サクラノツヅキ
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遠い遠い昔
現代から100年以上も前
そこに私は“生きていた”
付喪神とやらに声をかけられ、某乙女ゲームの世界の彼ら…新選組を助ける為、私は所謂転生というものをした。
目まぐるしい日々を駆け抜け、全てが終わった後は余生を里で終え、新たに生まれ変わった。
そこは自分のよく知った現代で、懐かしい文明に胸が躍った。
自分は帰ってきたと思ったのだ。
だが、何かおかしいと気付いたのは生後半年の頃だった。
「私達の可愛い子」
そう言って自分の頭を撫でる母親は、よく見知った顔だった。
(母様……?)
「不思議そうに見ているね」
そう微笑む父親は、あの日に死んだ父親で。
「“今度”は、お前の花嫁姿を見るまで何がなんでも死なないからな」
その言葉に、ハッとした。
自分は、この両親は、過去に生きた幕末時代の記憶を持ったまま生まれ変わったと。
そして、自分は…自分が以前に転生した某乙女ゲームの学パロ作品である世界に来た可能性があると。
勿論、成長してから周りを確認しないとわからないが。
とほほと思いつつ、自由に動かない体をもごもごと動かして二人を見る。
(とりあえずの目標としては…)
両親と平穏に生きる、もしパロディの世界だとしたら…某学校には入学しない、今回こそヒロインポジションは千鶴になるように事を進める。
これだな!
「あら、笑ったわ」
気合を入れたのを笑ったと思った母親が、嬉しそうに微笑む。
兎にも角にも関わらない、記憶は持っていない振りを徹底しよう。
そう、心に強く誓った。
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