」
試合終了の笛が鳴り、整列の号令がかかる。
くっと唇を落とし噛み締めて列へと並んだ―
その後、ミーティングをし、青城の試合を見終わると繋心さんが飯行くぞと言い皆連れられて居酒屋に来ていた。
開店前に悪いとおばちゃんに謝ると、繋心さんは席に座った。
「―走ったりとか、跳んだりとか、筋肉に負荷がかかれば筋繊維が切れる。試合後の今なんか筋繊維ブッチブチだ。それを飯食って修復する。そうやって筋肉がつく。そうやって強くなる。だから食え、ちゃんとした飯をな」
その言葉に、控えめにいただきますと、皆食べ始めた。
ポロポロと涙が出たが、拭いながらただひたすら食べた。
6月3日(月) IH宮城県予選 3日目(最終日)
俺は仙台市体育館に来ていた。
男子決勝 青葉城西高校VS白鳥沢学園
及川さんと白鳥沢の牛島さん…2人から何故か連絡が来て見に来いとのお達しが来たので学校を休んで来た(じゃないと後が怖い)
会場は既に熱気に包まれており、ゴクリと唾を飲む。
コートに視線を向けると同時、ピーッと笛が鳴り試合が始まった。
始まってすぐからハイレベルな試合に目が離せなくて前のめりに前のめりになっていく。
安定と柔軟性のある青城。
(だけど…)
それらは関係無く、力尽くで点を奪っていく白鳥沢。
非常に緊張感のある試合に胸がざわついた。
今度は、自分達があの舞台に、そしてその先へ―
ジッと両チームを観察しながら試合を観戦していると…決着はついた。
勝ったのは白鳥沢。
頭を下げてコートを去る両チームに拍手をすると、その場を離れた。
(練習、しないと)
及川さんと牛島さんに帰ると連絡をして今は帰路についていた(何で勝手に帰るんだとか色々言われたが)
試合内容はカメラで録ったし家で研究して、更に練習して力も体力もつけて―
(やることがいっぱいだ)
皆にも生で見た話をしたいし、3年が残るのかも知りたいし、一度学校に向かおう。
そう決めて走り出した。
3年が残るのを知り喜ぶのと、東京に合宿へ行くのを知るまで後30分後―
END
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