新生活
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車を走らせ辿り着いたのは、とても大きな屋敷。
本来は絶句ものなのだが…4人はそれどころじゃなかった。
「おい…大丈夫か?」
ぐったりする4人に声をかける。
はじめて乗った車に、少し酔ったようだ。
それを見ながら、玄関の鍵を開けると扉を開く。
「………」
が、開いた扉を閉める。
「どうした?入らねえのか?」
「嫌、入るけど…先に聞きたい事がある」
「何で御座ろう?」
不思議そうにこっちを見る幸村を、青ざめた表情で見る。
「そっちの世界に…黄色の派手な服着て長い髪の毛を上で結ったガタイのいい男はいるか?」
「…1人いるな」
そう呟いたのは小十郎で、それを聞いた朱雀は溜息を吐いた。
「コレ…誰?」
扉を開き、玄関で呑気に寝てる男を4人に見せる。
「前田の旦那じゃん」
「前田…って事は前田慶次か」
朱雀はスッと彼を見た後、片足を上げ。
「邪魔」
「ぐほっ!!」
彼の腹を踏みつけた。
「なっ!?」
小十郎と幸村が驚く中、政宗と佐助は面白そうにその様子を見ていた。
「な、なんだい!?」
ガバリと起き上がった慶次を朱雀は見下ろしていた。
「アンタ、邪魔」
「そりゃ悪かったなぁ…って、此処はいったいどこでい。何で奥州の2人と甲斐の2人がいるんだい?というか、あんたは誰だい?」
マシンガントーク、とまではいかないが、ベラベラ喋る慶次に頭が痛くなる。
「とりあえず、あんた黙ってそこを退いてくれ。俺は中に入りたいんだ」
「おっ、悪いねぇ」
慶次は申し訳なさそうに眉を下げ、すっと立ち上がった。
「前田さん、あんたもついておいで。中で説明してやる」
靴を脱ぎ、家の中に入っていく。
ゾロゾロと同じように入ってくる彼等をちらりと見た後、1つ溜め息を吐いた。
「さて…」
とりあえずリビングに移動し、後ろの5人を見る。
「とりあえず、お腹すいてるか?」
「まぁ、それなりに」
「某はもうお腹ペコペコでござる!!!」
そう…と呟き、キッチンへ向かう。
とりあえず、ツアーなどは回ってなかったのである程度食材はある。
(鍋でもするか)
米も今から炊けば後で雑炊なりなんなり出来る。
食材を確認し終わった後、5人の所へ戻る。
5人にしてみれば珍しい物ばかり、辺りをキョロキョロと忙しなく見渡す5人に声をかける。
「とりあえず、その姿じゃ目立つので着替えでもとってきます。とりあえずソファーにでも座って他の人は前田さんに今の状況を説明しといてください。後、この世界に戦はないから武器を持つのは禁止。殺しも勿論。だから互いに殺気出し合うの止めてくれ」
では、と言い朱雀は部屋を出た。
二階に上がり、長い廊下の奥の部屋。
衣装部屋と化してるその部屋に足を踏み込む。
(どれがいいかな)
夜だし、後は寝るだけなのでTシャツとかでいいと思うのだが…
クローゼットを漁っていた手を止め、部屋の奥を見た。
カーテンで仕切られたその場所を開くと数枚の着物。
「猿飛さんはやっぱり着流しとかの方がいいよな」
「そうだね、着慣れた服の方がいいかな…あっ」
呼び掛けに言葉が返ってきたため、やっぱりと溜息を吐いた。
「なに?俺様がいることに気付いてたの?」
「まさか、俺が気付く筈ないでしょ。鎌かけただけです。忍の貴方なら多分ついてきてるだろうと思って」
背後にシュタっと降り立った佐助に振り返らず、それぞれのサイズを考えながら着流しを手にする。
(それにしても…)
上手い事着流しの色が揃っている。
蒼・茶・紅・迷彩・黄
確かに着流しは持っていたが、こんな色は持ってなかった。
(アイツの仕業か)
自称神を思い浮かべ、溜息を吐き、カーテンを閉めた。
「俺は下に戻るけど」
「なら、俺様も戻ろうかな」
ニコリと笑う佐助の横を通ろうとしたとき、腕を掴まれた。
「世話になるからあんまりこんな事言える立場じゃないの分かってるけど、あえて言わせてもらうわ。変な真似したら、あんた殺すよ?」
忍として、主を守る為の言葉。
分かっていながらも少しムッとして腕を振り払う。
「ご安心を、貴方達に生活のいろはを教えたら俺はさっきのマンションに戻るんで」
さっさと部屋を出て扉をパタンと閉めた。
「そんな表情も出来るんだ」
ニィと佐助は笑った後、黒い煙を残して消えた。
「………」
リビングに戻り、軽く驚く。
ソファーの上に正座で座る5人組。
「あのさ」
「Ah…?」
「ソファーってこう座るんだけど」
手本として、自身も座る。
「正座するんじゃなくて、足は伸ばして、後ろにもたれて楽にして」
同じように座る彼らを見て、ふぅ…と息を漏らした。
「中々いい座り心地だなぁ」
「ほんとほんと、俺の家にも欲しいねえ」
ワイワイと騒ぎ出す者達を見て、立ち上がる。
「さて、座り方も分かった所だし、とりあえず先に風呂入ってもらえますか?」
「風呂とはなんだ」
「昔で言う湯浴みだ。とりあえず今日は俺が風呂の説明するので、一番はじめに伊達さんと片倉さん。次に真田さんと猿飛さん。最後に前田さんの順で入ってもらいます。文句は言わせない」
そこまで言って面々を見る。
「片倉さん、何か言いたい事でもあるんですか?」
「あぁ…自分が仕えてる主と一緒に入るのは気が引ける」
「今日だけなんで、我慢して下さい。それにこの世界には身分なんて無いに等しいし」
では、ついて来て下さい。
そう言うと、政宗と小十郎の着流しを手にし、後の着流しはひとまず置いといて、風呂場に向かった。
脱衣所に入り、着流しを小さな籠にタオルと共に入れる。
「さてと、今着てる服などは全部こっちの大きな籠に入れて下さい。綺麗にしてまた置いとくから。俺は先に中にいるんで、服を全部脱いだら中に入ってきて下さい」
ガラガラと扉をあけ、風呂場に入る。
湯をためるのは時間がかかるため、今回はシャワーだけ入ってもらう。
「Hey!!随分広いな」
ズボンの裾を折っていると、腰にタオルを巻いた2人が入ってきた。
「纏めて5人入る事も可能だけど?」
「それは勘弁してくれ」
眉間の皺を深くしながら、小十郎は言った。
「さて、とりあえずその椅子に座って下さい」
大人しく座る2人を確認し、シャワーヘッドを手にする。
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