天下は彼のモノ
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とりあえずの近場を回って一旦相模へと戻ってきた。
「ただいま~」
「おお!!帰ったか」
優しく出迎えてくれる氏政に微笑む。
「ただいまじっちゃん!!」
「どこを回って来たのじゃ?」
「ん~とりあえず伊達と上杉と武田かな」
部屋で寛ぎながらお茶を飲む。
「ほう…何もなかったかの?」
自分の身を案じてくれる氏政に微笑んだ。
「心配ありがとう。大丈夫やで!!」
ニカッと笑うと氏政も笑って髭を撫でた。
「ところでじっちゃんこそ大丈夫やったん?」
「風魔が全部追っ払ってくれたから大丈夫じゃよ」
「そっか、よかった」
桜はホッと息を吐き出した。
「また明日から各国回ってくるわ」
「無理はしなくてよいんじゃぞ?」
心配そうな氏政に笑う。
「別に無理はしてないで?心配ありがとうな」
その言葉を聞いて頭を撫でてくれる氏政に、胸が暖かくなった。
「すまないのぉ…」
「俺が好きでやってるんやから、気にしやんといてや」
ニコッと笑い、立ち上がる。
「ちょっとのんびりしてくるわ!!」
「そうじゃな。ゆっくり休むとええ」
氏政に笑い、部屋を出た。
「なぁ、何時まで隠れてるん」
自分に与えられ部屋でポツリ呟く。
「隠れてんの解ってんで、小太郎」
そういいながら天井に向かって座布団を投げようとすると、投げる前に手を掴まれた。
「お、出てきた」
「物を投げるな」
「まだ投げてへん」
桜はニッと笑って小太郎の腕を引いて座らせた。
「俺がおらん間になんかあった?」
「…お前宛に文が届いた」
「文が?」
「西海の鬼、長曽我部元親からだ」
「内容は?」
「…相模の宝になりつつある見目麗しい女と漆黒の風を拐いにくるそうだ」
一瞬きょとんとした後、桜は笑った。
「なんなんそれ、なんか族みたいやなぁ」
「海賊だ。文が届いてから随分経つが現れないということは毛利と戦をしている可能性が高い」
海賊…?
某麦わらを思い出したが振り払って小太郎を見た。
「毛利って…毛利元就?」
「ああ」
「2人揃ってんのか。ほんなら…中国、四国に行ってから尾張にでも行って終わろかな」
「織田にも寄るのか」
「まぁな。あ、俺が全然戻って来んかったらじっちゃんの事よろしくな」
桜が笑うと、小太郎の雰囲気が変わった気がした。
「…?」
「な、やめろ!!」
兜を取ろうと手を伸ばすと抵抗されたが、なんとか奪った。
不機嫌そうな表情の小太郎をジッと見て桜は笑った。
「縁起でもないこと言うな。って顔だな」
「そんな事「小太郎が可哀想やからなんとか戻ってくるわ」
桜はニッと笑った。
END 拾