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薄桜鬼

「おや?」

「ん?」

「これは…」

「三人とも、来ましたね」

その言葉に、目の前の山南、坂本、伊庭はなんとも言えない表情を浮かべた。

同時に参拝の誘いを受けていたのだが、勿論誰かを断るなんて出来ない。

だって後が面倒なことになりそうだし…

だからこそ、同じ時間に三人と約束をしたのだ。

「ふむ…どういうことかご説明頂けますか?」

「おまんと二人で初詣に行けると思ってたんやけんど?」

「あの、これは一体……?」

「いやー、実は同時にお誘いを受けてね?断るのもちょっとなぁと思ったので、皆で行けばいいのでは?と思いまして」

あはは…と笑いながら告げると、三人とも「そう来たか…」と頭を押さえた。

「えっと…駄目でしたか?」

そう問いかけると、坂本は笑いながら肩を抱き寄せた。

「おまんがしたいようにしたらええ」

「龍馬さん…」

「私も、問題ないですよ。それより、この手は離してもらいましょうか」

そう言いながら坂本の手を引き剥がす山南に苦笑していると、手を引かれた。

「どうぞ、こちらへ」

「ありがとう、八郎」

笑顔を浮かべながらもどこか黒さを含む山南の笑顔に困っていると、伊庭が助けてくれたのでありがたくその場から少し離れる。

「…本当はこのまま貴女と二人で行きたいところですが…後が怖いので少し待ちますか」

「そうだね」

伊庭と顔を合わせて笑い合うと、坂本と山南を見て溜息を吐いた。


サクラミチ〜山南、坂本、伊庭と一緒に〜
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