油小路事件~相馬に伝える
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暫くして屯所が見えてくると、その門前には相馬が立っていた。
「皆さん!お帰りなさい」
「お!出迎えご苦労」
出迎えてくれた相馬は皆に労りの言葉をかけ、視界に入った藤堂を見て目を丸くした後、桜に駆け寄ってきた。
「雪風さん、藤堂さんも戻られたんですね」
「うん。凄く……嬉しいよ」
相馬の言葉に微笑み、自分も屯所内へ入ろうとして足を止めた。
(これは…)
背中に感じる殺気を感じてバッと振り返る。
そこには、こちらを睨み付ける三木が立っていた。
「新選組…!」
憎しみを込めた目で、声色で、許さないと訴える三木に心が痛くなる。
「三木……!」
相馬は刀を抜こうとしたがそれを手で押さえる。
「相馬君、中に戻ってて」
「しかし…!」
「僕が彼と話すから」
ね?と相馬に言うが、相馬は首を振った。
「戻りません。俺は…ここにいます」
その言葉に苦笑しながら頷くと、三木の元へ向かう。
こちらを睨みつけてはいるが、刀を抜く様子の無い三木を不思議に思いつつ彼の目の前へと立つ。
「…無事に逃れたんですね。よかった」
相馬には聞こえないくらいの音量でそう話すと、三木はくしゃりと表情を崩しながら桜の手を掴んだ。
「……来い。お前に聞きたいことがある」
「…わかりました。でも、少し待ってください」
桜は相馬に振り返ると、ニコリと笑う。
「少し、散歩してきます。歳さん達には適当に言っといてください」
「え、あっ、ちょっと!」
相馬が何か言っていたが桜は聞こえないフリをして三木と共に歩き出した。
(さて、少しでも落ち着いて話す為には…)
あそこに行こう。
桜は手を掴んだまま何も言わずに付いてくる三木をチラリと見た後、目的の場所…隠れ家へと向かった。
少しして、目の前に現れた隠れ家を三木は訝しげに見ていたが、桜は気にせずに戸を開く。
坂本達が居なくなった後も何度か訪れている為、お茶などちょとした物は揃っている。
「三木さん、入って下さい」
警戒心を解かない三木に少し息を吐き、グイッと中へと引き込む。
三木が入ったのを見て戸を閉めると同時に、グイッと首元の服を掴まれて壁に叩きつけられた。
「うっ…」
背中に痛みが走り、顔を顰める。
「……お前、俺を逃してどういうつもりだ。死なせたくなかったとか言いながら、兄貴をあんな目に合わせやがって!!」
怒りに満ちた表情で三木は叫ぶ。
ギリギリと首元が締められて苦しいが、桜は何とか口を開く。
「伊東さんの事は、ごめん…なさい」
そう言って、悲しそうに笑う桜に三木は頭を振る。
「謝られても訳わかんねえよ!」
そう言われて床の上へと叩きつけられ咽せる。
その様子を見ながら三木は刀を抜くと、桜に跨り首へと刀を突きつける。
「お前、何考えてんだよ」
桜は息を吐くと、三木を真っ直ぐ見る。
「……僕は、伊東さんも三木さんも、守れるならば守りたかった。でも…それよりも守るべきは近藤さんだった」
「はっ…!あんな奴に何の価値があるんだよ」
「……僕は、幼い頃に父親が殺された」
その言葉に、三木が息を呑んだのがわかった。
「相手の人間達の勝手な都合で襲われ、殺された。そして母と移り住んだ先で出会ったのが近藤さんだった」
桜はそう言って目を閉じた。
暖かく包み込み、導いてくれる。
「そんな近藤さんを、僕は第二の父親のように思っているんだ」
誰にも話した事のない自分の気持ち。
「近藤さんの事を御陵衛士は暗殺するつもりだって話を聞いてしまったら…暗殺から近藤さんを守る為には…先手を打つしかなかった」
桜は目を開くと、刀を持つ三木の手に触れる。
「僕は伊東さんを殺さずに済むならば、殺したくなんかなかった。暗殺の話なんかなければ、またお会いする事が出来れば…でも、そうもいかなかった。例え説得されても、暗殺の計画を止めようとはしなかったですよね?」
桜は三木の手を掴むと、刀を自分の首に当てる。
「組織の頭を守る為、新選組として動いた。でも…僕個人は何度も言うように、殺さなくて済むならば殺したくなかった。誰も傷付けたくなかった。それは…三木さんも同じ。だから、僕は僕の都合で貴方を守ろうとして、逃した。それだけの事です。でも…それさえも三木さんにとっては不愉快で、ただ憎いだけだと思います」
そう話しながら桜が手に力を入れると、刀が桜の首を傷付けて血が流れる。
