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薄桜鬼

「ほら二人とも、早く早く!」

「おい、野村!少しは落ち着けよ」

「嫌だって見ろよ。これだけ店が出てるんだから…楽しくもなるだろ」

そう話す二人に笑みを浮かべていると、それに気付いた相馬が頬を掻いた。

「その…なんか、すみません」

「え?そんな謝ることしてないんだから気にしないでよ」

野村に誘われて新年の参拝に来た帰り、沢山並ぶ屋台を見ながら帰路に着いていた。

「いやぁ、野村君は若いなぁ…私が何か買ってあげようか?」

「え?まじすか!?」

「馬鹿、野村!そこは断るところだろうが!」

「相馬君も、何かいる?」

「えっ?!いや、俺は…」

目を輝かす野村とは対照的に、困惑した様子の相馬に微笑む。

「ほら、遠慮せずに」

「じゃあ俺は、甘味をお願いしてもいいですか?」

「勿論、これで足りるかな?」

「じゅ、十分っす!買ってきますね!」

そう言って去って行った野村を見送ると、相馬を見る。

「で?相馬君は何がいい?」

「お、俺は……」

相馬は少し考えた後、そっと手を握った。

「二人で少しだけ、歩きたいです」

その言葉に目を丸くすると、頷いた。

「いいよ、行こっか」

野村にごめんねと心の中で謝罪をすると、二人でその場を離れた。



サクラミチ〜相馬と野村と一緒に〜
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