各々の幸せ
名前変更
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ver 四乃森蒼紫
「ほっほっ…可愛いのう」
「ほんと!なんでこんなに可愛いの!」
きゃいきゃいと騒ぐ翁や操に囲まれて苦笑しているのは紅杏だった。
変な言い方になるかもしれないが、ここ葵屋で紅杏は主人の妻として迎え入れられていた。
ノリのいい翁や操に加え、すっかり町人達にも迎え入れられた紅杏は今や人気者だった。
「紅杏ちゃーん!お茶頂戴」
「はいはーい」
翁と操からするりと抜け出し、客のもとへ向かう。
「ほんと、紅杏ちゃんは何時見ても別嬪やなぁ…」
「ありがと、おっちゃん。でも男だから、可愛いよりは格好いいの方がいいんだけどなぁ…」
ニコリと愛想を振り撒くと、違うテーブルからも声がかかる。
「紅杏ちゃーん!」
「はーい!」
くるくると動き回る紅杏を、翁と操は顎に手を添えて見ていた。
「ふむぅ…」
「人気者だねぇ…」
「そう言ってないで、お前らも働け」
後ろから声をかけられ、2人が振り返ると怖い
「げっ!!」
「あ、蒼紫様!?」
2人の声に紅杏は気付き、蒼紫に視線を向けた。
「蒼紫!お帰りなさい!」
パタパタと駆け寄り蒼紫にニコリと笑った。
「…今帰った」
蒼紫は紅杏の持っていた盆を取ると、操に渡した。
「後は任せた」
「は、はい!」
操が慌てて返事をすると、蒼紫は紅杏の手を取り私室へ向かった。
私室へ着くとキュッと抱き締められる。
「あまり…他の奴に愛想を振り撒くな」
「ククッ…わかった。なるべく善処する」
そっと抱き締め返すと、暖かい口付けが降ってきた。
(蒼紫)
(あぁ…)
((とりあえず覗き魔を痛め付けるか))
四乃森END