参ったピヨった
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ジーっと音が聞こえそうな勢いで視線を感じる。
太智はパスタを食べながらチラリと前を見た。
パチリとマルコと視線が合う。
スッと視線を反らしてマルコも食事を続けるものだから太智は何も言えなかった。
最近マルコが変なんです。
ジッと見てきたかと思えば直ぐに視線を反らすし、どうしたと聞けば何もないと言う。
怒っている訳ではないみたいだから、困っている。
(俺…なんかしたか?)
先に食事を終え、マルコに声をかけて食器を下げに行く。
「ごちそうさん。今日も美味かったよ」
「あったり前だろ!このサッチ様が作ったんだからな!!」
厨房にいるサッチに声をかけると、ヘヘッと笑った。
「お、そうだ。コーヒーでも飲むか?」
「うん、頼む。マルコの分とな」
「了解」
サッチに礼を言ってマルコのもとへ戻ると、食事を終え新聞を読んでいた。
「なんか面白いニュースある?」
「ん…ルーキーが暴れてるくらいじゃねェかな」
マルコの横に座り新聞を覗き込む。
そこには新世界で暴れている海賊達の名が並んでいた。
並んだ名前にザッと目を通していると、ギュッとズボンを掴まれた。
握っているのは勿論マルコなので気にせず新聞を読む。
こう言った甘えは何時もの事なのだが、何時もと違うのはやはり感じる熱視線。
なんだろなーと考えながらも新聞を読んでいるとサッチがコーヒーを持ってきてくれた。
「ありがと」
「おう。そうだ…頑張れよ!」
「さっさと向こうに行け!」
サッチはマルコに声をかけたが、直ぐに追い払われた。
太智は頭にハテナを浮かべながら頬を赤くしたマルコを見た。
(うん、どうにも変だ)
新聞を読んでいる間、足に足を絡められ、部屋へ戻って本を読んでいると向かい合う形で膝の上に乗ってき、ベッドに寝転ぶと何時もの様に刺青見たさにシャツをはだけさせるのはいいが、刺青を指でゆっくりとなぞり出す。
ただの甘えかとはじめは思っていたが、日に日に行為はエスカレートし、淫靡な空気まで漂い出す。
「なぁ、どう思う?」
「…太智、本当にわからねェのか?」
「うん」
はぁ…と溜め息を吐いてイゾウは煙管を加えた。
(マルコ、お前の旦那鈍すぎやしねえか?)
サッチだとふざけそうだからイゾウに聞いてほしいんだ。
そう相談を持ち掛けられて聞いた話が今の内容だった。
イゾウは目の前で悩む太智を見て、マルコに同情した。
『全然…その、手を出してくれない。性欲が無い訳じゃないみたいだし…なんでだと思う?』
『マルコは手を出して欲しいと』
顔を真っ赤にして相談してきたマルコを思い出し、煙をゆっくり吐いた。
マルコには自分が欲情した事をやってみればいいと伝えた。
太智の話の内容を聞く限り、誰がどう考えても誘っているような行為に、太智は気づいていなかった。
さてどうしたものかとイゾウは考える。
マルコの気持ちを伝えてみるか自分で気付かせるか。
目の前でジッと此方を見てくる男にイゾウは視線を向けた。
「太智…お前は性欲ってのはねぇのか?」
「え?いや、オジサンにも性欲ぐらいあるよ」
「そういう事だ」
「え?」
イゾウはフゥ…と溜め息と共に煙を吐いた。
「積極的な女や娼婦は男をソの気にさせるときどんな行動する?」
「……え、もしかして」
「あんた…こういった事にはスッゴい鈍いな」
イゾウはニッと笑って顔を真っ赤にして狼狽える太智を見つめた。
(え、マジで。信じらんねえ、ここ暫く様子がおかしかったのはそうゆう事か?)
