新生活・2日目
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(こんぐらいでいいかな)
適当に見繕った魚達を籠に入れ、時計を見る。
(そろそろ帰って飯を作らないとな)
さて、奴らを迎えに行くか。
朱雀は野菜コーナーへと向かった。
「Hey、小十郎。この野菜も籠に入れな」
「はっ!!ところで政宗様、この野菜もどうでしょうか」
「Oh~それもいいな。籠に入れとけ」
朱雀は2人のやりとりを見た後、彼らに渡した籠を見た。
そこには野菜、野菜、野菜!!!
「あの~お二人さん。今日はそんぐらいにしてくんないか?」
朱雀の言葉に2人はハッとして振り返った。
「朱雀か…」
「ほら、後3人迎えに行くぞ」
そう言って歩き出すと、2人は少し名残惜しそうにしながらも付いてきた。
(次は肉コーナーだな)
確かそこには佐助がいたな。
朱雀はキョロキョロと佐助を探した。
(………)
佐助、お前もか。と思わず言いたくなった。
その籠には肉、肉、肉!!!
「……佐助、そろそろ金払うぞ」
「……!!!朱雀ちゃんか」
余程真剣だったのだろう、声をかけると佐助は驚いたように振り返った。
「こんなにお肉がいっぱいで!俺様ちょー感激!!!」
「わかったから少し落ち着け。ほら、慶次と幸村迎えに行くぞ」
子供のようにはしゃぐ佐助を見た後、酒コーナーへ向かった。
しかし、そこには慶次の姿はなかった。
(あれ…?)
不思議に思いながらもお菓子コーナーに行くと、そこにはしゃがみ込む2人の姿。
「幸村、慶次」
声をかけると2人はパッと振り返った。
「慶次はともかく…幸村はどうした?」
慶次の籠にはいくつか酒は入っていたが、幸村の籠にはなにも入っていなかった。
「そ、某…」
「ん?」
少し潤んだ瞳で見上げてくる彼を見ていると、勢い良く立ち上がり、手を握られた。
「色々な甘味があるのに感激しておりました!」
「あ、そう…とりあえず…選びなよ」
「あいわかった!」
元気に返事をし、片っ端からお菓子を入れ始めた幸村に苦笑いした。
あれからお菓子を入れ続ける彼をなんとか止め、買い物を終えて帰宅した。
皆で荷物を運び、とりあえずリビングへ戻った。
「さて…荷物の整頓をしようか」
「OK。なにからする?」
引っ付いてくる政宗を引き離し、自分達が持って帰ってきた荷物を見る。
(食材、菓子、酒、ちょっとした日用品)
少し考えた後、リビングの片隅にあるスペースを見た。
「政宗と幸村はあそこにお菓子をまとめて置くこと」
「置くってどうやって置くんだよ、darling。この袋のまま置いとくのか?」
「適当に探せば使ってない籠があると思う。それ見つけてその中に置いときな。後darlingてなんだ」
「darlingはdarlingだぜ」
にこやかな笑顔を浮かべる政宗を無視し、幸村を見た。
「頼んだぞ、幸村」
「あいわかった!この幸村にお任せを!」
「無視とは酷いぜdarling…」
気合いが入り去っていく幸村を見ていると、後ろから政宗の少し落ち込んだ声が聞こえた。
ふぅ、と息を吐くと振り返った。
「政宗にも、期待してるから。籠探しが大変だと思うけど、頼んだ」
頭を撫でてやると、政宗は満足そうに鼻を鳴らして去っていった。
(あの2人は中々扱いやすいな…)
2人を見送った後、指示を待つ3人に振り返った。
「俺達は何をしたらいい?」
「それじゃあ…佐助と小十郎は冷蔵庫に食材を入れてくれ」
「でも、だいぶあるけど。収まるかな?」
「まぁ、一般家庭からしたら大きい冷蔵庫だから大丈夫だと思うが…後は小十郎と佐助の腕次第だ」
頼んだ、と言うと2人は食材の入った袋を持って台所へ向かった。
「俺は何しようか?」
「慶次は…あそこに酒を整頓して置いとけ」
あそこと指差したのはキッチンのカウンター席。(実はリビングとキッチンは吹き抜けなのだ。これで料理してる姿もバッチリ確認できる)
「はいよっ」
返事をして慶次はカウンターに向かった。
(さて)
皆が去った後、リビングのテーブルへ自分が持っていた袋を置く。
中にはいくつか箱が入っていた。
それを開けると、中にはお茶碗が入っていた。
蒼・茶・紅・迷彩・黄。
迷彩なんてあったのにもビックリだが他のお茶碗も綺麗な彩りだ。
(デパートにしては中々いいものが売っていた)
朱雀はお茶碗を並べると、次に袋から取り出したのは歯磨きセット。
色はもちろん、それだ。
「朱雀、それはなんだい?」
慶次の声に振り返ると、そこには皆揃っていた。
「これは…皆の茶碗と歯磨きセットだ」
「俺達のか?」
小十郎の言葉に頷き、蒼の茶碗と箸のセットを手にとる。
「これは政宗」
「Thank you」
「幸村」
「忝ないで御座る」
「小十郎」
「すまないな」
「慶次」
「ありがとさん♪」
「で、佐助」
「俺様の分も…?」
驚く佐助の手を取り茶碗を渡す。
「なんでそんな驚いてるんだ?」
「いや、ほら、俺様…忍だし」
「だから、この時代には身分なんか関係ないんだよ」
そう言って笑いながら佐助の頭を撫でた。
「わかったか?」
「う、うん…//」
「小十郎も、わかった?」
「………あぁ」
少しの沈黙の後、小十郎は返事した。
「よし、飯でも食べるか」
「なら俺が作ってやる。行くぞ、小十郎」
「はっ!」
朱雀の言葉を聞いて政宗はニィっと笑い、小十郎を連れてキッチンへ消えた。
残った面々はそれをポカーンと見ていた。
「えっと…ゆっくりするか」
朱雀はそう言ってテレビをつけた。
END 新生活・2日目