予選開始
名前変更
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「いだだだっ」
「おう、その通りだな」
「コーチ!」
声の聞こえてきた方を見ると繋心さんが戻ってきていた。
「とにかく“あの小っこい10番スゲー!!”な空気を作る!!それが大きくなればなる程、日向が光れば光るほど、相手のブロックは目がくらむのさ」
繋心さんはそう言って笑った後表情を引き締めた。
「――で、2回戦のスターティングは、晴樹を入れて行く」
「!!…ウス!!」
「次の試合は1時半からだ、身体冷やすなよ!それまでに軽く飯食っとけ。腹いっぱいにはすんなよ」
その言葉に皆返事し、各々行動し出した。
軽くご飯を食べた後、外で晴樹と影山と日向は3人でトスを回していた。
「次、あの眉無しの居る“鉄壁”高校だな!」
「伊達工業な」
「わかってるし!」
日向がぼっと上げたボールをキャッチすると、晴樹は2人を見た。
「多分、伊達工に負けたっていう3月の試合が旭さんが部を離れた原因だと思う」
「だろうな」
「あの旭さんを徹底的に止めたブロック…!」
冷や汗を流す翔陽を見たとき、後ろから声をかけられた。
「日向、影山、眞島。ちょっと良いか」
声をかけてきたのはスガさんだった。
「よろしく、頼む」
頭を下げたスガさんに口を閉ざす。
「伊達工業は強敵だ。3ヵ月前はあの“鉄壁”のブロックにこてんぱんにやられた。でも今は“最強の囮”が居る」
「!!」
「それに、“コート上の鷹”も居る」
菅原は頭を上げると、影山を見た。
「…日向の前の道を切り開いたみたいに、旭の…エースの前の道も切り開いてくれ…!」
その言葉に、静かに前を見据えた。
翔陽が目立てば目立つほど他の選手は動きやすくなる、それは俺も同じことで、ただでさえレッテルが貼られているのだから更に目立ちやすい。
相手を引き付け引き付け、そして―
(旭さんの道を)
息を吐くと、周りに意識を向けた。
コートは既に伊達工の応援で一色に染まっていた。
公式WUが開始された今もすっかり皆雰囲気に呑まれていた。
(ヤバイな)
チラリと回りを見たとき、大きな声が響いた。
「ん、ローリングッサンダアァァッアゲインッ」
そう言いながら西谷先輩が回転レシーブをした。
((((!?))))
「ノヤっさんナイスレシーブ!キレッキレじゃねーか。技名以外」
「技名もキレキレだろうが!!」
「「プッスー」」
「アゲインも教えてええ!!!」
「前のと何が違うんですか?」
「「また西谷は…」」
「こらこらこら西谷、また大地に怒られるよ…!」
各々の反応を見ながら、晴樹は笑った。
(流石西谷先輩)
「よっしゃあ!!心配することなんか何も無え!!皆、前だけ見てけよォ!!背中は俺が、護ってやるぜ」
その言葉にズギューン!!と胸が打たれた。
(カッコいい~っ!!!)
リベロは守備だけじゃない、後ろからのチームの鼓舞が重要だ。
(凄く、優秀な人だ)
やっぱり、憧れの人だ。
ニッと笑いWUに集中すると、直ぐに時間は来てしまった。
「集合ー!!」
主将の号令に手を止めると、ボールを片した。
試合開始――3分前
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