新しい仲間たち
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自室に戻ると、神山からのメールが届いている事に気付き開く。
(極秘…?)
極秘と書かれたメールの内容を確認し、ふーんと頬杖を着く。
要約すると、神山は時間遡行軍の根本を破壊する為に調査をしているらしい。
神様なんだから、神様の力でどうにかならないの?と返事をしてみたら、直ぐに返答が来て「世界の根本に関わることになるから、直接手を下すのは難しい。潰すのはお願いしたい」と返ってきた(斬ってやろうか)
まあ、いずれは手伝ってもらうからヨロシクねとのメールに(渋々)了承の返事をすると、巾着を漁る。
今日来た皆の御守り作成だ。
桜はサッと作り上げると、よしっと部屋を出た。
先ずは、出陣と遠征の見送りをしようと本丸の玄関へと向かう。
まだまだ心配だが、出陣も自分達だけで大丈夫だと言う皆の意思を尊重し、簡単な場所から出陣をしてもらう事にしたのだ。
「皆」
「主君!」
いち早く気付いて笑顔を浮かべる秋田の頭を撫でると、周りを見渡す。
「皆、気をつけて。無理な進軍はしない事。軽傷でも帰ってくる事」
桜の言葉に皆は頷いた。
「行って参ります」
そう言った平野の言葉に頷くと、出陣や遠征へと向かう皆を見送った。
くるりと踵を返すと、目当ての人物の気配を辿り道場へと行き着く。
そこには手合わせをする蜻蛉切と物吉がいた。
「早速の鍛錬とは、頑張り屋さんだな」
「主、来たのかい」
そう言った蜂須賀に頷くと、隣に立つ。
目当ての人物、新入りを引き連れた蜂須賀の元へ来ると皆揃っていた。
手合わせ中の2人を邪魔しないように少し眺めていると、蜻蛉切が物吉の刀を払い除けて決着がついた。
「やっぱり、とんぼ…きり様は、お強い、ですね」
「物吉貞宗も、来たばかりなのに随分と動きが良いな」
肩で息をする物吉に微笑む蜻蛉切を見た後、手をパンパンと叩いた。
「皆おつかれ。ちょっと悪いんだけど今日来た皆集まってくれない?」
桜の言葉に今日来た6振りが集まる。
「はいこれ、御守り」
「御守り?」
「中には僕の気を込めた珠が入っている。悪いモノから皆を守ってくれるよ」
そう言って配ると、不思議そうに面々は小袋を見ていた。
「ねえ、主さん!」
「ん?」
小袋を渡し終えて道場を後にしようとしたら声を掛けられた。
声を掛けてきたのは浦島で、どうしたのかと首を捻る。
「長曽祢兄ちゃんに中々勝てないんだ…どうしたら勝てるかな?」
「おれも、弟に負けるわけにはいかないからな」
悔しそうな浦島の後ろで、長曽祢が笑っていた。(そして蜂須賀に殴られていた)
「そうだなぁ…浦島君は、相手の動きをちゃんと見てるかい?」
「うーん…見れてないかも」
「まずは、相手の動きを見れるようになるといいかもな……今日は…第三者視点で見てみなよ」
「第三者?」
「うん。本体借りれる?」
そう言って浦島の本体を借りると、長曽祢を見た。
「一戦、お願いします」
「あんたが相手か………かなりやり辛いな」
「僕は強いからね」
冷や汗を流す長曽祢にそう言うと、刀を抜く。
意を決して長曽祢が刀を抜いたのを確認すると、地を蹴った。
「くっ…!!」
一撃目をなんとか塞いだ長曽祢に、二・三と攻撃を重ねていく。
(ここで…)
わざと力を抜いてみると、好機と捉えて長曽祢が仕掛けてくる。
素早く振られた刀を桜は受け流しながら、浦島に声をかける。
「浦島君。第三者視点、どうー?」
「えっ!?あ…よ、よく兄ちゃんの動きがわかるよ!」
突然声を掛けられた浦島が驚いたように返事をする。
「……あの人、人間なん?」
「まあ、一応」
