海賊
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「今日のご飯はなんじゃろなー!!!!」
「おらよ!!!」
騒がしく入ってきたキミトキが席に座るとサッチはドンと皿を置く。
「お、サッチお手製焼飯だな!!」
「おうよ!!その、お前が昨日食いたいって言ってたからよ…」
ゴニョゴニョと話すサッチに気付かず、キミトキは焼飯を食べ進める。
「サッチ、お代わり!」
「任せろ!」
すぐに食べ終わり、皿をサッチに渡すと山盛りに焼飯が盛られる。
「サッチ、おれも~」
「悪いなエース、キミトキの分しかねェ」
「はあ!?」
いつの間にか食堂に来ていたエースがぶーぶー文句を言うがサッチは気にせず、ニコニコとキミトキを見つめる。
「ほんと、幸せそうに食うな…」
「まあ、幸せだかんな」
キミトキは焼飯を掻き込んでいた手を止めるとサッチを見た。
「こんな美味い飯食って幸せにならない奴なんていないと思うぜ?」
ニカッと笑うキミトキにキュンとしてサッチは自分の胸を抑えた。
(くぅぅう!!!相変わらずカッコカワイイ奴だぜ…!!!!!)
ドキドキする胸を抑え悶えている内にキミトキは焼飯を食べ終え、立ち上がっていた。
「さて、偵察に行ってきますか!!!」
「偵察?」
「おう!エースと次の島の偵察」
暫くサッチの飯食えねぇな…と落ち込むキミトキの肩をサッチは掴む。
「いつ出発だ?」
「あと1時間くらいだな」
「よし、1日分しか無理だが弁当作ってやる」
「本当か!!!」
嬉しそうに笑うキミトキにキスしたかったが生憎まだそういった関係ではないので我慢する。
「楽しみにしてろよ!!」
そう言うとサッチは慌てて厨房へ向かった。
キミトキが偵察に向かって一週間経った。
なんの音沙汰もなくサッチは気が気でなかったが、今すぐ飛び出したいのを我慢し厨房で料理をしていた。
「サッチ隊長!!エース隊長達が戻りやしたぜ!!!」
「なに!?」
サッチは包丁を投げ出し走り出した。
後ろで誰かが「危ないだろ!!」なんて叫んでたがそんなの知るか。
ダッシュで甲板に向かうと既に皆集まっており、二人を囲んでいた。
「キミトキ!!!」
「ん?お、サッチ!!ただいま」
ニカッと笑うキミトキに抱きつくと、なんなく受け止めてくれるその胸に頭をぐりぐりと押し付けた。
「お?何だ何だサッチ、熱烈な出迎えだな」
ワッハッハと笑うキミトキはサッチの背中をばんばんと叩くと、ヘラリと笑った。
「サッチ、腹へった」
厨房フル活動でキミトキとエースの飯を作る四番隊。
サッチはキミトキの飯を作っては健気に運んでやり、食べてる様子をニコニコ眺めているもんだから、隊員に「隊長も手を動かして下さい!!」「エース隊長の勢いがヤバイんですけど!!?」なんて言われるが全部無視していた。
今はキミトキとの時間が大切だ。
「ん~やっぱりサッチの飯が一番だな~」
「当たり前だろ!」
ニッと笑うと、サッチはキミトキの手を掴んだ。
「一生お前の為に作るからな」
「ん?ありがとよ。一生同じ船に乗ってんだもんな」
いやーオヤジの船から降りるなんて考えられねえ、というキミトキにそうじゃねーよと言いたかったが、今はこれでもいいかと思い、お代わりを作るために笑いながら立ち上がった。
END