「お、おい…」
「僕の首で許してくれなんて言いませんが…どうか、復讐などは考えないで欲しいなって、思います」
桜はニコリと笑うと、更に手に力を入れて自分の首を傷付けようとしたが…それより早く三木が桜の手から刀を離させて放り投げた。
「お前、新選組の為に自分の首を差し出すってのか!?」
「…違いますよ。伊東さんを助けられなかった事への謝罪と、貴方の気が少しでも晴れるならばと思っただけですよ」
その言葉に、三木は顔を顰める。
「……お前、頭おかしいのかよ」
「普通のつもりなんですけどね」
「いや、頭おかしいだろ…」
三木はそう言って、後ろへと座り込む。
桜は起き上がると、項垂れる三木を見た。
「……兄貴を殺した新選組が憎い、絶対に皆殺しにしてやる。特に土方には……嫌ってほど苦しみを与えてやる。でも、お前だけは苦しまないようにと思ってたのに、自分から首を差し出すってのかよ…」
そう言って黙り込んだ三木に近付くと、そっと抱き締めた。
「……三木さん。こんな事を言う資格がないのは重々承知ですが、言わせて下さい。どうか……伊東さんの分まで生きてください」
ギュッと抱き締める手に力を入れる。
暫くそうしていると、三木がもぞりと動いた。
「………まじで、そんな事を言う資格なんか無いだろうが」
「そうですね、ごめんなさい」
顔を上げた三木の目に憎悪は宿ったままだったが、落ち着きを取り戻した様子の三木の言葉に苦笑する。
「…離れろ」
そう言って手を伸ばした三木は固まった。
伸ばされた桜も固まった。
先に正気に戻ったのは桜で、そっと三木から離れる。
(おっとー、一か八かの命がけのシリアス展開から抜け出したと思ったら、今度はラッキースケベかー?)
そう、伸ばされた三木の手は桜の胸を押したのだ。
いくら胸潰しをしていても、感触でバレる。
お願い三木さん鈍感であれと祈ったが、それは無駄な祈りだったようだ。
「お前…」
「ちょ、三木さん…!」
胸元を掴まれるとバッと服の前を開かれる。
露わになった胸潰しに三木が目を丸くして再び固まった。
「……三木さん、さすがに恥ずかしいかな」
そう伝えると、パッと手が離れたので服を正す。
「ま、待て待て待て待て。お前…はぁ?」
混乱した様子の三木に頬を掻きながら、これは誤魔化せないなと腹を括る。
「……見ての通りですよ」
「お前……女だったのかよ!!!」
暗くてちゃんと見えないが三木の頬がほんのり赤い気がする。
桜は溜息を吐くと頷いた。
「ちょっと、とある目的のために男装して新選組にいます。この事は新選組が壬生浪の時からいる幹部の人間は知ってます」
「知ってって…あいつら、知っててお前を置いてんのかよ!」
そもそもあいつらが隊律違反してんじゃねえのか!とまた怒り出した三木をまあまあと落ち着かせる。
「置いてくれなきゃ死んでやるーですよ。いやぁ…あの時はあの時で大変だったな…」
「なに遠い目してやがる」
昔を思い出して乾いた笑いを零すと、頭を叩かれた。痛い。
「まあそれは置いといて…三木さん。今、三木さんは新選組を潰せる武器を手にしました」
そう、私の事が周囲にバレれば新選組の内部に亀裂が走る事は避けれないだろう。
その言葉に三木は、無表情になる。
「………そうだな。お前の事を周りに話せば、一発だろうな」
「…少し、もう少し秘密にしておいてくれませんか?」
そう言ってヘラリと笑う。
「俺がそれに頷くと思ってんのかよ」
「んーー、ですよねえ」
桜はポリポリと頬を掻くと、俯いて息を吐く。
「近い未来…後数年で新選組は無くなるでしょう」
「……あ?どういう事だ」
三木の問いかけに顔を上げた桜を見て、ハッとした。
冗談ではなく真剣に言っていて、コイツは“何か”知っていると、三木は感じた。
「詳細は話せません。ですが、無くなります。だから今すぐ潰さないで欲しい」
「……それにいい返事を返すと思ってんのかよ」
「ははっ…ですよね」
桜は笑って立ち上がると、服についた埃を払う。
「新選組を憎む三木さんは、今すぐにでも復讐したいでしょう。でも…僕が知っている三木さんは、優しい選択をしてくれると信じています」
それでは、と言って桜は隠れ家を出る。
「……何なんだよ、あいつは」
残された三木はそう呟くと、深い溜息を吐いた。
(いやー、困った困った)
何で三木さんにもバレちゃうかな?
あれか、あれなのか。
色々と変えて行っている皺寄せがこんな感じで来ているのか?
