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【オマケ】
誰もいないがらんとした街。
「さてと、金庫金庫♡」
港に残された天竜人の船の重たい扉を開け、中を覗いたカリーナは愕然とした。天上金を保管する広い広い金庫室。そこに堆く積まれた紙幣の山――はどこにもなく、まさに紙幣1枚、コイン一枚すら残っていない、まさに蛻の殻。がらんと不自然に空いた床には、伝言用のダイヤルがポツンとおいてあるだけであった。
「ちょっと…ちょっとこれはどういう事よ!?」
ナミか!?いや、あのとき彼女は本気で騙されていた。一体誰がこんなこと!?と苛立ちのままにダイヤルをふん掴み、スイッチを押す。
聞こえてきたのは、聞き覚えのある静かで心地よい、甘く美しい声。
『…これを聞いているということは、恐らく俺たちを出し抜いて、まんまと船ごとグランテゾーロの宝を盗み出したってとこだろう。だが、俺たちも海賊、手ぶらでは帰れないからな。グラン・テゾーロ中の黄金と船はくれてやる。その代わり、船の中の天上金は貰っていくぞ。どうやら油断しているのか、お前は天上金にまで気が回っていないようだからな。――ここは、グラン・テゾーロだ。騙された方が負けなんだろう?』
詰めが甘いぞ、お嬢さん
「や、やりやがった…!!あんの色男――――!!!!」
覚えときなさいよ―――――!!!!!!
「?おい!なんか飛んできたぞ!」
「?それ、トーンダイヤル?」
サニー号に、ひとつのダイヤルがどこからか飛んできた。ルークは、なんの能力だ!?誰から!?と警戒心を露にするクルーたちに、それは俺のだ、と短く告げてパシッと受けとる。
「?ルークの?一体何に…って、何で耳栓つけてんの?」
「…そういう気分だったからだ」
ルークは訝しげな視線を送るクルーたちの目の前で、ボタンを押した。途端に響き渡るカリーナの声。
《覚えときなさいよ!!!!この色男!!!!今度会ったら絶対あんたの宝物盗んでやるんだからー!!!!》
キーン…
耳栓をしていても意味をなさないほどの大音量。どんな声量をしてるんだあの女…
うぉぉ…なんて耳を押さえて踞るクルーたち。ルークも額を押さえて固まっていたが、小さく肩を震わせて笑いだした。
「ふ、ふふ…っ顔と強運でのしあがる才女は、どうしてこうも詰めが甘いんだろうな?」
ルークはぱちんと指をならした。何もない空間から、突然二つのトランクが落ちてくる。落ちた衝撃で開いたそこには、みっちりと札束が詰まっていて。
「あ、あんた、これって…」
「…これが今回の俺の成果だ。トランク一つに1億ベリー。因みに、この船の倉庫と億の収納にあと4998個しまってあるぞ」
え?え?と思考が追い付いていない面々に、あれだけ働いた対価が無いのはおかしいだろう?と小首を傾げる。
「…テゾーロマネー、しめて5000億ベリーだ。散々協力させられて、船と黄金まで持ってかれたんだから、天上金を持ち逃げしたところで問題ないだろう?」
なんせ、俺たちは海賊だ
「欲しいものは力と“知恵”で手にいれる。――そうだろう?」
ふっと目を細めて笑うルークは、最高にかっこよくて。頭脳明晰、傾国傾城の美貌を持つこの副船長は、この上なく頼りになるこの一味の自慢でありながら、この世で一番敵にまわしたくないヤツだと後々クルーたちは語った。
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