独り言小ネタ
思いつき小ネタ。
『みやげばなし』
とある安宿の一室。
寝返りながら毛布を蹴飛ばし、小さく唸るネズミ。
野宿ばかりの日々の中、久しぶりのベッドは、ネズミを容易に眠りへと誘い、寝相の悪さを存分に発揮させ安物のベッドに悲鳴をあげさせた。
ふと、シーツの上に投げ出された腕が、何かを探すように彷徨う。その動きは、自身が蹴飛ばした毛布を探るものではなく。
「……?…し、お」
自分の求めるものに、いつまでたっても行き当たらないことに、ネズミは薄らと瞼を上げる。
瞬間、がばりと上半身を起き上がらせ片手で顔を覆った。
無意識の自分の行動に今度ははっきり唸り声を漏らす。
何をやっている。紫苑と離れ、もうどれだけ経ったと思ってるんだ。
心の中で自分自身に舌打ちし、己以外この場に居なかったことに息をつく。
………己以外。
己以外?
はっと振り向けば、ベッドに備え付けのサイドテーブルに、良く知る二対の小さな瞳。
ネズミと視線が合えば、くるりと揃って背を向け小刻みに震えている。
そう、それはまるで、笑いを堪えているように。
「……おいお前達…」
小ネズミ達は知っている。ネズミの手が、無意識に紫苑を探し求めているのを。
時には先程のように温もりを、時には柔らかな白髪を。
常に傍にあった存在は、ネズミにとってどうしようもなく特別な存在は、どれほど月日が経とうと変わることはないのだ。
そんな場面を目にする度に、遠い地にいる同胞と自分達にとっても大切な友人への土産話が増えていく。
主人に口止めされたって、知るものか。
かねてよりそう誓い合っていた小ネズミ達は、主人のお叱りの言葉を右から左に聞き流すのだった。
おしまい。
別題、『はよ帰れ』
前の話と繋がってるようなないような。
文章おかしいよぉぉぉぉっ!
私は文書くより、プロットたてる方が向いてるのかもしれない。
それこそ気のせいだ。
でもまたこりずに書く事もあるだろう。
こりずに。