我が家にようこそ
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時間も昼過ぎ、飯を作ろうと思ったがフと思った。
「料理…出来る奴」
朱雀の言葉に皆視線を反らす。
ふぅ…と溜め息を吐くと、朱雀はリビングを出た。
「おや?どこに行くのでしょうか?」
「さあ…家を出る訳ではなさそうだけどね」
光秀と半兵衛はそう言葉を交わし、三成はジッとリビングの出入口を見ていた。
戻ってきた朱雀の手には冊子があった。
「それはなんだい?」
「小十郎と佐助が俺にくれた料理本」
自分達がいずれ帰ってしまった時の為に、毎日書いてくれてた。
パラパラと冊子を捲ると達筆な字で様々なレシピが書かれていた。
「これがあれば…なんとかなるだろ」
少し不安そうに朱雀が呟いた。
なんとか料理を作り上げ、平らげた。
作る工程は危ういものであったが、それを感じさせないぐらいに味は良かった。
他の3人も凄く満足そうだった。
「さて…あんたら、部屋どこにするか決めて来いよ」
「私は朱雀さんと同じでいいですよ?」
やたらと絡んでくる光秀に溜め息が出る。
「あけ…光秀、俺は断る」
「つれないですね…」
悲しそうに目を伏せた光秀に何も知らない人なら見惚れるだろう。
だけど朱雀は数時間でこの明智光秀が狂気的な変態だと考えた。
だから、その仕種も胡散臭く見える。
「さっさと決めて来い。あぁだけど半兵衛は俺の部屋の近くで頼む」
「何故だい?」
睨み付ける三成に見えないよう、自身の胸を指差す。
半兵衛は少し目を見開き、力なく笑った。
「まぁ…家主様のご指名なら近くの部屋にするよ」
「半兵衛様!?」
「心配なら石田さんは半兵衛の隣の部屋にすればいい」
朱雀の言葉に三成は口を閉ざした。
「部屋は夕食の時にでも教えてくれ。夕食までは自由にしてくれ」
「自由?」
「…こっちでの生活は頭に入ってるんだろ?外出は今日は控えてもらうが、それ以外は自由にしてもらって大丈夫だ」
俺は部屋にいる。
そう言って朱雀はリビングを出た。
「失礼するよ」
ノック音の後、扉が開かれる。
「普通は返事をしてから開けるものだ」
「それは悪いね」
ちっとも悪びれた様子のない半兵衛の後ろには三成が立っていた。
「まぁ…どうぞ」
部屋に招き入れ、部屋に置いてあるソファーに2人を促す。
「どうした?」
「貴様、半兵衛様の病気の事を知っていたのか」
忌々しげに言った三成に朱雀は少し驚く。
「やはり病気持ちか」
「どうして解ったんだい?」
至極不思議そうに尋ねてくる半兵衛をチラリと見る。
「仮面と眼鏡を取り替える時、呼吸音の乱れを感じた。俺は医者でも何でも無いが音には敏感だ」
「呼吸音を聞き分けた…と?」
「どうとってくれても構わない」
朱雀は溜め息を吐きながら言った。
「ところで…話は変わるのだけど」
「?」
「どうして三成君にはそんな態度なんだい?」
「警戒心剥き出しの奴と馴れ合う趣味はない」
きっぱりと言うと、おや?と半兵衛は片眉を上げた。
「三成君は警戒はもう解いてるよ。ただ…」
「半兵衛様!!」
「ただ…照れてるだけだから普通にしていて構わないよ」
半兵衛の言葉に朱雀は目を丸くし、三成は顔を真っ赤にした。
「…そうか」
朱雀はフと笑い、三成の頭を撫でた。
「改めてよろしく」
「フン…!///」
顔を背けた三成に笑みを深めた。
END 部屋決め