新生活
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「いいですか?この赤い方を捻ればお湯が、青い方を捻れば水が出ます」
下に向けたシャワーヘッドからお湯と水を出し、加減を調べる。
「適当に捻って湯加減を調節してください。で頭を洗うんですが…片倉さん、手本に洗わしてもらっていいですか?」
「あっ?構わねえ」
失礼します。と一言入れて背後に回る。
「上向いて下さい」
「ああ」
小十郎が上を向いたので、髪に湯をかける。
「髪はシャンプーとリンスで洗います。はじめにシャンプーです」
隣で話を聞く政宗をたまに見つつ、シャンプーを手にし、小十郎の髪を泡立てる。
「こうやって泡立てながら髪の汚れを落としていきます」
ワシャワシャとよーく洗った後、シャンプーを流す。
「次はリンスです。シャンプーと違って泡立ちません。適当に髪に馴染ませて、軽く濯いだら髪は終わりです」
小十郎は顔を洗い、朱雀を見る。
「もう終わりか?」
「いえ、まだ体が残ってますよ。体を洗う時はこのタオルにこのボディーソープを付けて泡立てて、洗って下さい」
「これか?」
「それです。では、後はわかると思いますので、俺はもう戻ります」
では、と言い、リビングに戻る事にした。
「………」
リビングに戻ると、なんとも言えない雰囲気が漂っていた。
ソファーに座るも、そわそわしている幸村。
そんな幸村の横で辺りを見渡す佐助。
呑気に座る慶次。
「あの~」
「ん?なんで御座ろう」
「この紅の着流しが真田さん、迷彩が猿飛さん、黄色が前田さんのです」
「おっ、ありがとうね」
慶次はへにゃりと笑って着流しを受け取った。
「Hey!上がったぜ」
リビングの入口を見ると、着流しを着て肩にタオルをかけた奥州組がいた。
「では、次に真田さんと猿飛さん風呂どうぞ。伊達さんと片倉さんは風呂の説明お願いします。文句は聞かない」
何か言いかけた4人は朱雀の言葉に口を閉ざした。
「そうそう、真田さんは髪をある程度拭いてから戻ってきて下さい。では、いってらっしゃい」
4人を追い出し、ふぅ…と溜息を吐くと視線を感じた。
「なにか?」
「なあなあ、俺の名前は前田慶次って言うんだ」
「知ってます」
「ならさ、慶次って呼んでくれよ。その堅苦しい敬語とかも止めてさ」
ニコニコとこっちを見てくる慶次に、頬を緩めた。
「分かった、慶次」
「そうこなくっちゃ、朱雀」
慶次も嬉しそうに笑った時、奥州組が戻ってきた。
「神無月、一応説明したが」
「ありがとうございます。水でもどうぞ」
冷蔵庫から水を取り出し、コップに注ぐ。
疑り深い目で見てくる彼等に溜息を吐く。
「疑うのは大いに結構だが、一々疑ってたらきりがない。そんなに気になるのなら俺が毒味するが?」
「いや…いい」
そう言って先に水へ手を伸ばしたのは政宗だった。
それを見た後、ソファーに腰掛けて先程持ってきていたドライヤーをセットする。
「現代の湯浴みは素晴らしいでござるな!!すぐに湯が出るで御座る!!」
「もう旦那、わかったから落ち着きなさいよ」
興奮気味の幸村と、その後ろから少し呆れた様子の佐助が戻ってきた。
「とりあえず水でも飲みますか?」
「いただくで御座る!」
「ちょっ、旦那」
「さっきも言ったんだけど、一々毒が入ってないか気にしてたらキリがない。猿飛さんは忍だから疑うのも無理ないが、とりあえずこの家のもんに毒は入ってない」
コップに水を注いで一口飲み佐助を見る。
「どうぞ」
「…ありがと」
自分が飲んだ水を佐助に渡す。
その後に幸村にも水を渡した。
「さて、片倉さんにはお手数かけますが、慶次に風呂の説明お願いします」
「わかった。行くぞ、前田」
「あいよっ」
小十郎が歩き出すと、それに続いて慶次も歩き出した。
「じゃあ、真田さんはこっちにきて座って下さい」
自分の前をポンポンと叩き、幸村を呼ぶ。
「あいわかった」
トコトコと歩いてきた幸村は朱雀と向き合うようにちょこんと座った。
「あの…頭の位置的にはベストポジションなんだが、悪いけど後ろ向きに座ってほしいんだが」
「そ、そうで御座ったか!!これは失礼した」
くるりとに幸村は座り直し、朱雀に背を向けた。
「じゃあ、ドライヤーします。音が鳴って熱風が出て来ますが危険な物ではないんで」
そう説明してからドライヤーの電源を入れた。
「ぬっ!?」
髪に手を入れた瞬間、幸村は声を上げた。
「なにか?」
「いや、少し驚いただけで御座る」
背筋をピンと伸ばして緊張した様子の幸村。
特に気にするわけでもなく、そのままドライヤーで髪を乾かしていると、幸村の頭が揺れているのに気づいた。
「………」
無言でこっちを厳しい表情で見ていた佐助もそれに気付いたらしく、さらに表情が険しくなる。
「旦那に何したの?」
「別に、なにも」
佐助の方を見ずにドライヤーの電源を切って幸村の肩を叩く。
「真田さん、終わりましたよ」
「…ぬっ!!某としたことが、あまりの気持ちよさに眠っていたで御座る」
「え?気持ちよくて寝てたの?てっきり何かされて眠ったのかと…」
佐助の言葉を聞いて、幸村は眉間に皺を寄せた。
「佐助、世話になるのに神無月殿を何時までも疑うのはやめぬか」
「あのね旦那、俺様は疑うのが仕事でもあるでしょ」
互いに睨み合う2人に、1つ溜息。
「別に、俺は何も気にしてないんで」
「しかし…!!」
幸村がなんとも言えない表情でこっちを見た時、リビングの扉が開いた。
小十郎が戻ってきたからだ。
「片倉さん、説明ありがとうございました」
「別に構わねえよ」
「さて、ご飯なんだが…手っ取り早く鍋でもしようと思ってるので、片倉さんと猿飛さんに手伝ってほしいのですが」
「わかった」
「ハイハイっと」
「伊達さんと真田さんはテレビでも見てて下さい」
テレビの電源を入れ、2人にリモコンを渡す。
「テレビの説明はしたから、使い方はわかりますよね?」
「あぁ」
既にテレビに釘付けの政宗が返事をした。
それを見た後、2人に向き直る。
「では、キッチン…台所にでも行きますか」
と言っても、すぐそこにあるのだが。
とりあえずキッチンに立つと、道具の説明をする。
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