音駒
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「いっちょやるか!」
「お願いします」
「どんな悪巧みしてんだ…?」
「見てからのお楽しみですよ」
ニッと澤村さんに笑うと、笛が吹かれた。
今度は烏野のサーブ。
音駒は余裕でレシーブをすると、山本さんが力強くスパイクを打った。
「オラっ!」
「ノヤさんナイスです!」
西谷先輩が拾ったボールはスガさんのもとへ綺麗に帰った。
それを見て走り出すとブロックしようと音駒の選手が集まってくる。
(ここで…一旦)
「なっ!?」
驚きの声を先に上げたのは烏野だった。
「一人時間差だと!!!!??」
次に声を上げたのは山本さんだった。
黒尾が見せた一人時間差を晴樹はやって見せたのだ。
無事スパイクが決まり、スガさんと上手くいった事に喜んでいると背中に衝撃を感じた。
「おまっ、一人時間差出来んのかよ!」
「実は出来ますとも」
飛び付いてきた翔陽にドヤ顔を決めるとクロさんを見た。
「重いスパイクが打てなくても、こんな事は出来ますよ?」
ニヤニヤと笑ってクロさんを見ると面白そうに笑っていた。
「お前、同じ1年なのにスゲーな!!」
「あーあ、黒尾の得意技とられたからもうダメだな」
「いやいや、ダメじゃないから!」
笑っていたのも束の間、回りからいじられ出してあたふたしだしたザマーみろ。
「翔陽、旭さん。もういっちょかましていいですか?」
「当たり前だ!」
「もちろん」
2人に声をかけてニッと笑う。
相手と同じ技をするのもいいが、俺の本質は高く飛ぶこと。
次のプレーが始まり、烏野のチャンスが来たのでキュッと地を蹴ると走り出す。
「見たいなら、お見せしますよ」
鷹の飛行力をね。
スガさんのトスが上がる、誰もが高すぎると思うようなトス。
「うらっ!!」
自分の最高地点から、渾身の力で、相手を越えて、打ち込む!
相手のブロックの上からボールを叩き込み、着地した。
「あれは…強烈だなあ…」
猫又監督は冷や汗を流した。
「おい眞島!!!」
「えっ?」
皆が静まり返る中、ベンチから影山の怒声が飛んだ。
「俺とやったときより高くなってるじゃねえか!」
「なんか高くなってた」
「くそっ、また練習付き合えよ!」
何故か怒る飛雄ちゃんに返事をするとネットの向こうから手を掴まれた。
「へっ!?」
「晴樹、凄いよ」
心なしかキラキラした目の研磨に褒められ、純粋に照れた。
「あの研磨が…!」
「積極的…!!」
「なんであんなに気に入られてるの?」
「さあ…」
音駒も烏野も互いに驚きの声が漏れた。
「えっと…ありがとう。だけどまだまだ俺は成長するから」
抜かしたい人もいるし。
ニッと笑うと、試合を続ける為の笛が吹かれた。
2試合目も1セット取ったものの惜しくも負けてしまい、その後も1試合したが負けてしまった。
「もう一回!!」
皆が疲れて無言で息を整える中翔陽が声を上げた。
「うぬっ!?なんなんだ!目茶苦茶動いてるだろ!?体力底無しか!」
「コラコラコラ!だめだ!新幹線の時間があるんだ!」
猫又監督は驚き、繋心さんが翔陽を怒った。
「また
―全国の舞台、沢山の観客の前で、数多の感情渦巻く場所でピカッピカ、キラッキラのでっかい体育館で“ゴミ捨て場の決戦”最高の勝負、やろうや
そう言って監督は笑った。
「「集合ーッ!!」」
キャプテンの号令に烏野は音駒の監督のもとへ集まる。
「―正直、予想以上の実力だった。とくに攻撃、9番と10番の速攻、止められる奴はそうそう出て来ないだろう。レフト2人のパワーも強力な武器だと思う。それに
ニッと笑った猫又監督に元気良く皆で返事すると片付けへと動き出した。
「いや~楽しかったな~」
るんるん気分で片付けをしながら周りを見る。
それぞれが色んな人と仲良くなったりしているのを見て笑みが浮かんだ。
「晴樹」
「ん?」
振り返ると研磨がビクビクしながら立っていた。
「どうした?」
「そっちのセッターが凄く見てくるんだけど…」
「ああ…多分飛雄ちゃん、研磨と話したいけどなかなか話しかけれないんだと思う」
なんかごめんと謝ると、ううんと首を振った。
「あ、そうだ。連絡先聞いてもいい?」
「うん、いいよ~」
連絡先を交換すると再び号令がかかったので慌てて走り出した。
片付けも終わり挨拶をすると音駒と別れる(泣いてる田中先輩と山本さんには随分と驚いた)
手を振って音駒を見送ると、烏野も歩きだした。
「―今日のが公式戦だったら、1試合目負けたあの瞬間に終わるんだ、ぜんぶ」
「―――知ってる」
飛雄ちゃんが言った言葉に、翔陽が静かに答えた。
「―そーだ、わかってんじゃねーか。そんでその公式戦…IH予選はすぐ目の前だ。さっさと戻るぞ、今日の練習試合の反省と分析と、そんで練習だ」
繋心さんの言葉に、皆力強く返事した。
(てか、繋心さんコーチ続けるんすね)
(なんだ、悪いか!)
(いや、嬉しいですよ?)