音駒
名前変更
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「あんまりやらかすと替えられちゃうカモだけどね」
「月島!!」
意地悪を言うツッキーに田中先輩がカッと怒り後ろからツッキーの肩を澤村さんがグッと掴んだ。
「大丈夫大丈夫、何か掴めそうならトコトンやりな。跳んでる時は独りでも、後ろにはちゃんと俺達が居るし。点は“エース”が取り返してくれるらしいしな!頼もしいなあオイ!」
ドフッと旭さんの背を澤村さんが叩いた。
「大地!旭にプレッシャーかけんなよ!傷ついちゃったらどうするんだ!」
「そうですよ!ガラスのハートなんだから!」
「もうやめてあげて!」
スガさんと西谷先輩の言葉に旭さんが無言で落ち込んでしまった。
「旭さん、よしよし」
近寄って失礼ながらも頭を撫でるときょとんとされた。
「頭撫でられると落ち着くし気分もよくなりません?俺なりの励ましかたです」
ニッと笑うと旭さんも笑った。
「ありがとな」
ニッと笑った旭さんの背を再び叩きながら澤村さん達はコートに戻っていった何故だ。
その後の試合は翔陽にとっては初めてだらけの事だったので苦戦はした。
(小柄な奴は特にだけど…)
人は…“翼”が無いから飛び方を探す。
ジッと翔陽の拙いスパイクを見つめていると、くんっとブロックを避けた。
おおっ!?
どんどんと進化しようとする翔陽に笑みが溢れる。
最強の味方で、最高の好敵手―
試合がしたくてうずうずする。
その後の試合も面白い展開が続いた。
田中先輩と音駒の4番はお互いが似たタイプだから張り合い高め合い、他の面々も良い具合に感化されていた。
相手のキャプテンの1人時間差攻撃やバックアタックという攻撃の手、レシーブの能力の高さ、チームとしてして鍛えられた音駒に結果負けてしまった。
「完敗…ミスも少なかったし強力な武器は機能していた、けど勝てなかった」
個人として烏野は強いだろうけど、またまだチームとしては未熟。
うちも早くチームとして纏まるといいな。
そう思い試合終わりの皆にタオルとドリンクを運ぼうとしたとき翔陽が「もう一回!!」と声を上げた。
「おう、そのつもりだ!“もう一回”がありえるのが練習試合だからな」
笑いながらそう言った猫又監督に翔陽は笑顔を浮かべた。
「よし、晴樹入るか」
「え?」
繋心さんの言葉に驚いて振り返った。
「なんだ?出たくないのか?」
「出るに決まってるでしょ!」
ニッと笑うと軽くストレッチをした。
「田中と交代だ、悪いな」
「ウッス」
少し不満そうな田中先輩に頭を下げるとコートに入る。
「あ、晴樹。次は出るんだ」
「おう!よろしくな!」
「……うん」
研磨に声をかけられ返事をして笑うとスッと視線を反らされた、あれ?なんかした?
ちょっとショックを受けているとニヤニヤした音駒の主将(確かクロさん?)が近付いてきた。
「あっれー?研磨君照れてます?」
「煩いよ、クロ」
「そんな睨むなよ。なあ鷹君?」
「俺の名前は眞島です、クロさん」
「それは悪いな晴樹。俺の名前は黒尾鉄朗だから鉄朗さんって呼んでくれていいぞ?」
「あ、クロさん監督さんが呼んでますよ」
からかい全開のクロさんにそう言うとつまらなそうに監督のもとへ向かった。
「ごめんね…」
「いや、研磨が謝る必要ないよ」
ニコニコと笑って離していると、肩を叩かれた。
「うちのセッターに何かご用かな?」
振り返ると、田中先輩と張り合ってた4番の選手が威嚇全開の様子で立っていた。
「ちょ、また怒られますよ!」
慌てて近付いてきたのは翔陽を徹底的にマークしていた選手だ、その後ろにはバックアタックを決めた選手がこそっと立っていた。
「山本と福永と犬岡」
「あ、ありがとう…ございます。俺は眞島晴樹です」
出そうになったタメ口を慌てて引っ込めて名前を教えてくれた研磨に礼を言うと寂しそうな顔をされたなんかごめん。
山本さんと福永さんと犬岡(彼は1年らしい)に囲まれてわたわたしていると3人の後ろから怒声が響いた。
「こら山本!またカッコ悪いことしてんのか!」
「俺だけですか!?夜久さん!」
「まあまあ、そう怒らずに」
音駒のリベロ夜久さんと坊主頭の人(海さんと言うらしい)にも挨拶していると、集合をかけられた。
頭を下げて澤村さんのところに行くとスガさんがいた。
どうやら飛雄ちゃんと交代するみたいだ。
「早速、遠慮なく使わせてもらう時が来たな」
「もう、バンバン使って下さい」
スガさんと笑いあっていると、笛が鳴った。
挨拶をしてコートに入ると、深呼吸をした。
音駒からサーブが打たれる、ボールは澤村さんの正面に飛んで来たので難なくレシーブがされる。
「スガ!!」
「菅原さん!!」
旭さんと翔陽が動き出す。
「あれ?鷹はまだ打たないの?」
ニヤニヤと笑うクロさんは無視無視。
「旭!」
一発目のトスは旭さんに上がり、スパイクが決まる。
「あ~やっぱり重いな。鷹君もこんだけ重いの打つの?」
「クロ、しつこいよ、ウザいよ」
「研磨辛辣!!」
やたら絡んでくるのがウザくて思わず顔を顰めたら研磨が横から怒ってくれて助かった。
だけどまあ挑発されて苛つかないほど大人じゃない。
「スガさん」
「ん?」
コソッと耳打ちすると、スガさんは楽しそうに笑った。
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