上陸
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「陸が見えたぞー!!!!」
わー!と歓声が湧く。
「おースッゴいテンションだなぁ」
「そりゃお前、たまにの上陸だからな!」
イシシッと笑いながら肩に腕を回してきたサッチ。
マルコが睨んでるぞ、と言う前に気付いたサッチは慌てて離れた。
「食料の補充も大切だけどな、大半の奴はあれだろ」
言葉を濁したサッチに太智は「ああ」と声を漏らした。
「女か」
「そう、それ!」
てか近くにマルコがいるから言葉を濁したのに…とぶつぶつ言うサッチの頭をわしゃわしゃっと撫でると丁度通り掛かった航海士を呼び止めた。
「ログはどれくらいで溜まるんだ?」
「大体3日くらいだな」
「わかった」
礼を言うとジーッと此方を見ていたマルコに視線を移した。
視線が絡むと慌てて反らしたマルコにクッと笑ってから近付いた。
「マールコ」
「な、なんだよい」
「いつ空いてるんだ?オジサンとお出かけしようか」
その言葉にマルコは頬をほんのり赤くして頷いた。
「で、いつ空いてるの?」
「ちょっと調べてくる」
バタバタと走っていくマルコを太智は笑って見ていた。
「けっ!!妬けるねェ~」
「ヒヨコちゃんはあげないよ?」
「おれもアイツはいらねーよ」
即答したサッチにククッと笑っていると、マルコが戻ってきた。
「どうだった?」
「3日目に時間が空いてたよい」
「ならその日に出掛けるか」
「よい」
マルコの頭を撫でていると、サッチに肩を組まれた。
「なら1日目はおれの買い出しに付き合えよ!!」
「ん?別にいいぞ」
マルコにギロリと睨まれたがサッチはただ笑うだけだった。
「上陸が楽しみだな」
そうこう言ってるうちに船は陸に着いた。
「じゃ、太智は借りてくぞー」
「ちょ、サッチ早い」
「おら、張り切って行くぞ!!」
呆れた様子のマルコに見送られながら太智はサッチに連れられて上陸した。
どうやら自分達の縄張りの島ではないらしく、島の住民達は警戒を露に白ひげ海賊団を見ていた。
人数が多いため、いくつかの隊に分かれて上陸しているのだが、それでも悪人面した奴らが大量に上陸してくるのだ、警戒を剥き出しにするのは当たり前だろう。
「ひゅ~すっげえ敵意」
「サッチが悪人面だからな、仕方ない」
「なんだと!!」
こんな色男捕まえて何を言うんだ。とぶつぶつ言うサッチを後目に市場へ先に足を踏み入れた。
見たこともあれば見たこともないような色とりどりの食材達。
太智が目を輝かせていると、ニヤッとしたサッチが肩に腕を回してきた。
「あの緑色の肉は海王類の肉でな、色はちょっとあれだが味は抜群だ。あっちの黄色い実はとっても繊細な食材でな、仕込みの手順を少し間違えただけで旨味が無くなっちまうんだ」
ペラペラと話し出したサッチを太智は驚いたように見つめた。
「なんだよ」
「いや…その服は見せ掛けじゃなかったんだな…って」
「お前…!!この野郎!」
サッチは太智の頭にグリグリと拳をめり込ませる。
「おれ様は優秀なコックだコノヤロッ!!」
「ははっ、悪い悪い、いつも美味い飯をありがとうな。オジサンいつも大満足だわ」
ヘラッと笑うとサッチはケッと言って離れた。
「で、何を買うんだ」
「あぁ、ここのリストに載ってるやつと、あとはおれが気になったやつだな」
凄く長いリストに太智は驚いた後、頑張りますかと笑った。
「………」
暇だよい。
船番。
前回の上陸の時は運善く遊び回れた1番隊だが今回は3日のうち2日間も船番。
太智がいればまだマシだがいない。
(つまらない)
誰かが船に戻ってくる度に期待するが全て外れ。
マルコはもやもやした気持ちを吐き出すように溜め息を吐いた。
「こんだけありゃ充分だろ」
「うん、ありすぎだろ」
山だ山、山がある
いつの間にか集まっていた4番隊総出で運ぶが山はまだまだ残っている。
(100人以上で運んでも減らないとか)
いや、まぁそれもこれも俺のせいだが。
サッチは持ち前の気さくさを使って上手く買い物してたがそうも行かない面々もいた。
手伝う為に仕事柄見に染み付いていた得意の営業スマイルで会話をしていると、市場のおっちゃんおばちゃん、はたまたジイサンバアサン、兄ちゃん姉ちゃんと上手く打ち解けてしまった。
その結果、「これ持って行きな!」「やだ兄ちゃん可愛いわね。これオマケしちゃうわ!」「お兄さん格好いいわね…これと、私もどうかしら?」「あんた、中々楽しい奴だな…これ付けといてやるよ」
あっちこっちから色々な物を貰ったのだ。
思わぬ食料の収穫にサッチは喜んだが持ち帰りが大変になってしまったのだ。
「いや~これから買い出しの時には太智連れてくか!!」
「俺は…嫌だな、毎回こんなんだったら」
「いいじゃねぇか!!オヤジもきっと喜んでくれんぞ?」
後ろの山にある酒達を見ながらサッチは肩を組むとニヤッと笑った。
「持てるだけ持ってオヤジに説明してきてくれよ」
「はぁ…分かった」
肉や野菜を持とうとしたらサッチに腕を掴まれた。
「酒持ってってくれ」
「はいよ」
太智は大きな樽を両手に担ぐと他の船員達と歩き出した。
