参ったピヨった
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正式に白ひげ海賊団に加入してから1週間。
クザン達に鍛えられたお陰で戦い等に不備はない。
特に不備は無いのだが…無いのだが…
「よっ!太智!飲もうぜ!」
「連日飲んで疲れないのか?」
どうも皆宴気分が抜けないみたいだ。
オヤジさんでさえ連日飲んでナースに怒られているのだ。
まぁ、歓迎されてるのは嬉しい事なのでいいのだがなんというか、マルコとの時間が取れない。
折角可愛いマルコと同じ気持ちになれたのだ、少しでも傍にいたい。
向こうの世界では特に湧かなかった恋人に対しての愛情が今マルコに向けて溢れている。
一緒にいたくて堪らないのに一緒にいれない。
「オジサン、参っちゃうなァ…」
「え?」
「ん、いや何も?少し疲れてるから今日は遠慮しておくよ。悪いな」
太智はそう告げてヒラヒラと手を振る。
躱された船員はブー垂れていたが違う奴を捕まえて飲み出した。
(いやー、ここは落ち着くな)
書庫へと避難してきた太智は奥に置いてあったソファーに腰掛けた。
ここに避難してきたのは船員が寄り付かないからだ。
それに、幾つもあるソファーのうち一番奥の所にいれば尚更見付からない。
ふぅ…と一息入れたところで眠気が襲ってきた。
太智は欲望に忠実に目を閉じると、そのまま眠ってしまった。
「こんなもんでいいか…」
出された報告書を整頓し終えたマルコは一息付いた。
かけていた眼鏡を外し、机に置くと気分転換の為に部屋を出た。
偶然会えばいいなと太智を探しながら歩いていると書庫の扉が少し開いているのに気付いた。
「?」
ここに来るのは極僅か。
未だ宴気分の抜けてない奴らはここに来ない筈だ。
不思議に思いながら中へ入るが誰もいない。
しかし、人の気配がする。
奥へ足を進めると、一番奥にあるソファーで太智が眠っていた。
マルコはフッと笑うと、肩を揺らした。
「太智、こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」
「ん…」
瞼が震えゆっくり開いた。
パチパチと瞬きをすると、マルコを視界に捉え微笑んだ。
「マルコ」
「なんだ?」
「会いたかった」
最近一緒に居れる時間が無かったから、オジサン寂しかったぜ。
マルコを抱き寄せてそう囁いた。
マルコは顔を赤くして離れようとしたが、優しく頭を撫でる手付きに力を抜いた。
太智の体の上に寝そべると、肩に頭を乗せる。
「ここで何してたんだよ」
「休憩。ここなら誰も寄り付かないからな」
ふぁ…と欠伸をすると、マルコを抱き締める。
「今暇?」
「ああ、暇だ」
「なら少し、俺とゆっくりしようぜ」
太智は笑ってマルコの髪を撫でた。
マルコは少し目を細めると、クッと笑った。
「どうした?」
「昔を思い出しただけだい」
「あぁ…よくこうやって寝たもんな」
昔してた様に背中を撫でる。
少し違うのは子供をあやすのでは無く、人を甘やかすような優しい手付き。
少しその手付きに照れたマルコが身動ぎすると、太智の服が捲れた。
そこから覗いた蒼に、マルコは笑う。
「太智」
「なんだ?」
「脱がしてもいいか?」
突然の申し出に太智は驚いたがフッと笑った。
「別にいいぞ、ヒヨコちゃん」
からかう様に笑った太智にマルコはムッとしたが、まぁいいかとシャツのボタンを外した。
現れた蒼い鳥。
自分をイメージして入れた鳥に唇を寄せる。
ピクリと太智の腕が震えたがマルコは気にせずに鳥を眺めていた。
「いいねい」
「ん?」
「おれのモノって事だろい?」
「そうだよ」
「太智もおれみたいに前開けとけよい」
悪い顔で笑ったマルコに太智はククッと笑った。
「独占欲か?」
「悪いかよ」
「いや、全然悪くないぜ?けどな…」
太智はマルコの頭を撫でると笑った。
「それだったら俺もなんか印が欲しいな」
キスマークとか?
首をなぞりながら言った太智にカッと顔が熱くなる。
クックックッと笑う太智にからかわれていると気づくとムスッと睨みつけた。
「怒るなよ」
「からかいやがって…」
「付けて欲しいなら付けてやるぜ?」
マルコ―
耳元で囁かれた声が聞いた事もないような甘い声で体が熱くなる。
固まってしまったマルコの頭を撫でると、抱き締めて起き上がった。
「悪い悪い、マルコがあんまりにも可愛いからオジサンからかっちまった」
「太智!!」
マルコはキッと睨み付けた。
太智は笑っていたがフと真剣な表情になると、マルコの頬に手を添え指で唇を撫でた。
「キスマークは早いけど…普通のキスはしてもいいか?」
そう言われてフと思う。
恋人らしい行為をなにもしていない。
此方を伺う太智にマルコはゆっくり頷いた。
ホッとした様に息を吐くと、顔が近付いてきた。
ただ触れるだけの、子供がするような軽いキス。
人生の中でもっと色んな事をしてきた2人の筈なのに、照れ臭くて同時に笑った。
(入れねえ)
(また今度にしな)
END 触れ合い