我が家にようこそ
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リビングで寛いでいるとテレビが突然付いた。
「やあ、久しぶり」
テレビの画面には例の自称神様が映っていた。
「何の用だ」
「ねぇ、いつもより静かじゃない?」
言われてみれば、至極静かだ。
アイツらが家にいるときはここまで静かにならない。
「何をした」
「引き取ったんだよ、今まで預けてた8人は」
ありがとね、と笑った後、指を立てる。
「でね、違う人物を預かって欲しいんだ~」
「………」
頭が痛い。
朱雀は顔を顰めた後、画面の中の少年を見た。
「今までみたいに騒がしい奴等じゃないからさ!物分かりもいいし!」
少年がフフッと笑った時、彼は横に吹き飛ばされて画面には預かっていた8人が映った。
「朱雀!!!」
「お前ら…」
「断れ!!次の奴等は危険だ!!!」
画面の中で騒ぐ皆をジッと見ていると、首筋にヒヤリとしたものが触れた。
「酷いですねぇ…危険だなんて」
声と手の主は朱雀の背中に凭れながら笑った。
乗り出すように出てきた顔をチラリと横目で見ると白く長い髪の隙間から切れ長の目が見えた。
(色も厚さも)薄い唇の端が上がり、目が合う。
「そう思いませんか?朱雀さん」
「てめぇ…離れやがれ明智!!!」
(明智…織田の明智か?)
これが?と思ったが彼らは‘パラレルワールド’から‘トリップ’してきているのだ。
姿形を気にしていたらキリがない。
「って、朱雀ちゃんも落ち着いてないでよ!!!」
「あ、あぁ」
佐助の言葉に首に回る腕を外そうと伸ばした腕を捕まれる。
「そこまで怒る猿飛君を見るのは久方ぶりだね」
新たに聞こえてきた声に視線を動かすと柔らかそうな白い髪に顔に紫の(バツ印のような)仮面をした男。
「竹中、その手と明智を引き剥がさぬか」
「この男がそんなに大事なのかい?」
「あったりめーよ」
返事をしたのは元親だった。
朱雀は2人の人物を引き剥がすとテレビの横に立った。
ソファーに凭れる男、立ち尽くす男の後ろに大きな荷物と共に正座をする男もいた。
(…白い)
今回いるのは3人だけのようだが全体的に白い。
先ずは肌、そして髪(一人は銀だが)
約一名は服装も白い。
「次はこの3人か?」
「うん♪その大きな荷物に着替えとか入ってるよ。その他必要な物も揃ってる筈だよ」
じゃあよろしく、と消えたテレビ。
朱雀はポリポリと頬を掻いた。
「こっちの事はどれくらい知ってる?」
「帰った彼等とは同じくらい知ってますよ」
「そうか…じゃああんたらの名前聞いてもいいか?」
朱雀は彼等を見た。
「私は明智光秀ですよ」
フフッと笑う。
「僕は竹中半兵衛」
彼はほらっと座る男の背を叩く。
「私は…石田三成、だ」
なんとも特徴的な髪型の彼はこちらを睨みながらそう言った。
「明智さんに竹中さんに石田さんだな」
「どうぞ、光秀と」
敵意も警戒心もない彼は笑った。
それを無視すると、半兵衛に近付いた。
「竹中さんは「半兵衛でいいよ」
「………竹中さんはソレ外せますか?」
半兵衛は溜め息を吐き、チラリと三成を見た後ソレと言われた仮面を外した。
「勿論外せるよ。違和感はあるけどね」
目元に手をやる半兵衛を見た後、朱雀はテーブルの上に置いてある小さなケースを取る。
買ったばかりだがまぁいい。
開けると紫のグラデーションが鮮やかな伊達眼鏡。
「仮面の代わりにこれを」
「ありがとう」
それを付けると半兵衛は笑った。
「とりあえず…着替えといきますか」
荷物へと手を伸ばすとギロリと睨まれる。
「俺に触られたく無いなら自分から行動起こしてくれ」
「言われなくても…!!」
「三成君」
半兵衛が声をかけると彼は落ち着き、荷を広げる。
「あ~朱雀君」
「?」
「三成君は少し拗ねてるだけだから、気にしないでくれるかい?」
「拗ねてる?」
「彼は随分と豊臣に心酔しておりますからね。親しい大谷殿とも一緒に来れなくて寂しいのでしょう」
楽しそうに笑った光秀を三成は睨んだ。
しかし、彼が何か言うより早く朱雀はフと笑った。
「別に拗ねてもいいんじゃねぇか?俺だって大事な仲間や心酔する人から離されたら、それが少しの間だとしても…嫌だし、拗ねちまう」
そう言った朱雀を3人は驚いた様に見た。
「ふん…暫く世話になる」
少し頬を赤くしながら言った三成に、少し笑った。
END 新たな来訪者