青葉城西
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烏野に戻ってきたボールをセッターである影山に返すと相手は変人速攻が来るのかどうか警戒する。
(どっちでしょうね)
合図はもう変えてあるんだ。
パパンと変人速攻が決まり、ニッと笑った。
出し惜しみせず、ドンドンと出せば良い。
「こっちだって…」
地を蹴ると高く飛び上がる。
「来ォーい!!!!!」
「!?眞島!!」
日向にボールを出そうとしていた影山は晴樹に軌道を変えた。
スパンッと決まったボールにふぅと息を吐いた。
「やっぱり、晴樹ちゃんは凄いねぇ」
「どうも」
ニッと笑う及川さんにニッと笑い返した。
先に20点台に乗ったことに少しの安心があるがここからが問題だ。
(このセット、飛雄ちゃんが戻ってきてからツッキーが入ったのは今が初めて。そして飛雄ちゃんはツッキーが苦手で上手く使えない)
試合を見ていて、自分でやっていて解ったが飛雄ちゃんは俺達が打つコースさえもトスで指示を出してる、飛雄ちゃんが考えてやっていてそれはそれで良いけど正直打ち辛い時の方が多い。
特にツッキーはやり辛いのだろう。
TOでその事をツッキーは伝え影山もわかったと素直に聞き入れた。
お?っと思ったところでTOは終わり試合は続く。
「!?」
(変わった)
そこからの試合、飛雄ちゃんのトスが変わった。
全て一定になり、しかもツッキーをよく使うようになった。
(変わろうとしてるなら、協力してやらないと)
ニッと笑いツッキーを見る。
ツッキーの攻撃はフェイントばかりで誰もが逃げてると思っているが、そうじゃない、これはツッキーの作戦だ。
(フェイント連発からの強打)
「く~!!ツッキーやるな!!!」
「鷹はあんまりだね」
「おう!負けねえぞ!」
ニッと笑うとツッキーが若干怯んだように見えた何故だ。
因みに飛雄ちゃんは褒めるのが下手すぎて噛んでたどんだけ苦手なのよ。
烏野のセットポイント、しかし青城も逃がしてはくれない。
一点とられ、及川のサーブ。
少数精鋭のレシーブ陣形を取ったがボールが向かってきたのは…
「眞島!!!!!」
「うらぁぁぁあ!!!!」
ボールが向かったのは晴樹のもとだった。
(このサーブをミスしたら2セット目落とすのに…なんてサーブだ)
ゾクリとしたが笑みが浮かぶ。
(直接青城に返ってしまった。決定率が高いのはセンターからの速攻だが…)
及川さんはセンターに上げない。
「ツッキー、飛雄ちゃんの方に跳んで!!」
及川の手からボールが離れる瞬間、影山は月島を引き寄せ晴樹は月島を影山の方に促した。
(そう、追い込まれた場面、及川さんは―岩泉さんに上げる!!)
読み通りボールは岩泉へと向かいスパイクを打ったが影山と月島がそれを止め、烏野がセットを取った。
「よっしゃー!!!」
嬉しくて2人に駆け寄ると肩を組んだ。
西谷達も駆け寄ってきたがベンチに戻れと言われ慌てて戻った。
ベンチでドリンクを渡され飲んでいると、チリっと威圧感を感じた。
それは他の皆も感じていたようで後ろにバッと振り返った。
(及川さんか)
此方を見て笑う及川さんに、ニッと笑い繋心さんの話を聞くとコートへ向かった。
3セット目、一回一回のラリーが長く続きジリジリと体力が削られていく。
そして地力の差が出てくる。
(一発で決まらなくなってきた)
少しの焦りが出てきたが、ここで焦ってはいけない。
「持ってこォーい!!!!」
呼べ、飛べ、打ち込め。
一点一点確実に大切に。
走れ、動け、チャンスを逃すな。
コートを目一杯使え、翔陽の様に移動攻撃も更に加えて―
「よっし…!!」
「ナイスキー!!!」
点を決めるが相手もそう簡単には勝たせてくれない。
「あの選手、凄いな…」
「10番と同時に動かれたらたまらないな…」
回りがざわめく中、翔陽のスパイクが止められてしまいすぐ、烏野のTOが取られ、それからすぐ交替の笛が鳴った。
「!?」
立っていたのは、10番の札を持った山口だった。
(ピンチサーバーか)
「忠、ナイッサ」
ニッと笑うとポジショニングにつく。
ピーっと笛が鳴り、ボールは上に上げられた。
トッと打たれたボールは、ネットを越えてはくれなかった――
「すっ、すみません…!!」
悔しさと絶望の入り交じった表情で謝る山口を、澤村は呼び止めた。
「山口!!!」
「は……す、すみませ―「次、決めろよ」
「――ハイ!!!」
その言葉に、場の空気が変わった。
「飛雄ちゃん」
「なんだ?」
「翔陽のジャンプ力が落ちてる、暫くボールは…俺にくれ。翔陽には、まだ飛んでもらわないと困るんだ」
静かに頷いた飛雄ちゃんに笑うと、サーブの為にボールを持った。
「入れるぞ」
ピッと及川を指差すと、ボールを上げた。
ドッと打ち込んだボールを及川はレシーブしきれず、コート外に弾いてしまった。
「マジかよ!?」
「及川からサービスエース…!!」
「ふふっ…チートを舐めんなよ!!」
「ねえ、それメタ発言」
ニヤニヤと笑ってるとツッキーに突っ込まれた。
「ったく…晴樹ちゃんは相変わらず凄いなあ…」
笑う及川に笑い返すともう一度サーブの為にボールを持つ。
今度は相手にレシーブされてしまい、点も取られてしまった。
そのまま青城にサーブ権が移り、及川のサーブ。
息を吐く及川に少しの違和感を感じた時、サーブは打たれた。
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