アズリエル
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我らがアズリエル王子は、すこしばかりわんぱくだ。今日だって、大胆にお城から遠いスノーフルくんだりまで足を伸ばしている。森で友達と一緒に魔法の練習をするらしい。
しかし、彼が大事そうに抱えている袋の包装にはマシュマロと書かれている。ただ魔法の練習をするだけではなさそうだ。
「おいしい焼き方を教わったんだ! キミもどう?」
まさかのお誘いを受けた。たしかに、魔法の練習ついでに調理もできたら一挙両得だろう。
「おや、私もご相伴に預かっていいのかい? なら、付き合うよ」
「ほんと? ありがとう! ……ところで、何を探してるの?」
「ん? マシュマロに合うお菓子さ」
彼の尻尾は、隠しきれない喜びで大いにが揺れていた。幼い王子の無邪気な様子に笑みを浮かべつつ、戸棚からクラッカーと、とっておきのチョコレートを取り出す。
「これでよし。それじゃ行くよ」
「うん!」
前が見えないと歩くときに危険なので、マシュマロの袋は私が代わりに持った。彼の自由になった手を片方借りて、はぐれないように繋ぐ。どちらかというと迷子防止の意味合いが強い。私が見飽きた森の風景も、彼の目を通すと新鮮に見えるらしい。あまりの純粋っぷりに、手を離したら何処までも行ってしまいそうなのだ。
彼の手のひらは、彼が扱う魔法に似て温もりに満ちている。寒さ厳しいスノーフルではありがたい熱だ。
――地底の未来は見通せず、未だにバリアが我々を苦しめている。だが、将来性のある子どもがすくすくと育つ土壌があるのなら、希望はあるのだろう。
「ナルに一番おいしいの、作るからね」
まだ目的地にも着いていないのに、そう語った王子の笑顔は眩しいくらいに輝いて。らしくもなく、幸せな未来なんて夢を思い描いてしまった。
しかし、彼が大事そうに抱えている袋の包装にはマシュマロと書かれている。ただ魔法の練習をするだけではなさそうだ。
「おいしい焼き方を教わったんだ! キミもどう?」
まさかのお誘いを受けた。たしかに、魔法の練習ついでに調理もできたら一挙両得だろう。
「おや、私もご相伴に預かっていいのかい? なら、付き合うよ」
「ほんと? ありがとう! ……ところで、何を探してるの?」
「ん? マシュマロに合うお菓子さ」
彼の尻尾は、隠しきれない喜びで大いにが揺れていた。幼い王子の無邪気な様子に笑みを浮かべつつ、戸棚からクラッカーと、とっておきのチョコレートを取り出す。
「これでよし。それじゃ行くよ」
「うん!」
前が見えないと歩くときに危険なので、マシュマロの袋は私が代わりに持った。彼の自由になった手を片方借りて、はぐれないように繋ぐ。どちらかというと迷子防止の意味合いが強い。私が見飽きた森の風景も、彼の目を通すと新鮮に見えるらしい。あまりの純粋っぷりに、手を離したら何処までも行ってしまいそうなのだ。
彼の手のひらは、彼が扱う魔法に似て温もりに満ちている。寒さ厳しいスノーフルではありがたい熱だ。
――地底の未来は見通せず、未だにバリアが我々を苦しめている。だが、将来性のある子どもがすくすくと育つ土壌があるのなら、希望はあるのだろう。
「ナルに一番おいしいの、作るからね」
まだ目的地にも着いていないのに、そう語った王子の笑顔は眩しいくらいに輝いて。らしくもなく、幸せな未来なんて夢を思い描いてしまった。