「おいおい、いったいどうなってんだ?」
「これは多すぎだろ…」
「おれは全然いいけどな!!!」
目を輝かすエースに対し、船番のマルコや偶々戻ってきたラクヨウは頬を引き攣らせていた。
「ちょっと聞いてくるか」
ラクヨウは頭を掻くと船に次々入ってくる列に近付いて行った。
その時、船の入口から次々とデカイ奴等が戻ってきた。
「悪いなジョズ」
「構わねえ」
「しかし、ここまで収穫を得るとはな」
「俺もビックリしてんだからそんな顔で見んなよ、フォッサ」
「肉の収穫が多いのは嬉しいな!」
「クリエルとキングデューの為にオジサン頑張ったんだぜ…?」
「ハッ!!上手いこと言いやがる」
3・10・11・15の巨漢達と会話しなが船に戻ってきたのは太智だった。
「ちょっと、何でおれは菓子ばっかなんだよ!!」
「え、ハルタ…それ聞くのか?」
ククッと笑う太智にハルタは頬を膨らませた。
「おいおい、こりゃなんの騒ぎだよ」
「あぁ、ラクヨウ」
太智は笑った。
「オヤジさん何処か分かるか?」
「あ?オヤジ?オヤジなら「オレはここだァ」
声が聞こえて太智は顔を輝かして白ひげのもとへ走った。
「オヤジさん、騒ぎ起こして悪い」
「グララ…原因は太智か?」
「そうそう、実はさ…」
太智は事情を話し出した。
少し離れた所にいたマルコは太智と白ひげに近付こうとしたが、白ひげが大声で笑い出したので驚いて足を止めた。
「ようマルコ、太智のおかげで大収穫だぜ」
「どうゆうことだよ」
肩を組んで来たサッチの腕を叩きながら事情を聞く。
話の内容を聞いてマルコは笑った。
「昔から変わらないな…」
「へ~昔っから太智は人気者なんだな」
「まぁ…そうだな」
懐かしむように笑ったマルコにサッチも自然と笑っていた。
「野郎共!!!今夜は太智の功績を称えて宴だァ!!!!」
白ひげの声に、船員達は野太い声で返事をした。
2日目、眠っていた太智はドアを叩く音で起きた。
「誰だ…?」
「おれ!エース!」
「開いてるよ」
扉が開いてニシシと笑いながらエースが入ってきた。
「どうした?」
「今日はおれと出掛けようぜ!!」
「ぐふぉ!!」
腹に乗ってきたエースを殴りながら上半身を起こした。
「飛び乗るなバカ!!」
「悪い悪い、それより行こうぜ!!」
頭を掻きながらベッドから足を下ろして溜め息を吐いた。
「分かったから甲板で待ってろ」
「おう!!」
エースは満面の笑みで出ていった。
「ったく…」
(あの末っ子は…)
前の世界でもちびっこには囲まれていたから別にいいけどあの大きさの人間に飛び乗られるのは止めていただきたかった。
太智は苦笑するとゆっくり立ち上がった。
「ほら!行こうぜ!!」
「わかったからちょっと落ち着け」
満面の笑みで太智の腕を引っ張るエース。
「だってよ~あんまり太智遊んでくれねぇじゃんか~」
「遊んでって…」
太智はクッと笑ってエースの頭を撫でた。
「末っ子は甘えただな」
「なっ!?バカにすんなよ!!」
「バカにしてねぇよ。可愛がってるんだ」
ほんのり顔を赤くして話すエースに笑っているとぐ~とお腹の音が鳴った。
「…とりあえず飯にするか」
「そうだな…」
2人は近くの店に入った。
「やべ、これウメェ!!」
「たしかに、これは美味しいな」
パクパクと次々平らげていくエースから少し離れながら自身のご飯を食べる。
周りを見ながらのんびりご飯を食べていると、隣からがしゃん!!と大きな音がした。
チラリと視線を向ければエースがフォークを握ったまま料理に顔を突っ伏したまま寝るお馴染みの光景があった。
「あ~全く…また寝ちゃって…」
ふぅ…と溜め息を吐きながら布巾を手にしてエースの肩を揺らす。
「エース、起きねえか」
「ん…?お、おう」
ムクリと起きたエースの口周りを拭いてやる。
(…餓鬼の世話だな)
フッと笑うとエースがきょとんとして見てくる。
「ん?何で笑ってんだ?」
「いや?別に?早く食わないと遊ぶ時間なくなんぜ?」
「それは嫌だな!」
ガツガツと食事を再開したかと思うと、再び突っ伏したエースに再び笑った。
結局あれから眠ってしまったエース。
起こすと起きるが眠そうな為、船に戻って来た。
「何してんだよい」
「ん?ああマルコか」
振り返ると眉間に皺を寄せたマルコが立っていた。
背負ったエースを睨み付ける様に見るマルコに笑う。
「なに怒ってんだよ」
「怒ってない」
「そうか。ところでコイツの部屋どこ?起きないんだよ」
「そこらへんに寝かしてたらいいよい」
どうしようか一瞬悩んでまあいいかと甲板に寝転がす。
「気持ち良さそうに寝やがって」
「幸せな奴だ」
ククッと笑い、離れようとしたが足をガシッと掴まれた。
「え、なに。寝てんのに力強い」
掴まれた足から手を引き剥がそうとしたが全然剥がれない。
困っているとマルコが寝ているエースの頭を殴った。
「がっ、いってぇ!!!!」
「そりゃ殴られたら痛いだろうよ」
「何すんだよマルコ!!!」
ギャーギャー騒ぎだした2人を見て、太智はふぅ…と溜め息を吐いて笑った。
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