独り言小ネタ

 
 
 
捏造注意!




思いつき。
もしもトーリ君に弟とかいたら。絶対紫苑委員の素晴らしさについて語ってるだろう。と思ったバカ話。



『弟のゆーうつ』



「聞いてくれよ!今日紫苑さんがさぁ――」

帰宅して直ぐ、挨拶もそこそこに語り出したトーリに、その弟である少年は態とらしく盛大にため息を吐いて見せた。

「兄さん……。また紫苑って人の話?よく飽きないね」
「紫苑って人じゃない、紫苑さん、だ!ちゃんと、さん、を付けろ!それに飽きるわけないだろう、紫苑さんは本当に素晴らしい方なんだ」

些かムッとした様子で返してくる兄に、二度目のため息。

「はいはい。兄さんが紫苑さん、を大好きなのは分かったから。だけど、他に話題無いの?」

こっちはいい加減うんざりなんだけど。

と言う言葉を辛うじて呑み込み訪ねるが、兄は、本当に全く浮かばないらしく、うーん…、と唸っている。

「…無いんだね」
「そ、そんな事は……」
「いいよ無理しなくて。あ、そう言えば。この間、その紫苑さんを見かけたなぁ」
「えっ!?」
「赤ちゃん抱いた、野性味、て言うのかな?そんな感じの髪の長い女の子と仲良そうに喋ってた」
「赤ちゃん?女の子?」
「うん。もしかして、紫苑さんの隠し子だったりして」
「!!!そ、んな。紫苑さんに限って…」
「そんなの分かんないじゃないか。紫苑さんの全てを兄さんが知ってる訳じゃないんだし」
「ーうっ、…そうだけど、でも。……違う違う有り得ない!!」

あまりの動揺ぶりに、冗談だ、そんな関係には見えなかった、と言ってやれば心底安心したように息を吐き出す兄。

そんな兄に再びため息を吐きながら考える。

確かに、トーリは部下としては優秀、頼りにもされているのだろう。が。

(相手には、されてないんだろうなぁ)

恐らく、兄が敬愛する紫苑という人物は。NO.6が崩壊したあの日、市庁舎で不思議な歌を歌った青年に想いを傾けているような気がする。青年も同様に。

モニター越しではあったが、紫苑と青年の雰囲気に、なぜかそう感じた。

兄本人は楽しそうに(時々やたら落ち込んでる日もあるが)していても。不憫な兄、話くらい聞いてやるしかないか。はぁぁ、と本日最大のため息は少年の諦めを物語っていた。







聡い弟。
設定考えてないので書きやすい喋り方にしました。


トーリ君は普段は『紫苑さん』呼びにしました。


勝手してスイマセン。
ホントスイマセン。





 
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