青葉城西
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―翌 IH予選 2日目
第3回戦 烏野高校VS青葉城西高校開戦
コートに立つと周りを見渡す。
青城の応援はかなりの量で相変わらずだなと思いつつ苦笑した。
(相変わらず黄色い声が大量)
まあ田中先輩と西谷先輩にいつも以上に気合いが入ったみたいだから良いけど。
烏野も負けないように気合いを入れてウォームアップをしていく。
時間はあっという間で笛が鳴り、整列をした。
お願いしますと挨拶をし、ダダダダっとコートに入り握手をする。
「やあトビオちゃん」
烏養さんのもとへ戻ろうとした時、及川さんが飛雄ちゃんに話しかけていた。
「今日は“天才セッター”を倒すの楽しみにしてきたから、頑張って食らいついてね」
そう挑発するように及川さんは笑った。
「俺達が勝ち「負けません!!!」
飛雄ちゃんに被るように飛び出てきたのは翔陽で怒られていたアイツバカだ。
今回も負けないと伝える2人に笑った。
「晴樹ちゃんも!」
「え?」
突然呼ばれて驚いて振り返る。
「晴樹も倒して、やっぱり及川さんカッコイー!!青城に行こっかな!って思わしてあげるからね」
「あ~それは無いので。後、スターティングに入ってないですし」
「え!?なんで!!」
「なんでって…俺よりも皆強いからっすよ」
ニッと笑うとベンチに戻った。
「皆は一度青葉城西に勝ってますね。たとえその時相手が万全でなかったとしても、その勝ったという事実は自信の根拠にして良いと思うんです。慢心じゃなく、自信に」
武田先生の言葉に返事をすると、気合いを入れた。
ふぅと息を吐きチラリと青城を見ると先程とはガラリと空気が変わったように感じた。
ピーッと笛が鳴り烏野のサーブから始まる。
レシーブをした青城は前衛2人が飛び出してきた。
誰を使うのかとジッと皆は見定める。
(違う、誰も使わない)
そう思ったときには及川のツーアタックが決まっていた。
「堂々としてんな及川さん。ついでに挑発もしてるし」
「大分ムカついてるね、皆」
苦笑する山口に晴樹も頷いた。
サーブ権は青城に移り、ボールが打たれる。
「Bィーッ!!」
「おれに来ォーい!!」
走り出す田中と日向を見た影山は日向にトスを上げた。
「来た、超速攻ー!!」
ボッとボールを打ったがそれはレシーバーの正面だった。
上がったボールに向かい動いていた及川に皆の注目が集まる。
「またツーで打つ気か!?」
「さっきよりあからさまだ!」
グワッとあからさまに動く及川にブロックは動いた。
(違う。及川さんは打たない)
あの人はこういうときからかうように翻弄してくる。
「―スパイク動作からの―セット」
打つ動作からフワッとトスへ切り替えた及川に、一気に会場は盛り上がった。
(相変わらずだな~)
及川さんのプレイに思わず笑みが浮かんだ。
青城のサーブが打たれレシーブが上がる。
「持って来ォォイ!!」
日向は飛び上がっており、田中も動いていた。
田中にボールが上がると思い青城は狙いを定めるがそれは見せかけだ。
日向のうしろには東峰が待機していた。
パイプが来ると青城は焦ったが、ストンと影山はツーアタックをした。
「ツーでやり返したーッ!!」
会場は盛り上がるが、嫌な予感しかしなかった。
「ヤバイかも…」
「え?」
何が?とこっちを見る視線を感じたが無視して飛雄ちゃんを見た。
サーブが回ってきたので影山はボールを手に構えた。
(あー嫌な予感的中)
飛雄ちゃん、かなり及川さんを意識してる。
心配して見ていると、思いきりホームランをしていた。
アウトと判断され、サーブ権は青城に移る。
ボールを持ったのは及川だった。
誰を狙うとのかと皆息を飲む。
「西谷先輩だ…」
「え?」
「多分、西谷先輩を狙ってくる。万が一取れなければうちに多大な精神的ダメージを受けるから」
晴樹の言葉通り及川の打ったボールはかなりの早さで曲がりながら西谷に向かっていった。
誰もが見つめるなか、西谷は見事ボールをレシーブで上げ、笑った。
「おおおっ、及川のサーブ上げた!」
「やっぱ烏野のリベロスゲーッ!!」
ワアッと会場が沸き上がり笑みを浮かべた。
「西谷先輩ナイスレシーブです!!」
「おうよ!!!」
上げたボールは影山のもとに返り、視線フェイントも上手く決まり変人速攻も決まった。
(上がったのも点が入ったのも良いことだけど…きっともう)
及川さんは西谷先輩を狙わない。
そう考えてるうちに試合は再開されていた。
烏野のサーブをレシーブした青城はフワッとトスを出し金田一が飛び上がっていた。
(高くなってる)
あれがきっと金ちゃんの最高地点なんだろう、それを引き出す及川さんはやっぱり凄いんだろう。
その後も試合が続いたがフと悪寒を感じた。
パッと及川さんを見ると笑っていてゾクリとした。
その直後、青城がTOをとった。
その行動に影山が冷や汗を流した。
チラリと皆が影山を見ると随分と焦っている様子だった。
「オオーイ!深刻な面してらしくねぇなあ!」
「いや、ノヤっさん。こいつは大体いつもこんな顔だ。牛乳か飲むヨーグルで迷ってる時も同じ顔だぞ!」
「そっ、ちっ、そんなことないですよ!!」
影山の肩に腕を回しながら田中と西谷は笑った。
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