独り言小ネタ

 
 
 
性懲りもなく、小ネタ。
アホです。
タイトルに合ってないです。
無能です。






永久不変の天然



「ただいま、ネズミ」
「無事のご帰宅なによりです陛下」
「……普通におかえり、と言ってくれないか」
「いつもの事だろ」
「………ネズミの照れ屋……」
「なんか言った?」
「いや別に。ああ、そういえばさっき、イヌカシの所から帰ってくる途中、知らない男の人に声をかけられた」
「あんた、また……」
「大丈夫だ。犬が怖いみたいで必要以上近づいては来なかった」
「…あっそ」
「それで、距離を保ったままその人が、ぼくが身に着けているものを売ってくれ、と言ってきた」
「……は?」
「見たところ、その人身なりも整ってたし、ぼくのもの一つにつき銀貨五枚払うとか言っていた。着るものにもお金にも困っている様でもなさそうだったのに、どうして欲しがったんだろう」
「……それで、あんたまさか、売った……とか言わないよな……?」
「売るわけないだろ。往来で服を脱ぐなんて事出来ないし、したくない。………それに」
「それに?」
「今ぼくが着ている服は、きみがぼくの事を考えて買ってきてくれたものだ。たとえ金貨を積まれたって売らないさ」
「……おれはただ、いつまでも服を貸し続けるのも、サイズの合わないものを着てうろつかれるのも、鬱陶しかっただけだ。あんたの事を考えてたわけじゃあない」
「そうだとしても、ぼくにとっては宝物だ。きみから貰ったものだから」
「…………」






―――

やっぱり照れ屋なネズミさん。




 
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