独り言小ネタ

 
 
 
その空の向こうの誰か




紫苑委員のデスクには、1枚の写真が飾ってある。
初めて見たとき、トーリには何が写されたものなのかわからなかった。


トーリの敬愛する彼は、よほど立て込んででもいない限り、デスクは整理され私物なども最低限。それでも、その写真はトーリが彼の下に就いた時には既に飾ってあった。

それなりに打ち解けたと感じられた頃、思い切って写真について聞いてみた。
きょとんと目を瞬かせたあと、あぁこれはとシンプルな写真立てに収まったそれに目を向け話してくれた。


「これはね、空を写しているんだ。夜が明ける、寸前の空を」


好きな色なんだ、と語るその時の表情は、すぐ目の前にある写真を見ているはずなのに、別のものを見ているようで。愛おしさ寂しさ苦しさ、色々な感情が混ざりあっていて。トーリには理解しきれない複雑なものだった。

戸惑いからろくな相槌がうてず、それでもなんとか答えてくれた礼を言いその場を辞したトーリは、小さく呟かれた言葉を知ることはなかった。


「好きな色、それから。戒めの色でもあるんだ」


きみが見ていると思えば、ぼくは。
間違えないでいられるだろうから。



それから月日は流れ、飾られ続ける写真についてトーリが尋ねる事はなかった。

ただ一時期。その写真が倒されていた事、デスクの上から消えていた事があった。

丁度その頃、不穏分子や不正を働いていた者達の摘発で、かなり慌ただしく、トーリも気にする余裕もなく。紫苑の瞳が昏くなっているのに気づいてもそれどころではなく何もできなかった。

落ち着いてから暫くしても写真は飾られていなかったが、気がつくといつまにかまたそこにあった。再び飾られる少し前に、トーリは紫苑が長髪で褐色肌の少年?少女?と一緒にいるのを見かけたが、声を掛けられる雰囲気ではなくすごすご帰るしかなかった。

そんな中。紫苑委員を慕う気持ちがあり、想いは日々大きくなっていっても、中々近づく事ができないトーリはとうとう出会うことになる。

紫苑の隣に、当然のように立つ男。
鋭さのある美貌、それを引き立てる瞳のその色。

トーリは理解する。その男に向ける紫苑委員の表情。
この男こそ、あの写真の、あの空の向こうの誰かであったと。

トーリは震えそうになる唇を手を強く握りしめて耐え、紫苑委員が自分を紹介する声に返事をするため口を開けた。



おわっとく。



よーみんさん追放とか無視してるね!
原作様の流れ無視してるね!ごめんよ!

ネズミさんの瞳色の空の写真飾る紫苑さんと。
写真倒したり閉まったりして見れなくするってのを書きたかった。

文章が安定させられないんてすが、どうしたらいいんでしょうね。
どうにもできないんでしょうね。


ギャグにすると、写真集持って、イヌカシあたりに。
「これはネズミの機嫌がいい時の色で、こっちは不機嫌な時!それからこっちは」
とかネズ瞳マニアになる。





 
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