独り言小ネタ

 
 
 
昼間の陽気にあてられた、ネジの飛んだ小話。




――ばったぁぁんっ!!
「ネズミ!!」
「…おい紫苑。扉を壊す気」
「結婚してくれ!!」
「か…って、は!?」
「ぼくのお嫁さんになってくれ!!」
「………」
「お嫁さんになってくれ!!」
「イヤ」
「ええ!なんで!?」
「なんで、って。知りたいの?」
「当たり前だ!……きみは、ぼくと結婚するのはいやなのか?同性だから承認されないとかは置いといて」
「そんな事は関係ないし、あんたと契りを交わすのがイヤなわけじゃない」
「なら」
「紫苑。結婚するのなら、嫁はあんたの方だろう?」
「……え?」
「あんたがおれの、お嫁さん。それじゃご不満?」
「…いいや、ぼくは、きみと結婚できるなら、かまわない。ただ」
「ただ?」
「きみのドレス姿が見たいんだ!」
「ド、ドレス姿!?」
「そうだ。舞台ではイヴとして着ているだろ。でもきみは劇場には来るなと言う。もっときみの色んな姿を見たい。それに、きみのドレス姿は、どんな女性も男性も適わないほど優美で艶やかで、あ、勿論普段のきみも」
「ストォップ!ストップ紫苑。そこまで言うなら着てやっても良い。着ても良いから、いい加減黙れ」
「……着てくれるなら、黙る」
「よろしい。で、紫苑。当然あんたもドレス、着てくれるんだろ?ねぇ、我が姫君?」
「……きみが、望むなら」
「ふふ、楽しみだ。コーディネートは誰に頼むか」
「きみがするんじゃないのか?」
「それでも良いけど。後のお楽しみに取っておくのも悪くない」
「ぼくは。きみ以外にぼくを任せたくない」
「紫苑。それ結構な誘い文句だぜ?」
「そうなのか?ところでネズミ」
「なに」
「式はいつ挙げる?」
「準備が整えば」
「整えば?」
「すぐにでも」
「ネ、ネズミぃ~~っ!!」
がばちょーー!!
「ちょ、紫苑!落ち着け…しおーん!!」




この後、紫苑さんは一発殴られました。




おわれ。





私の頭に花が咲きました。

でも、ネズミさんが婿入りして、紫苑さんと2人、パンづくり覚えて、火藍ベーカリー継いでくれても良いと思うです。

穏やかに緩やかに。そんな日々を過ごしていって欲しいの。





 
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