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「えっと…はじめまして?」
玄関先で首を捻るのは朱雀の仲間の颯。
何故首を捻っているのかといえば、同じく玄関先で固まる5人のせいだった。
今思えばこの5人、人とこうやって接するのは朱雀以外初めてだったのだ。
「え、えっと…はじめまして」
はじめに正気に戻ったのは佐助だった。
「あ、キミが佐助君だね。で、貴方が小十郎さん?」
「あ、あぁ…」
「良かった良かった。朱雀に、とりあえず佐助と小十郎は大人だから大丈夫だとかどうたらこうたらって話聞かされてたんだよねー」
ニコニコ笑う颯は後の3人に目を向けた。
「って事は…キミが政宗君で、幸村君で、慶次君だね」
うんうん、と颯は1人納得すると、5人に背を向けた。
「さて、ライブ会場に向かおうか」
颯の言葉に、5人は頷いた。
「えっとね~軽く僕の自己紹介ね。名前は水無月颯。気軽に颯って呼んでね。で、朱雀と一緒にLuciferのボーカルやってますっ♪」
鼻歌を歌いながら運転する颯。
5人はすっかり颯の柔らかい雰囲気に慣れて、気軽に話せる仲になっていた。
「Luciferってのがあんたらのバンドの名前か?」
「そ~だよ~あ、朱雀からバンド名聞いてなかったんだね」
英語の分かる政宗と颯が主に会話をし、後の4人はその話を聞いていた。
「有名バンドLuciferのベースのSuzaku」
上手く運転しながら雑誌を開き、朱雀の載っているページを開いた。
「そんな彼は自分が有名人だという自覚もなく、呑気にアマチュアバンドのライブに出演」
まぁ、僕もするんだけどね~と颯は笑った。
「すげぇ…」
「格好いい…」
自然と出た言葉に、颯は誇らしげに笑った。
「僕らメンバーの中でも一段と輝いてるしね」
フフッと颯は笑った。
「あ、そろそろ着くよ」
颯が車のスピードを緩めながら言った。
車を止めて皆が降りると颯は目の前の建物を見上げた。
「ここがライヴハウス。中で僕達の後輩がライヴしてて、それに朱雀が特別出演してるんだ」
ちゃんと付いてきてね~と言って颯は歩き出した。
中に入ると5人が感じた事のない熱気で包まれていた。
雰囲気に圧倒され、立ち尽くしていると、颯の声が5人の耳に入る。
「丁度今朱雀が演奏してるよ!!!」
言われた通りにステージを見ると、顔は笑っていなくとも楽しそうに演奏している朱雀がいた。
熱気で暑くて汗を流し、髪を振り乱し、それでもベースを弾く朱雀。
5人は釘付けになった。
その後もギター、ドラム、更にはヴォーカルもしていた朱雀を、ただ5人は魅了された様子で見つめていた。
「お疲れ様~」
「朱雀さん今日はありがとうございました!」
「いや、俺も楽しかったから」
あの後打ち上げが行われ、5人もそこへ来ていた。
政宗と幸村は現代では未成年の為酒は禁じられ、不貞腐れながらジュースを飲んでいた。
5人は5人でそれぞれその場に馴染み、各々で過ごしていた。
朱雀も後輩や仲間内に囲まれて酒を飲んでいた。
それぞれが楽しく過ごしていたが、バンドのファンだと言う女の子達が集まってきて、打ち上げに混ざってきた。
「…颯、俺達は解散しよう」
「そうだね」
後輩に先に帰る事を告げ、5人を連れて店を出る。
「もう帰っちゃうのかい?」
「家で飲みなおそう、家なら政宗と幸村にも飲ませてやれるし」
朱雀は慶次の頭を撫でると、車へ向かった。
「いやーそれにしても朱雀は何時もとだいぶ違ってたね~」
「そうか?」
「そうでござる!!!某、思わず見惚れたでござる!」
家で飲みなおしながらライヴの話で盛り上がる。
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
朱雀は微笑みながら幸村の頭を撫でた。
俺も撫でろと言う政宗の頭も撫でながら、酒を注いでくれる佐助に礼を言った。
「だけど、あんな大きな音を近くで聞いてて耳を悪くしないのか?」
「俺は平気だ。たまに耳を悪くする奴もいるが、少なくとも俺は平気だ」
心配ありがとう、と小十郎に礼を言うと小十郎は照れ臭そうに頬を掻いた。
「さて、暫くしたら俺はツアーに出るし、今夜は飲もう」
朱雀は笑って酒を飲んだ。
END ライヴ