参ったピヨった
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「ただいまー」
「ただいまー」
「おかえり」
「お、おかえり!!」
だ、よい。もじもじしながら言ったマルコをギュッと抱き締めた。
きゃーと楽しそうに笑うマルコに太智は嬉しくて笑った。
確実に昨日より警戒心がないからだ。
片手にマルコ、片手に持ち帰った仕事を持ちながらリビングに向かった。
マルコをソファー、仕事の書類を机に置くと彼を見た。
「午前中はこのままのんびりするか」
「よい!」
テレビをつけるとちょうど子供向けのアニメがやっており、それにマルコは釘付けになる。
その間に書類を整頓しノートパソコンを持ってきて起動させる。
ソファーに座ってテレビを見るマルコの邪魔にならないようにキッチンの方にあるテーブルへ移動する。
コーヒーとオレンジジュースを淹れ、ジュースをマルコの視界に入るように置くとパソコンの前に戻った。
(さぁ、今日の分終わらすか)
パソコンには既にメールが数通届いており、それは仕事を意味している。
一通目のメールが社長だったのにクスリと笑い開いた。
(よい?)
アニメに夢中になっていたが、お腹の空き具合にフと時計を見るとお昼時。
隣にいると思っていた太智は違うテーブルでパソコンと向かい合っており、寂しくなった。
「…太智!!」
てててと駆け寄り見上げる。
ん?とこっちを見た黒い瞳に自分が映って安心した。
ひょいと抱き上げて自身の膝に向き合う形で乗せられ、頭を撫でる。
「腹でもへったか?」
「違うよ」
「どうした?」
「何でもないよい」
胸元に摺り寄ると目を閉じた。
「寂しかった?」
「!?」
ビクッと震えるマルコにククッと笑った。
「結構な時間ほったらかしにしてたな、悪い」
今日の仕事はある程度終わっている。
データを保存し、パソコンの電源を切って立ち上がる。
「どーん」
「んぶ!?」
ソファーにマルコを放り投げ、笑う。
「な、なにするんだい!!」
「何しよっか」
騒ぐマルコと目線を合わすために床に座り彼を見る。
むうっと口を尖らすマルコの頬をつつく。
「散歩でも行くか?」
太智の言葉にマルコは頷く。
「その前に、腹拵えだな。何が食いたい?」
聞かれるとは思ってなかったのか、マルコは驚いた。
特に気にする事なく、彼が何か言うのを待った。
「まる…魚が食べたい」
「他には?」
「こ…」
「こ?」
「ココア…//」
俯いてもじもじするマルコをギュッと抱き締めた。
「マジ可愛い」
「よい?」
「いや、こっちの話」
太智はマルコを離すと立ち上がった。
「じゃあ、飯の準備すっか」
「まるも手伝う!」
「じゃあお願いすっかな」
太智は笑った。
食事を終え、2人は公園に来ていた。
一緒に遊び、手を繋いで帰り、風呂に入り飯を食べる。
そんな何でもない日が、マルコがいるだけでとても楽しく思えた。
(これが子供の力?)
END 何でもない日