青葉城西
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整列をし先生のもとへ戻るとお願いしますと頭を下げる。
「!?」
「先生、なんか講評とか」
「あっそっそうか!」
少し緊張した様子の武田先生は 口を開く。
先生のポエミーな講評を聞いて一部はポカーンとしていたが俺は中々好きだなと笑った。
(トイレトイレ)
帰る前に手洗いへ向かうと金田一と影山が話していた。
丁度話終えた様子だったので気にせず歩いていると国見も近付いてきた。
「………何、話してたの」
立ったまま動かない金田一の背に国見が声をかける。
「………影山、“俺達”って言ったよ」
「あ?」
頭にハテナを浮かべる国ちゃんがこっちを見たが俺にもわからんよ。
「いっつも“俺は”“俺が”って一人で戦ってるみたいな言い方してたくせに…くそ、なんか悔しいな」
そう言った金田一の背を無言で国見は叩いた。
「あだっ!?何だよ!!って晴樹もいたのか!?」
「おう、トイレに行きたくてな」
そう言ってトイレに入る前にそうだと振り返った。
「飛雄ちゃん、成長してたろ?」
ニッと笑うと二人から叩かれた、解せぬ。
「挨拶!!」
「「「ありがとうございましたーッ!!!」」」
体育館前で挨拶をする。
金ちゃんと国ちゃんに手を振り岩泉さんに頭を下げると先輩に続いて歩き出す。
「…武田先生はああ言ってくれたけど」
突然話し出した澤村さんに視線が集まる。
「いくら日向と影山のコンビと眞島が優秀でも、正直、周りを固めるのが俺達じゃあまだ弱い…悔しいけどな」
「おお~さすが主将!ちゃんとわかってるね~~」
聞こえてきた声に前方を見ると及川が薄く笑って立っていた。
「なんだコラ」
「なんの用だっ」
「やんのかコラ」
「やんのかァコラァ」
威嚇する田中先輩の後ろから翔陽がビビりながらも田中先輩の真似をして言葉を吐く。
その後ろではツッキーが不快そうに眉を寄せ忠は目を吊り上げていた。
「そんな邪険にしないでよ~アイサツに来ただけじゃ~ん」
ヘラっと笑い及川は日向を見る。
「小っちゃい君、最後のワンタッチと移動攻撃凄かったね!」
「え゛っ!?あっえっエヘヘ」
「今日は最後の数点しか戦えなかったけど…次は最初から全開で戦ろうね。あ、そうそう、サーブも磨いておくからね」
その言葉に日向と月島は冷や汗を流した。
「君らの攻撃は確かに凄かったけど、全ての始まりのレシーブがグズグズじゃあすぐ限界が来るんじゃない?強烈なサーブ打ってくる奴はなにも俺だけじゃないしね。インハイ予選はもうすぐだ、ちゃんと生き残ってよ?」
そう言って及川は影山を指差す。
「俺はこの――クソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして正々堂々叩き潰したいんだからサ」
「………」
影山は歯を食いしばった。
「~~~レッ、レシーブなら特訓するっ」
「!!!おい、放せ!」
腕を日向に掴まれ月島は驚く。
「レシーブは一朝一夕で上達するモンじゃないよ。主将君はわかってると思うけどね。大会まではもう時間は無い、どうするのか楽しみにしてるね」
ニコリと此方を見て笑う及川さんに思わず舌打ちが漏れた。
「あー!今舌打ちした?!酷い!!」
「ドウモスイマセン」
「心が籠ってないよ晴樹ちゃん!!」
うわーんと抱き付いてくる及川さんに口が引き攣るのが分かる。
「もー!烏野に行ったからそんなにひねくれちゃったんだね!今から青城に来なさい!」
「そうですねー岩泉さんも金ちゃんも国ちゃんもいるから青城はいいかも知れませんが貴方がいるなら白鳥に行きますよ」
「もっとダメー!!!」
ぐりぐりと頭を押し付けてくる及川さんに握った拳が上がる。
後ろで先輩達が慌てていたがスイマセン、俺は我慢の限界です。
振り下ろそうしたとき、バレーボールが飛んできて及川さんの頭に当たった。
驚いてボールが飛んで来た方を見ると般若の顔をした岩泉さんがいた。
「クソ川…何度晴樹に迷惑をかけるなと言ったら分かるんだ!!」
「ひっ…!!だ、だって…」
「だってじゃねえんだよ」
グッと及川の首根っこを掴んで眞島から引き剥がす。
「悪かったな晴樹」
「いえ、いつもお疲れ様です岩泉さん」
「クズ川は責任持って処分しておくわ」
「お願いします」
ニコリと笑うと岩泉さんはニヤッと悪い笑みを浮かべ、その笑みを見た及川さんは顔面蒼白で悲鳴を上げた。
じゃあなと手を上げ(及川さんを引きずりながら)歩いていく岩泉さんを見送り振り返ると皆が何とも言えない表情をしていた。
「…き、気にしないで下さい」
「そ、そうです、あの人ああやって人ひっかき回すの好きで…」
飛雄ちゃんとチラリと視線を合わせた時、澤村さんが不気味に笑った。
「…確かに、インターハイ予選まで時間は無い……けど、そろそろ戻ってくる頃なんだ」
「あっ」
「?何がですか?」
何か気付いた様子の田中と頭にハテナを浮かべる日向に澤村は笑った。
「烏野の“守護神”」
「しゅ…守護神…!?」
「なんだ、他にも部員居るんですか!」
「……うん、居るよ」
澤村の言葉に日向はそわそわし、影山は驚いて菅原にそう尋ねた。
その問いに寂しげに答えた菅原さんが気になったが、先生が早くしないと怒られるって焦りだした為バスに向かった。
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