花魁少年
名前変更
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「それでは、お気をつけて」
「あぁ」
杏はニッコリと微笑んだ。
「またね、杏」
馬に乗る志々雄とその後ろに乗っている由美は別れを告げると、そのまま去っていった。
(…宗次郎は?)
今朝は由美が1人でこの遊廓に来た。
志々雄が帰る、となっても宗次郎は現れなかった。
(何か用事でも頼まれたのかな?)
不思議に思いながらも風呂に入る為、遊廓の中に戻って行った。
「あ、お帰りなさい」
「…何してんだ?」
部屋に戻ると、ニコニコと笑いながら宗次郎が部屋の真ん中に座っていた。
こうやって部屋にいるのは、別に今回が初めてではない。
「志々雄様は帰ったぞ?」
「いいんですよ、今はなにも用事がないんで」
「ふーん…」
紅杏は髪を結う為に紐を探し始める。
「あ、紐をお探しですか?」
「そう」
「なら、ここにありますよ」
宗次郎は紐を見せた。
「ん、ありがと」
受け取る為に近寄ると、グイッと腕を引かれた。
「うわっ!」
腕を引かれた紅杏は宗次郎に組み敷かれる体制になった。
「なに、抱きたい訳?」
「はい」
爽やかな笑顔で言った彼に対し、紅杏はニヤリと笑った。
「その為に残ったのか?」
「いえ、僕は貴方といたいから残ったんですよ。いつも言ってるじゃないですか」
ふーん、と返事をしながら、彼から紐を奪い、自分の指に絡める。
「とりあえずさ…」
「はい?うわっ…!!」
再び口を開いた紅杏は宗次郎の胸元を掴むと瞬時に上下入れ替わった。
「俺の体を抱きたいなら、杏の時に来な」
「つっ…」
起き上がろうとする宗次郎の腹部に置いた脚に、体重をかける。
それだけで起き上がれなくなった宗次郎にニィっと笑いかけると、身に付けていた帯を解き、それで彼の腕を縛った。
「なにを…」
「紅杏の時に俺を抱こうとしたらどうなるか、教えてやるよ」
杏の時ならまだしも、紅杏の時に盛るか…
紅杏はそう思いながら、ペロリと舌なめずりをした。
「ん、んん…」
日の光が射す部屋の中。
そこは濃密な空気が漂っていた。
「どうだ、宗次郎。ここか?」
「んんっ!」
腕を縛られ、自由のきかない体を、宗次郎は紅杏の膝の上で弄ばれていた。
紅杏の長い指は紐を結ばれ、射精を禁じられた宗次郎自身を這っている。
「遊廓の人間の技がタダで味わえるなんて、滅多にないぞ?」
「あ、やっ…あぁ!!」
宗次郎は生理的な涙を流しながら、喘いでいた。
「達したくて、仕方ないって様子だな」
俯せの状態の彼の背に指を這わす、それだけで彼はビクビクと体を震わす。
「もう、出したいか?」
「出した…い、です」
涙を流しながら言う宗次郎をあやすように、起き上がらせる。
向かい合うように座らせると、宗次郎の涙を拭ってやった。
「少しでも俺を抱こうなんて馬鹿な事考えたよな?」
「は…い」
「言う事は?」
「ごめ、ん…なさい」
紅杏はその言葉にニィっと笑った。
「ま、俺を抱こうと考えたのは今回だけだったみたいだし、許してやるよ」
そう言って赤い頬をペロリと舐めると、宗次郎の体を一瞬持ち上げ、自身を埋めた。
「う、あぁああ!!!」
「くっ…キツいな」
いくらか慣らしたとはいえ、宗次郎のソコはキツかった。
「ほら、捕まって」
腕を結んでいた帯を解くと、自分の背中に回させる。
自由になった腕で自身に結ばれた紐を解く、という事も出来ないまま、宗次郎は揺さぶられた。
「紅杏、さん…」
「あ?」
宗次郎は名前を呼んだかと思うと、紅杏に唇を寄せた。
「!!」
「ん、ふぁぁあ!!」
紅杏が宗次郎の自身に付けた紐を解いた為、口付けは一瞬だったが、宗次郎は幸せそうに笑っていた。
「………」
隣で寝息をたてる宗次郎の頬をスッと撫でる。
一瞬身じろぎしたが、深い眠りについているのか、彼は起きなかった。
「杏様、お客様が参られました」
「今行きます」
既に時刻は夜の時間帯になっており、紅杏は杏へと変わり、花魁として部屋を出て行った。
END 逆転