両片思いを拗らせた結果
名前変更
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「おはよう」
「おはよ」
朝、後ろから元気な声が聞こえ振り返ると新開が笑顔で手を振っていた。
「昨日はありがとう」
「友達として当たり前の事をしただけだよ」
そう、友達として。
ニコリと笑ってそう答えると、一瞬新開の顔から表情がなくなった気がした。
ん?と頭にハテナを浮かべていると手を掴まれた。
「え、ちょ」
「シたい」
率直に言われ顔が赤くなる、てかどこでスイッチ入ったの?
手を引かれるまま空き教室に連れてこられると、壁に体を押し付けられた。
「ちょっと、まだ朝だけど」
「わかってる」
「わかってるなら、やめ、ん」
厚い唇が私の唇を貪る。
「新開、急に、なに」
「昨日みたいに隼人って呼んでくれないのかい?」
「よ、ばないわよ。セフレの下の名前は、呼ばない」
そう言うと新開の動きが止まった。
首に落ちていた唇から漏れる吐息が熱い、擽ったい。
「友達なら、呼ぶのか?」
「呼ぶわよ」
「…おめさんの名前呼びの基準は?」
「は?基準…?仲のいい友達と恋人は下の名前で呼ぶわよ。セフレは体だけの関係なんだから、なんでもいいと思うわ」
まあ、新開以外にセフレは要らないけど。
ぽそりと呟くと新開の体は離れた。
「そうか…俺の自業自得か」
「…は?」
「うん、この関係やめよう」
その言葉に目の前が真っ暗になった。
やめる?終わり?そんな、終わったら…
(隼人が遠くなる)
その事実に涙が出そうになったがぐっと堪えて笑った。
「そっか、じゃあ今限りでお終いだね」
「ああ、終わりだ」
少し乱れた服を直し鞄を手にする。
「舞子、俺は「じゃあね」
何か言いかけてた新開に手を振ると空き教室を出る。
後ろで何か言ってた気もするけど振り返らずに歩いた。
(さよなら隼人、寂しいけど…こんな関係虚しいだけだものね)
新開を独り占め出来る幸せと共にいつもあったのは満たされない寂しさ、辛さ。
結局私達はセフレでしかないのだから。
その関係すら今は無くなってしまったけれど仕方がない。
先日部屋まで行ったのが良くなかったのかもしれない、それとも拒んだから?セフレとしての境界を超えたから?
その前に友達でもあるがあの関係が始まった時に友達としての二人は消えたのだ。
「あ~もう…」
泣きそうなのをなんとか堪え、教室に着くと同時になんとか頭を切り替えた。
おはようと友達と挨拶を交わすと席に座り項垂れた。
どうしたの?と心配する友達には少し眠いとだけ伝え、目を閉じた。
「起きて、舞子」
「ん?」
どうやら眠っていたらしい。
昼休みになっていて四限ともサボってしまった。
先生に怒られなかったのを不思議に思いつつ友達を見上げるとなんとも気まずそうな表情をしていた。
「あ、あのね…あの人達が呼んでる」
教室の入り口を指差され視線を移すとそこには面倒くさいのが三人ほどいた。
(新開ファンクラブの人か)
友達に先にお昼しといてと告げ三人に近づくとニコリと笑われた。
「高村さん?時間いいかしら」
「どうぞ」
返事をすると場所を変えるためか歩き出した。
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