呆気に取られる明石の言葉に、蛍丸は頷いた。
(そろそろいいかな)
桜は手に力を入れると、長曽祢の刀を弾いた。
「うおっ!?」
「隙ありってな」
体制を崩した長曽祢に足を掛けて倒すと、道場に「それまで!」と声が響いた。
「ふう…長曽祢さん、大丈夫?」
「ああ…相変わらずあんたは強いな」
倒れている長曽祢の上に座ったままそう聞くと、長曽祢は笑いながら返事をした。
「浦島君、刀ありがとう」
長曽祢の上から退いて浦島に刀を返すと、頭を撫でる。
「相手の動きが見えれば、対処法が考えれる。そしたら勝機も見えるようになる、かもね」
「ありがとう!!」
そう言って、キラキラとした表情の浦島に微笑む(倒れた長曽祢を見てふふんと笑っている蜂須賀は見なかったことにしよう)
周りでポカンと口を開いたままの新入りに手を振ると、今度こそ道場を後にした。
その後は本丸に残っている面々と家事をこなしたり、新入りとコミュニケーションをとったりして過ごした。
後藤と物吉はとても良い子だ。心がほっこりする。
博多も良い子だが商売人魂が強い子だ。とても頼りになりそうだ。
膝丸も真面目で頼りになる。が相当ブラコンみたいだ(口を開けば兄者兄者と髭切を呼んでいる)
日本号はお酒が好きでずっと飲んでいたいみたいだ。まあ…飲みすぎないなら許してあげよう。
明石は……とりあえず働きたくない動きたくないという性格なようだ。蛍丸や愛染が上手くコントロールしてくれているし、その辺は任せよう。
新入りの事を頭にインプットしながら、自室へと戻った。
『へえ…一気に6振りも!凄いじゃないか!』
「ああ、うん…」
朝早くから神山から電話が掛かってきて、桜は寝惚けながら話を聞く。
どうやら昨晩6振り顕現させたとの報告書に驚いて連絡をして来たそうだ。
連絡を寄越す事に文句はない。
だが時間は考えろ。
『やはり、上質な力を持ってるだけあって刀を呼びやすいのかな?』
「知らん」
『まあ、これからもその調子でよろしく頼むよ』
そう言って切れた電話にイラッとする。
溜息を吐きながら電話を放ると刀帳を手にした。
まだ見ぬ刀は沢山いる。
特別刀を集めることに関して意識を向けていなかったが、あのような電話をしてきたということは何か関連するよな事があるのかもしれない。
(例えば…根本を突き止めて根絶やしにする際に総力戦になるとか?)
まあ普通に考えたらその可能性は大いにある。
(皆を巻き込むつもりはないが)
桜は息を吐くと布団から出る。
とりあえず着替えようと寝巻きにしていた着物へと手をかけた。
「おはよー」
「おはよう、主」
「おはよう」
台所へと来ると、燭台切と歌仙がいた。
既に良い匂いが漂っており、どんどん上がる2人の主夫力は純粋に凄いと思う。
「これ、味をみてくれないかい?」
「ん、僕でよければ」
味噌汁の味見を頼まれて小皿を受け取る。
「うん、美味しい…朝からホッとするよ」
「君、こっちも頼む」
「はいよ」
今度は歌仙から声をかけられおかずの味見をする。
これも美味しい。
「こっちも美味しい。ほんと一気に料理の腕が上達したね」
「刀としてはどうかなと思わなくもないが…まあ何事も上達するのは悪くないね」
歌仙の言葉に桜は笑った。
その後は合流した堀川や短刀達とともに食事を運び、広間にはいい匂いが立ち込める。
「さて、皆揃ったし。いただきますか」
桜の言葉に、皆食事を始める。
新人達が悪戦苦闘しながら食事をしているのをそれぞれの身内が面白そうに見ているのを自分も観察しながら、食事を続けた。
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