うわーオジサン情けねえわー
太智は1人船尾で項垂れていた。
元々性欲はあれどそこまで強くない太智。
此方に来る前は老いもあって全く性欲は無いに等しかった。
此方に来てからもその影響からか殆ど性欲は沸かなかった。
だけど、マルコは自分とは違う。
勿論性欲はある。
前までは女を抱いていたのだろうが、今は俺がいる。
だからずっと誘いをかけていた。
(…どうしよう)
男同士の行為があるのは知っているが、残念ながら経験したことはない。
それに、マルコが上なのか下なのかすらわからない。
(まぁ俺が上ってのも想像つかないが)
マルコが好きだ、望むなら行為だって行う。
ただ、戸惑いが残る。
壁に背を預け空を向いて考えていると、視界に蒼が映った。
「あっ」
蒼い鳥は船の上を旋回すると、船尾へ降下してくる。
立ち上がって腕を広げると、鳥から人へ戻りながらマルコが抱きついてきた。
「お帰り」
「よい」
くしゃっと嬉しそうにマルコは笑う。
「こんな所で何してんだよ」
「考え事」
「考え事?」
「うん。もう解決したけどな」
マルコの肩へ顎を乗せる。
(マルコだから、いっか)
したい様にしたらいい、なるようになればいい。
未知の世界は怖いけれど、マルコだから、全て委ねる。
(悩む必要無かった)
太智はフッと笑うと、耳へ唇を寄せた。
「今日、オジサンと一緒に寝よっか。ヒヨコちゃん」
「っ…よい」
顔を赤らめながら、マルコは返事をした。
(どどど…どうしたんだ)
マルコは太智の部屋で一人どぎまぎしていた。
一緒に寝よっか、その言葉には淫靡なニュアンスが含まれていた。
自分のアプローチにやっと気づいたのか。
しかしそれはそれで恥ずかしい。
気持ちを落ち着かせようと深呼吸したり本に目を通すが落ち着かない。
わたわたとしているとガチャと扉が開いた。
「やっぱり風呂は気持ちいな」
「そ、そうだな」
返事をした声が妙に上擦っていて恥ずかしくなった。
チラリと視線を向けると、太智はズボンしか穿いていなくて、不死鳥と誇りが丸見えだった。
それにボーっと見惚れていると、太智がクスッと笑った。
「そんなに気に入って貰えるとは思って無かったな」
オジサン彫って良かったよ。
ニコっと笑った太智にマルコはドキッとした。
太智はベッドに腰掛け、寝転んだ。
「おいで」
「よ…い」
少し掠れた声で返事をすると、隣へ寝転んだ。
太智は笑ったままマルコを抱き締める。
そこから進展は…ない。
(あれ、どうする、どうしたらいいんだ?マルコが受け身なんだけど)
太智は脳内でグルグルと考える。
(俺が…攻めんの?)
考えているとマルコが不安そうに此方を見た。
(…うん、なるようになれだ)
マルコの頬に手を添えると、チュッと額に口付けた。
そのまま覆い被さると唇にもキスをした。
「なぁマルコ」
「なんだよい」
「俺…男相手のヤりかた知らねぇ。だから…痛い思いさせるかもしらない。それでもいいのか?」
「太智なら、いいよい」
フッと笑ったマルコに太智も笑った。
そっと頭を撫でると首へと滑らす。
(一応…女と一緒の要領で…いいん…だよな?)
うん、と一人頷きキスをした。
今までしてきたような啄むキスではなく、舌を絡ませたキスをする。
「ふ、うむ…」
ヌルリとした舌の感触に背筋がゾクリとする。
唇を離すと銀糸が2人を結んでいた。
それがプツリと途切れると、首へと顔を近付ける。
ペロリと舐め、唇を滑らせた。
それにより身動ぎするマルコに微笑み、服へ手をかける。
上着一枚を脱がせればすぐに上半身は裸になる。
「マルコって」
「え?」
「いや、なんにも」
「言えよ」
「…うん、脱がせやすいなって。でも痕とか付けれないな」
そう告げるとマルコの顔が真っ赤になる。
「俺の可愛いヒヨコちゃん」
唇を寄せ、チュッとキス。
「なんか」
「ん?」
「初めてって割にはノリノリじゃねェか」
「…マルコ相手だからじゃないか?」
オジサンの可愛い子はとことん愛でるから。
チュッ、チュッとキスをしながら胸へ手を伸ばす。
飾りへと触れると、マルコはピクリと体を震わせた。
「男でも感じんの?」
「変な…感じはするけど。男が女みたいに感じる様になんのは何回も…行為をしないとダメなんだってよ」
「詳しいなマルコ」
「さ、サッチが言ってたんだよい!!!!」
顔を真っ赤にして弁解するマルコにクッと笑う。
「少しずつ…そうなればいいな」
その言葉はつまり、今日の行為が終わっても次があるということで、マルコは嬉しいやら恥ずかしいやら少し複雑な気持ちになった。
「マルコ」
「ん?」
「オジサン頑張るよ」
笑った太智にマルコはクッと笑った。
「………」
「………」
(終わった)
感想?
そんなもん2人して最悪の二文字。
気持ちと体が繋がった。
気持ちは凄く満足している。
驚くぐらい満足している。
(オジサン、頑張ったよ)
だけど、マルコは痛みが引いておらず、正直俺も痛い(狭かったし)
体がとても痛いのだ。
「マルコ」
「…ん」
「大丈夫…か?」
自分の上に寝転ぶマルコの頬を撫でる。
「死んだと思った」
「…下手くそでごめん」
「なっ!そういう意味じゃないだろ!女でも初めては痛いんだからよ」
頬を赤くするマルコに笑う。
「オジサン、」
「ん?」
「オジサン勉強するわ」
マルコの為にな。
どうせなら痛い思いして欲しくない。
どうせなら気持ちよくなってほしい。
その為には知識が必要だ。
うんうんと頷く太智に頭突きをする。
「いっ……たっ!!!」
「フンッ!!」
顔を真っ赤にして眠る体制に入ったマルコを涙目でジッと見つめた。
(痛い)
(痛かった)
((気持ちよくなる日は来んのかよ…))
END 初