天下は彼のモノ
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甲斐武田、越後の上杉、奥州の伊達、そして相模。
四つの国が同盟を結んだ事は瞬く間に広まった。
それに伴い、桜は動いていた。
南は島津、彼に同盟を扇ぐため。
北は政宗が任せろと言うのだから、任せる事にした。
小十郎もいる、大丈夫だろう。
南には自分以外に幸村が向かっていた。
島津は幸村に任せ、自身は四国、中国地方へと回っていた。
なぜ今、このように同盟国を求め走り回っているかというと尾張の織田が問題だった。
最近、やたらと活発に活動してるようなのだ。
相模にもその話は伝わって来ていた。
そんな尾張を不本意だが力で押さえ付ける。
その為に走り回っていた。
と言っても、既に殆どの国と同盟は組んでいた。
安泰を望む各国は桜の思想を受け入れ、自ら同盟を申し入れてきたのだ。
「順調やな…」
桜は嬉しそうに笑う。
後は尾張をどうにかすれば…
ふう…と息を吐くと、目の前の荒んだ町へ足を踏み入れた。
「………来たか」
「おう、来たわ」
城へと一直線に来ると、中へ忍び込んだ。
城内は静まり返っており、まるで誘われてるかのようだったが、気にせずに主の場所へ向かった。
城の最上階の部屋に、悪役宛ら織田信長が座っていた。
「余を殺しに来たか」
「そういう訳じゃない」
「ほう?」
「あんたにも、同盟求めに来た」
「同盟…だと?」
不可解そうに表情を歪ませる信長に近づく。
「俺の思想、織田さんにとったら甘っちょろい戯言やと思う。やけどな、団結ってのは大切やと思うねん」
話す桜を、信長はただ黙って見ていた。
気付かず話続ける桜に信長はフと笑うと、立ち上がった。
「同盟を組んでやろう」
「………は?」
「漆黒の風よ…貴様は実に面白い。余を飽きさせぬ事だな」
そう言って背を向けた信長に桜は呆気にとられた。
何が起きたのかよく解らなかったが、何だか無事に終わったようだ。
桜は状況を理解すると、ホッと一息吐き、微笑んだ。
歴史は変わった。
日本はある一人の人物により強固な国へと変わった。
「……今日も平和やな」
「………そうだな」
一人の青年の呟きに、忍びはフと笑った。
「なんかな…思ってたより、急展開で、しかも呆気なく色々終わってさ…ほんま、ボケーっとするわ」
「適度に体を動かせば良いだろう」
「そうか!!なら早速運動や!!!」
意気込んだ桜の声に反応したかの様に遠くから足音が聞こえて来た。
「桜殿!!運動なら是非ご一緒に!!」
「Darling!!俺が一緒に運動してやるぜ?」
キラキラとした笑顔の幸村にニヤッと笑う政宗。
桜は溜め息を吐き、笑った。
「お手柔らかに頼むな」
その光景を、少し離れた場所から見ていた氏政はただ、平和な世の中に微笑んでいた。
END
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