マテールの亡霊編
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「レイとリナリーちゃんが結婚するってさ」
「レイ!!リナリーィィイお兄ちゃんに黙って結婚なんて許さないよぉぉお!!!!」
「ゴメンな~このネタでしか起きねぇんだ、この人」
呼ばれたと思えばこの様だ。号泣して腰にしがみつくコムイに、レイは頬をひきつらせてため息をつく。リナリーは恥ずかしそうに赤面して俯いている。
ぼこっ
数分後、額にたんこぶを拵えたコムイが真面目な顔で三人の前に立っていた。
「で、時間がないので大筋を聞いたらアレン君と神田君の二人にはすぐ出発してもらう」
「「二人!?」」
「…俺は別口か」
「うん。頼みたいことがあってね。後で説明するよ。まずは二人にね」
ワガママは聞かないよ!と言いながらコムイは室長の顔になって真面目に話し始める。レイは二人が腰掛けるソファーの、神田の隣の肘おきに腰掛けて、話半分に聞いていた。神田の持つ資料を見下ろし、ふんと面白くなさそうに鼻をならす。
「南イタリアでイノセンスが発見された。だが、AKUMAも気づいて狙っているらしい。早急に現地に向かい、敵を破壊しイノセンスを保護すること。詳しい内容は途中で資料を読むように。以上だ」
「で、レイにはね。あの二人の様子を見守ってきてほしいんだよ。」
二人が出立したあと、コムイはレイにさらっとそう言った。納得がいかないのはレイだ。
「……見守りだと?この俺にあいつらの子守りをしろというのか!?」
思わず目を剥くレイに、コムイはにこっと感情の読めない笑顔を浮かべた。レイはぎり、と苛立ったように歯噛みする。
「んーまぁ、正しくはアレン君を、かな。初めてなのに神田くんとつけちゃったの、僕もちょっとは後悔してるんだよ?……それに、彼はまだ不明確な点が多すぎる。戦いかたも分からないし、ね」
(……決して手は出さず、結果だけを見守りにいけと。で、あわよくば二人が死ぬ前に助け舟を出せと言うことか。)
レイはがしがしと髪をまぜた。あの二人のお守りなんて面倒臭いことこの上ない。
「…ま、それはおまけなんだよ。本編は、はい。こっち」
「…………………………………なんだこれは」
手渡されたのは沢山の薬品がかかれたメモ。コムイはにこー♡と頬笑み、本棚やドアの影からはこそっと科学班のメンバーがこちらを覗いていた。
「南イタリアの、マテールの側にね。新薬に使える材料があるんだよー。で、それを買いにいきたいんだけど商人が此処へはこれないでしょ。で、AKUMAもいて危ないからーレイに買ってきて貰いたいんだよねー♡ほら、レイなら薬品のことわかるしー」
「こ、この俺に使いっ走りをしろと…?」
ひくっとレイの美しい顔がひきつる。高すぎる鼻っ柱には使いっ走りは本当に気にくわなかったらしく、怒りからか彼の背後には般若が見えた。小声で(やっぱやめときゃ良かったんだよー)とか、(ちゃんと頼めばレイだって怒んなかったって!)とか聞こえてくるが、時すでに遅し。
「貴様ら…後で覚えておけよ…」
(((((ヒィッッ((((;゜Д゜))))))))