うーんと考えながら屯所は戻ると、門前に誰か立っている事に気付いた。
「あれ?相馬君?」
「雪風さん!」
立っていたのは相馬で、こちらに気付くと駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか!?三木に何もされてませんか!?」
「ちょ、落ち着いて」
肩を持って揺さぶられ桜は慌てて相馬に手を伸ばす。
落ち着けと相馬の手を掴むと、ハッとした相馬は揺さぶるのをやめた。
「お、俺…!すみません!」
「いや、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
そう言って微笑むと、申し訳なさそうにする相馬の頭を撫でる。
「三木さんには何もされてないから大丈夫。それより、ずっと待ってたの?」
「はい。ここにいると言いましたから」
相馬の言葉に思わず「忠犬!」と突っ込んだら首を傾げていた。ごめん。
「まあ、何かされたとしても…返り討ちにするから大丈夫だよ」
そう言って桜はニコリと笑ったが、相馬は浮かない表情だった。
「……どうしたの?」
「いえ、その…」
「ん?」
ほらほらと促すと、相馬は口を開く。
「俺は、屯所を出た雪村先輩や雪風さんを守るなんて言っていたけれど、まだまだ弱いから守れるわけ無いのにな…と思ってしまって」
出来るのは心配する事ばかりです、と言った相馬の頬を桜は両手で包み込んだ。
「あの、雪風さん…!?」
「相馬君、その気持ちだけでも人は助かるって、知ってた?」
「えっ?」
「ありがとうね、相馬君。僕は君の思いに助けられてるよ」
ふふっと笑うとその頬を抓る。
困惑した様子の相馬を背に門を潜ると、くるりと振り返る。
「とりあえず、体も冷えてるみたいだしあったかいお茶でも飲もっか」
「あ、はい!」
元気よく頷いた相馬が慌てて駆け寄ってきたのを確認すると、勝手場のある方へと歩き出す。
可愛い後輩だなぁと考えてニコニコしていると、相馬は急に足を止めた。
どうしたのだろうと自分も足を止めると、さらっと髪を掬われビクッと肩を揺らす。
「ど、どうしたんだい?」
「……本当に、三木に何もされていないんですか?」
「え?うん。されてないされてない」
大丈夫だよ、あははーと笑っていると、首をスッと撫でられて驚いて一歩下がる。
「な、なになに」
「……乾き始めているようですが、血が付いています」
そう言った相馬の指には僅かながら血が付いていて、パッと首を抑える。
(やばい、三木さんの刀を当てたところだ)
少し斬れたとは思うが、そんな血が出るような事はなかったと思っていた。
まさか、血が付いていて相馬君に見つかるなんて。
「雪風さん、本当に何もなかったんですか?」
厳しい表情でそう言った相馬に、桜は息を吐いた。
「……ごめんね、ちょっと一悶着はあったかな」
「何で言ってくれないんですか!」
「もう終わったことだし、何より…心配させちゃうと思って」
そう言って頬を掻く桜の手を、相馬は握った。
「俺に心配されるのは…ご迷惑ですか?」
「あ、いや、そうじゃなくて…」
こちらを伺うような相馬に、申し訳なくなる。
「僕が勝手に、心配かけたくないだけ」
自分の手を握る相馬の手を、そっと握り返して微笑む。
相馬は少し息を吐いて微笑んだ。
「それでも、心配かけてください」
相馬の様子に、桜は少し恥ずかしくなって目を逸らした。
「えっと…ごめんね、ありがとう」
「いえ。それでは…手当てしましょうか」
その言葉にハッとした。
(血の量からして傷は大きくないはず。だとしたら…)
治りかけている、または治っている。
流石に見られては不味いと、そっと相馬の手を離す。
「自分で手当てするから大丈夫だよ。丞さんもいるし」
「……山崎さんですか」
「うん」
頷いて歩き出そうとしたが、相馬に手を取られて引き止められる。
「俺じゃ駄目ですか?」
「いや、駄目ではないんだけど」
「では…!」
「でも、ごめんね」
謝って手を離そうとするが、相馬は手を離さない。
「……俺の事がご迷惑ならばそう仰ってください」
「違うよ?違うからね?ね?」
桜はどうしたものかと考え、ゆっくりと俯きながら息を吐いた。
そして顔を上げた桜を見て相馬はハッとした。
そこにいたのは、優しい桜ではなく幹部としての桜。
再度、相馬の手を離すと今度は素直に離れた。
「相馬主計、幹部として君に問う。新選組の更なる深みへと足を踏み込む勇気と覚悟はあるのか?」
その問いかけに、相馬はゴクリと唾を飲んだ。
ピリッとした空気に緊張が走る。
暫くの沈黙の後、相馬は口を開いた。
