参ったピヨった
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家を出る前、マルコに色々と説明する。
交通安全から誘拐に関係する事。
手は離さないと約束すると、早速出掛ける事にした。
歩いてそう遠くない所にデパートがあるのは助かった。
道中、あれはなんだこれはなんだと聞いてくるマルコに色々説明しているとあっという間にデパートに着いた。
(とりあえず服買うか)
自慢じゃないが家には結構色々揃ってる。
唯一マルコと住むのにあたり無いのは服ぐらいだ。
子供服の場所を確認し、マルコと共に向かう。
時間が早かったのもあり、意外と混んでない売り場にホッとした。
「ヒヨコちゃん、服買うか」
「よい!」
前から気になったが、それは返事…なんだよな?
キラキラと見上げてくるマルコの頭をぽんぽんと撫で、売り場に入っていく。
男の子らしく、戦隊物やライダー系を好むかと思ったが、どうやら少年はシンプルな物を好むようだ。
あまり派手すぎないTシャツやロンTを買う。
上着や下着に靴に…買物をしていると、あっという間に時間は過ぎていった。
「あの…」
「ん?」
クイッと手を引いたマルコを見る。
キョロキョロ視線を動かした後、そっとお腹に手をやる様子に、あ~と思った。
「お腹、すいたか?」
恥ずかしそうにこくりと頷いた少年の頭を撫でる。
「飯、食いに行くか」
「よい!」
「その前に…」
しゃがんで目線を合わせ自分を指差す。
「俺の事、オジサンもしくは太智って呼んでみ?」
へらっと笑うとマルコは酷く驚いたようで固まってしまった。
「マルコ、俺の事呼んでみな?」
「!?………太智」
ぽつりと呟く様に言った少年は顔を真っ赤にしていた。
その様子が可愛くて可愛くて可愛くて可愛くてかわ(ry
とりあえず、愛らしすぎて抱き締めた。
「わわっ!!」
「飯食うか!」
買った荷物を片手に、マルコをもう片方に抱き上げて歩き出す。
しがみつくマルコを落とさないように気をつけながら一つ上の階に上がる。
レストランエリアになってる場所に向かい近くのファミレスに入った。
「ヒヨコちゃん、何が食べたい?」
「あ、えっと…」
おどおどとしだすマルコにお子様メニューを見せてやる。
これは俺の勝手な推測だが、この子はきっと自分で何かを決める事を許されなかった。
もしかしたら、玩具…奴隷に近い扱いを受けていたのかもしれない。
朝食を出した時も、すぐに食べなかったのは自分に与えられていると思わなかったのだろう。
そんな少年がどういう経緯で俺の所に来たのかなんて解らないが、帰る時まで精一杯甘やかしてちゃんとした子供としての生活を送らせてやりたい。
生憎結婚もしてないし子供もいないが親戚の子供達とよく遊んでいたから甘やかすのは結構得意だ。
ボーッと考えているとマルコがジッと見詰めているのに気付くのが遅れた。
「決まったか?」
遠慮がちに頷いた少年はお子様ハンバーグセットを指差した。
「なら、俺も」
ハンバーグセットにしよう。
笑うとウェイトレスを呼んだ。
「ただいまー」
そう言って部屋に入りマルコの前にしゃがむ。
「?」
「ほら、帰ってきたら?」
「!?…た、ただいま…?」
「ん、お帰り」
笑って頭を撫でるとマルコは恥ずかしそうに笑った。
可愛くてギュッと抱き締めた後、2人で部屋に入った。
「ヒヨコちゃん、オジサンと一緒に用事しようか」
「一緒に?」
頷いて鋏を2つ持ってくる?
「服とかについてるタグを外していこう」
そう言って笑った。
黙々と作業をしていると、不意にマルコが口を開いた。
「太智は…オジサンなの?」
「ん?そうだぜ?」
もう29歳だからオジサンだ。
「ヒヨコちゃんいくつ?」
「5さい」
「そっかそっか」
頭を撫でるとマルコは最後のタグを切り終わった。
鋏を受け取り買ったものを整頓するとマルコを見た。
「お風呂先に入るか」
「お風呂…」
「大丈夫、一緒だから」
太智は笑った。
マルコにしては大きな浴槽には半分程しかお湯は張られておらず、頭を傾ける。
太智は特に何も言わずシャワーで先に汚れを落とすとマルコを抱き抱えて浴槽に入った。
少し慌てたマルコだが、太智の膝の上に座らされ、お腹に腕を回されているので少し安心した。
「なぁマルコ」
「?」
「マルコも能力者なんだろ?こうやって抱っこしてた方がいいよな?」
突然の問い掛けに驚きながらもゆっくり頷く。
「じゃあ、温もる時は抱っこだな」
楽しそうに笑った太智をジッと見る。
「まるの事…気持ち悪くないの?」
「別に?それよりどんな能力なんだ?」
興味津々で聞いてくる太智に驚きながら片手を上げた。
「まる、怪我してもすぐ治るの。鳥にもなれるの」
「!?」
腕の中で青い鳥にマルコは変わった。
(怪我がすぐ治る鳥…)
「不死鳥か」
こくりと頷き少年は元に戻った。
「なぁヒヨコちゃん。怪我がすぐ治るとしても、怪我したらすぐに言うんだぞ?」
「…?」
「痛みはあるんだろ?オジサンが痛いの飛んでけしてやるからな」
ニカッと笑った太智にマルコは頷いた。
無事にお風呂を終え、今は寝室。
マルコにはこっそり買ったヒヨコパジャマを着せた(これがまぁなんと可愛い。フード付きだぞ!!)
晩御飯、と思っていたが船を漕ぐマルコを連れてベッドに寝転んでいた。
「ヒヨコちゃん」
「?」
「いつかお前の世界に帰る時までは俺が親で、友達で、この場所が帰る場所だからな」
チュっと額に唇を落とし、ギュッと抱き締めた。
((可愛いヒヨコちゃん。暫くよろしくな))
END 親代わり