リベロとエース
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あの後西谷先輩と翔陽が仲良くなった様子で戻ってきてレシーブ特訓が始まった。
西谷先輩のレシーブ説明に田中さんが本能で動く系の奴は何言ってんのかわからんと言わしめる西谷先輩マジかっこいいです。
翔陽と俺とツッキーと山口の四人がレシーブ特訓をしてもらっている時、翔陽が「あの…」と西谷先輩に向かい声をかけた。
「“旭さん”て誰ですか?」
「!不用意にその名を出すなっ」
焦る田中さんの様子に1年は頭にハテナを浮かべる。
「…烏野の…エースだ。‘一応’な」
「エース…!」
日向の様子に西谷はハテナを浮かべる。
「…おれ、エースになりたいんです…!」
小さな巨人のようになりたいと語る日向をジッと見つめる。
「その身長で、エース?いいなお前!だよな!カッコイイからやりてえんだよな!いいぞいいぞなれなれエースなれ!」
バカにされると思っていた日向は驚いた。
その後に語られた西谷先輩のリベロに対する信念を聞いて感動した。
身長が低かろうと高かろうとリベロをやり続ける、スパイクが打てなくてもブロックが出来なくてもボールが床に落ちなければ負けない、それが一番出来るのはリベロだと。
「「カッコイイ!!」」
「バッ、バカヤロウ!そんなハッキリ言うんじゃねーよお前ら!」
翔陽と共に発した言葉に西谷先輩は照れたように声を上げた。
そして帰りにガリガリ君二本も食べさせてもらえるらしいマジかっこいいッス。
「――で、お前の特技は?“エース志望”」
「えっ」
指を差された日向は自信無さげに囮と言った。
それを笑わずに呼び方関係なくお前のポジションだって重要さは変わらないと西谷さんは言った。
そう、翔陽の囮があるからこそ生まれるチャンスがあるのだから。
「で?お前は?」
「俺ですか?」
西谷先輩に指を差されてん~と考える。
まあ、渾名あるくらいだし…
「跳ぶこと、ですかね」
「跳ぶ?」
「はい」
頷くとじゃあ全力で跳んでくれと言われた。
「わ、かりました。菅原さん、軽くボール上げてもらっていいですか?」
「え!?影山じゃなくて俺?」
「はい」
お願いしますと頭を下げると菅原さんは照れたように笑った。
青城との試合に菅原さんは出てなかった、だから外から見たときに飛雄ちゃんのトスと俺の打点が合ってなかったのに気付いていると思う。
そう思いお願いした。
少し距離をとりボールがあげられるのを待つ。
息を吐いた菅原さんが山なりのかなり高いボールを上げた。
「前より高くないか!?」
誰かの驚く声が聞こえたが気にせず跳んだ。
ボールを軽く打ち込み着地すると菅原さんに笑った。
「ありがとうございます。最高のボールでした」
「え、いや…こっちこそ、ありがとうな」
はにかむ菅原さんに釣られて微笑むと背中に衝撃を感じた。
「お前、スッゲー跳ぶな!いや、飛ぶなほんと!エース出来るじゃねえか!」
「一応前はエースやらせてもらってました。烏野のエースも奪うつもりです、翔陽にも負けずに」
「!??お、おれだって負けないからな!」
背中にいる西谷先輩に笑い翔陽にも笑いながら声をかけた。
てか驚きすぎたろ。
「それより眞島…お前、昨日の青城との試合より高く跳んだよな?」
「え、はい」
声をかけてきた澤村さんに素直に頷いた。
「昨日が烏野バレー部として初活動だったので俺の打点を知らない飛雄ちゃんのトスは実は少し低くて…」
「チッ…」
いやだって事実だし。
「王様使えないって」
「誰もそんな事言ってないだろバカツッキー」
「ツッキーは凄く賢いんだよ!」
「いや、忠、勉強面の話じゃないんだけど…まあいいや」
溜め息を吐くと西谷先輩に背を叩かれた。
「てかよ、お前スパイカーならそんなにレシーブ練習に必死にならなくてもいいんじゃねえのかよ」
「いえ、レシーブあっての攻撃です。ですから、憧れの西谷先輩に是非教わりたいんです!!」
「~~~!!!よし、肉まんも買ってやる!!」
「え?アザっす!」
西谷先輩に礼を言うとガシッと飛雄ちゃんに腕を掴まれた。
「トス練するぞ、お前の打点教えろ」
「え?ああ」
わかったからとりあえず腕離してくれ力強い痛い!
そんな抗議をする前に皆に送り出されたものだから思わず溜め息が出てしまった。
「なあなあ!見に行かね?」
「は?」
放課後になって急に翔陽が飛び込んできたかと思えばそんな事を言われて頭を傾けた。
「何を見に行くんだよ」
「エース!」
「おい日向待ちやがれ!」
息を切らした飛雄ちゃんも入ってきた。
「ああ、2人で見に行くのか?」
「おう!晴樹も行こうぜ!」
「ん、いいよ」
立ち上がるとニッと笑った、俺も興味あるから。
「やっぱお前先行けよっ」
「はぁ!?お前がエース見たいって言い出したんだろ!!」
3年の教室前で騒ぎ出した2人に息を吐く。
「騒ぐなよ、煩いぞ」
「だって、3年の教室なんて恐くて入れない「待てよ旭!!」
「「「“旭”!?」」」
「?なに?」
聞いた事ある名前が聞こえ振り返ると髪を結び髭の生えた人物が丁度真後ろで返事をした。
その風貌にビビった翔陽は慌てて飛雄ちゃんの後ろに隠れていた、いや隠れるなよ。
「お前らこんなとこで何してんの?」
教室から出てきたのは菅原さんで、俺達の事を紹介してくれた。
「がんばれよ」
「えっ、一緒にがんばらないんですかっ?」
ぽんと腕を叩かれた日向は疑問の目で東峰旭を見上げた。
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