「それが貴女に関係する事ならば」
「………そう、わかった」
桜は頷くと、背を向ける。
「ついてきて」
歩き出した桜の後を、相馬は付いていく。
少しして辿り着いたのは、自分もよく知る近藤の部屋だった。
「近藤局長、夜分に申し訳ございません。雪風です。お時間よろしいでしょうか?」
「雪風君?ああ、入りたまえ。おや?相馬君も一緒だったのかね」
いつもと様子が違う事に気付いたようで、自ら戸を開けて中へと招いてくれた。
中へと入るとまだ仕事をしていたようで、筆と墨が机上に置かれていた。
「お仕事中に申し訳ありません」
そう言って頭を下げると、相馬も慌てて頭を下げる。
「ああ、大丈夫だよ。気にしないでくれ」
「ありがとうございます」
頭を上げると、早速本題に入る。
「相馬君に、もう一段階踏み込んだ僕の話をしよう思っています。彼は、勇気も覚悟もあるそうです」
「なんだって……?」
近藤は相馬を見る。
その視線に相馬が頷くと、近藤はふむ…と桜へ視線を戻す。
「この事、トシは知っているのかね」
「いえ、話してません。真っ先に近藤さんのところへ来ましたので。局長の許可があれば歳さんも文句は言いませんよ」
ふふっと微笑むと、近藤も困ったように笑った。
「全く、君は…相馬君に覚悟があると言うならば、俺は止めはしないよ」
「ありがとうございます」
近藤の返答に頭を下げると、相馬を見る。
「相馬君。君は覚悟があると言った、だから話すよ。私の…秘密」
桜はそう言うと、相馬に首元を改めて見せる。
「…傷、どうなってる?」
「傷、ですか?」
相馬は血が付いていた場所を見る。
「傷が……ない」
そこには、傷は無かった。
「私が手当ては要らないと言ったのはこの驚異的な治癒力のおかげ。小さい傷ならばすぐに治るよ」
唖然とした様子の相馬に、微笑む。
「人間じゃないみたいでしょ」
「あ、いえ。そんな事は…」
「まあ、人間じゃないんだけどね」
「え?」
私は、鬼だよ。
その言葉に相馬は目を丸くした。
話された内容は、簡単に信じられるものでは無かった。
それでも、真剣な表情の桜と近藤の様子からして嘘ではないと理解した。
「雪風さんが…鬼」
「これが、私のもう一つの秘密。新選組の秘密」
怖くなった?という問いかけに相馬は首を振った。
「いえ、雪風さんの事ですから。怖いなんて思いませんよ」
「…そっか、ありがとう」
「雪風君は、皆に好かれているな」
二人の様子を見ていた近藤はそう言って笑った。
その言葉に相馬は少しあたふたし、桜と近藤は笑っていた。
後日、幹部会議で相馬に鬼である事を話したと皆に伝えた。
ついでとなるが事情を知らない藤堂にも話したら屯所中に響き渡るくらいの大声を上げて永倉と原田に叩かれていた。
相馬の件に関しては土方に鬼の形相で怒られたが桜は適当に聞き流していて、その様子に更に土方の怒りは加速していたが、近藤と山南が何とか落ち着かせた。
「ったくよ…」
「あ、歳さん落ち着いた?お茶どうぞ」
「てめえ…また怒らせる気か?」
「そんな訳ないですよ?」
ニコニコする桜に土方は溜息を吐いてお茶を手にした。
「さて…それじゃあ本題に入りますか」
山南の言葉に斎藤はジッと前を見据え、藤堂は背筋を伸ばした。
「二人は新選組へと復帰したって伝えるだけじゃ駄目なのかよ」
「一度は出てんだ。そう簡単にはいかねえだろう」
「裏切りだって言ってる隊士もまだ多いですしね」
本題、それは二人の処遇だ。
単純に復帰したといえばそれだけの事なのだが、そうもいかない。
先程も言われていた通り、彼らは新選組を捨てて御陵衛士へと渡った人間、裏切りだと言っている隊士がほとんどだ。
一ちゃんが実は間者だったとか、伊藤さんが暗殺を企てていたから先手を打ったとか、話せたら楽かもしれないけど簡単には話せない。
特に暗殺云々はね。
あーだこーだと話しているがなにも説明出来ない以上、行動で示すしかないのだ。
「まあ、二人の事はどうにでもなると思いますよ」
突然話し出した桜に、視線が集まる。
「一ちゃんも平助も、実力や人望はある。新選組の為に動いている姿を見せ続ければ、今はごちゃごちゃ言ってる皆も黙りますよ」
ね?と笑った桜に、近藤は微笑んだ。
「そうだな。雪風君の言った通りだ。まずは行動で示さないといけないな」
そう言って近藤は斎藤と藤堂を見る。
二人は視線を受けて頷いた。
「改めて、これからもよろしくお願いします」
「お願いします!」
頭を下げた二人に、面々は優しい表情を浮かべた。
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