黒の教団壊滅事件?
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『これほんとに終わるのか…?』
『転職しようかな…』
『レイがいたらなぁ…レイはまだ戻ってこねぇの?』
『さぁな…あー早く帰ってきてくれー…』
『諦めんな…きっと終わるって…』
やつれた顔で山とつまれた書類に突っ伏す科学班員。あるものはガシガシと髪を搔き乱し、またあるものはすべてを諦めた顔で乾いた笑いを浮かべる。
『コーヒー飲む人ー』
『『『はーい』』』
リナリーの声に一斉に声が上がる。その時だ。室長がコムリン2とか言う巨大ロボットを連れてきたのは。室長曰く、頭脳から性格に至るまで、全てを完全にコピーした、言うなれば第2の室長。これで仕事が半分になる、なんて言われてそりゃあ喜んだもんだ。その時までは。
『兄さん。このロボット、コーヒー飲むの??』
『あっはっはっはっは!何を言っているんだリナリー!いくら僕の超高性能ロボットだとしてもコーヒーは…』
皆の顔がさぁっと青ざめた。室長の驚愕に震える声が静かに響く。
『飲んだの…??』
ボンッ
コムリンの頭部が爆発した。と、あっけにとられている一瞬の間に、やたら太くてデカイ注射器がリナリーの首にぶすっと……
『エクソシスト…強くする。この女をマッチョに強化すべし!』
『『『エェェェェエエ!!!???』』』
「ってことがあってな…」
((アホくさッッッ!!!!!!))
コムリンから身を隠し、息を整えていたアレンとトマは心のなかで突っ込んだ。どんなアホ臭い理由だろうと、それがここまで大惨事になるのだから、本当に科学班の頭脳は侮れない。
「楽したいなんて思ったバチが当たったのかなー…お前らは命懸けで戦場に立っているのにな。…おかえり、レイ。アレン」
レイはふんと高慢に鼻をならした。騒動のお陰で寝起きを無理矢理叩き起こされたようなものだ。その為か不機嫌そうに目を眇めているが、未だその桜色の澄んだ瞳は眠そうにとろんとしていて迫力がない。
「ここを戦場にしないため戦うのがエクソシストの役目だ。…戦えるのが偉いわけでもなんでもない。お前たちはお前たちのすべきことをしているんだろう。ならいいだろうが」
リーバーはすげなくそう言ってそっぽを向くレイの不器用な優しさに破顔して、その白銀の髪をわしゃわしゃと撫で回した。途端になつかない猫のようにレイはやめろと身動ぐ。
「俺は部屋に戻る。部屋がないなら屋上にでも行っている。…これ以上騒がしくするなら本気で潰す」
言うなりレイの姿は周囲の空間ごとグニャリとゆがみ、ふっとかき消えた。慣れていないアレンはその光景にぎょっと目を剥いた。リーバーやトマは慣れたものであぁ…なんて虚空を見つめて息をつく。
(逃げやがった!)なんて思ったりもするが、あれも相当眠かったんだろう。足元は覚束無かったし、そう思うとあの暴言も可愛く見えてくるのだから不思議なものだ。惚れた弱味か。
残された三人の男たちは深い深いため息をついた。